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住宅の大量供給・産業化

■住宅の供給方式

注文住宅

住み手の要望で建設される一品生産。


建売型住宅

建設後に住み手が決まる。分譲・賃貸・給与・中古流通住宅。


■大量供給を目的とした工業化

需要と供給のバランスを標準化・規格化で解決してきた。

大量供給の時期と建築の産業化した時代を背景に工業化住宅(プレハブ住宅)が誕生した。

工業化住宅

量産部品、部材を現場で組み立てる。良質で均質。


プレハブ住宅

1975年、ハウス55から始まった。


スケルトン・インフィル住宅

構造部と切り離した可変内装システムを組み込み、ライフスタイルの変化に対応。長寿住宅に。


商品化住宅/モデルハウス

営業から設計、施工一貫。ハウスメーカーが住宅展示場にするもの。



■大量供給により生まれたインテリア空間と住意識

1955年~1965年代頃(住宅大量供給の時期)、大規模団地の建設が進む。これら公団住宅には標準設計が採用。


・住まい方の変化

生活の起居様式ゆか座式から家具を用いるいす座式に変化。


標準設計

食寝分離を基本とし、ダイニングキッチン(DK)が取り入れられた。


DK型間取り

公式住宅標準プラン「51C型」(1951年)に、ステンレスの流しが採用。


公私室の分離

居間・食堂等(公室)と寝室・子供部屋(私室)を分離する考え方。n(個室数)+LDKと呼ばれる間取が誕生。


・住宅の部品化

住宅部品のユニット化・システム化、規格化開発、産業化により、インテリアエレメント・部品メーカー・販売等のインテリア産業が誕生。


・住宅の供給方式

大量生産により部品や部材は現場作業の効率化、ローコスト化を推し進めた。



補足

51C型

51C型とは、集合住宅の間取りの型のひとつです。戦後の住宅不足に対し、住宅の効率的な確保を目的として、規格化を図るために作られました。正式には「公営住宅標準設計C型」といいますが、1951年に登場したことと、A(16坪)、B(14坪)、C(12坪)の広さのうち、Cの広さであったことから、51C型という呼び名が一般的になっています。

特徴として、「食寝分離」と「就寝分離」の2つの概念が提唱されており、それらを実現する間取りの構成となっています。

食寝分離とは、食事をとる部屋と就寝のための部屋を分けるという概念です。寝室と食事室を分けるために、台所に食事のための空間を設けた“ダイニングキッチン(DK)”が導入されました。このことから、51C型は、今日のnDK型、ひいてはnLDK型間取りの走りといわれています。

就寝分離とは、親の就寝空間と子の就寝空間を別の部屋にするという概念で、このことから、一般に51C型では、ダイニングキッチンのほかに2つの居室が設けられています。

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