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10000時間のその先へ…

10000時間
何の数字でしょうか?
実はコレ一人のプレイヤーのゲームプレイ時間なんです。
RTA(Real Time Attackの略でゲームスタートからクリアまでの実時間を競うプレイスタイルの一種)
今回はこの膨大な時間一つのゲームに費やした
トーボウさんに迫ります。


トーボウさんのコントローラー達
激闘の日々を物語っている。

RTAとの出会い

「最初は視聴者として見ていて、まさか自分がやることになるとは思ってもいなかったです。」

そう語るのはスーパーマリオサンシャイン(以下サンシャイン)のRTAプレイヤーであるトーボウさん。
サンシャインのAny %(バグ技などを使ってゲームクリアすればいいクラス)カテゴリーにおいて日本2位のタイムを持つ実力者である。

彼が初めてRTAに出会ったのは、サンシャインではなくマリオ64のゲーム動画だった。

「64にはすでに早いRTAプレイヤーがいて、僕が当時配信でプレイしていたマリオサンシャインなら勝てるかも?と始めたのがきっかけです。」

当時RTAはまだまだ未開拓のジャンルで競技人口が多くなかった。
その中でもサンシャインはプレイヤーがトーボウさんを含めても数名しかおらず、一から組み立てなくてはいけない状態だった。

「TAS動画(エミュレーターを使った人間ではない機械のプレイ)を参考に自分たちでルートを構築しましたね。僕以外にも何人か走者はいたんで、放送に来てもらって情報交換をしました。」

自身もルートを構築し、ライバルたちと共にタイムをどんどん縮めていった。

大会の運営

「ただ自分がプレイしてるだけではサンシャインのRTAは流行らない、だからこそ大会を開こうと思いました。」

タイムをどんどん更新していく中で、コミュニティの拡大にも着手したトーボウさん。
彼の頭にあるのは、サンシャインを多くの人にプレイして欲しい。そこで、初心者大会の開催を提案した。

「こういう大会の開催は、RTAの世界では僕の知る限り聞いたことはありませんでした。大会を開催する事で、やったことない人の背中を押せたらと思いました。」

ゲームをプレイするだけではモチベーションが低下して人が居なくなりRTA界隈が縮小してしまう。その危機に自ら動いたというわけだ。

ほとの。さんから見るトーボウさんの凄さ

ここで本人の話だけではなく、トーボウさんのRTA界における強みを他のサンシャインプレイヤーに聞いてみた。
自身もプレイヤーでありながら、去年中級者大会の開催などに尽力したほとの。さんだ。

「サンシャインRTAをやる前からトーボウさんのことは知っていました。RTAの性質上配信では、プレイに集中するとトークに気が回らないことも多いです。ですがトーボウさんは視聴者をトークで楽しませつつ、プレイの質が落ちない指折りのプレイヤーだと思います。」

彼のようなゲームを代表する人がいることで、サンシャインに興味を持ってくれる初心者が増える。結果コミュニティの拡大にも繋がるとほとの。さんは語る。

アウェイでの闘い

トッププレイヤーで走り続けるトーボウさんの元に一通のDMが来た。
その内容はヨーロッパの大会であるESA(注1)への招待であった。


「賞金が出ているRTAの大会は日本ではほとんど無くて、それも海外の選手に混じって参加したのは光栄でしたね。」

ESAでは時差との戦いも有り、トーボウさんは日本時間の22時からプレイ
大会は3日間海外の大会という不利な条件の中3位で競技を終えた。

「RTAの記録はギネス記録のような感覚で記録が詰まってしまうと熱気もしりすぼみになってしまいます。だからこそESAのような高い実力を持つプレイヤーが集まる競技会が日本でも出来るとRTAがもっと盛り上がると思うんですよね。」

日本記録樹立へ

取材をしたのが去年の12月
その時は、Any %のカテゴリで2位だったトーボウさんだが、今年1月ついに日本1位の記録を達成(1時間13分53秒)
何度目かわからない日本一のプレイヤーになった瞬間だった。取材の最後に彼はニヤリと笑いながら言った。

「かずのひーさんも僕の視聴者なんで、見てるだけじゃなくてぜひRTAをプレイしてみてください。」

プレイしてない時もコミュニティの拡大に尽力する。
トーボウさんのサンシャインに対する熱意は太陽のように暑かった。

注1:European Speedrunner Assemblyの略 ヨーロッパの大きなRTAの大会で、毎年多くの寄付金が集まるチャリティーイベント。配信はTwitchで行われている。

取材に協力いただいたお二人のTwitterはこちら!

トーボウさん(https://twitter.com/toobou

ほとの。さん(https://twitter.com/hotoono)


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