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PHOTO PARTNER 3rd photo exhibition(フォトパ展3)の振り返り

原宿の「DESIGN FESTA GALLERY HARAJUKU EAST」にて2024年6月15,16日に開催された「フォトパ展3」へ出展させていただきました。

フォトパ展とは

フォトパ展とは、photo partnerという撮影会が主催の写真展です。

去年も同じ場所で開催された際に友人が出展した作品を拝見したのが、この展示を知る最初のきっかけでした。

今年も開催されるとの告知を見て、素晴らしいモデルさんがいらっしゃることは分かっていたので、自分も是非出展したいと思い参加させていただくことになりました。


展示枠の確保

会場となるのは「DESIGN FESTA GALLERY HARAJUKU EAST」
一週前に「DIREC→TIONS」の展示を開催したのと同じ場所
詳しくはこちらからご覧ください。

1階から3階まで全てのフロアが会場となりましたが、場所によってレイアウトや展示方法に制限があるので、それに伴い値段も異なっています。

当初はすぐ目に入りやすい1階のスペースを狙っていましたが、販売開始からアクセスが殺到し、つながる前に売り切れ
慌てふためき、なんとか購入に至ったのは3階の「303」のスペース
ただ、後から振り返ると買えただけでも運が良かったのですが(笑)

この展示枠瞬殺という経緯があり、後程の増枠、有志によるWESTを借りての「RE展」の開催へと繋がっていきます。


作品のコンセプトが決まるまで

恥ずかしながら、展示枠を確保した時点でまだフォトパの撮影会に行ったことがありませんでした。

展示に出すことになったのでとりあえず一度撮りに行こうと、展示などで良くお会いしていたモデルさんを撮りに行きました。その時の写真も展示するには申し分はないと思っていたのですが、その後に自分として更にしっくりくる展示のアイデアを思いつきました。
これまで撮影会主催の写真展を色々と拝見してきた経験から、複数のモデルさんを展示するに当たり、そのことに対する必然性を盛り込みつつ、ある程度差別化ができると思えるものでした。

一度思いついてしまったら、それをやらないという選択肢はありません。
展示に必要な分の作品を撮るため、更に3回撮影会に行くことになりましたが(笑)


作品解説

Title:MOIRAI(モイライ)
今回の作品は3人のモデルさんの作品をそれぞれ1枚、計3枚一組で一つの作品となります。

モチーフ

今回の作品のテーマはギリシア神話のモイライという三女神をベースとしました。

人間個々人の運命は、モイラたちが割り当て、紡ぎ、断ち切る「糸の長さ」やその変容で考えられた。まず「運命の糸」をみずからの糸巻き棒から紡ぐのがクロートー(Κλωθώ, Klotho、「紡ぐ者」の意)で、その長さを計るのがラケシス(Λάχεσις, Lakhesis、「長さを計る者」の意)で、こうして最後にこの割り当てられた糸を、三番目のアトロポス(Ἄτροπος, Atropos、「不可避のもの」の意)が切った。このようにして人間の寿命は決まるのである。

Wikipedia

私はこの神話をベースに、モデルさんと撮影会に参加するカメラマンとの偶然の出会いが「運命」に重なると解釈できるのではないかと考えました。
では1枚ずつ見て行きましょう


1,Klotho(クロートー、長女)

三女神の長女が糸を紡ぐことで人の一生が始まる

この役割を「るあ」さんに演じてもらいました。

彼女のある種、神秘的な佇まいがこの世界観でも違和感がないと思ったことがその理由です。
物語の始まり(つかみ)として重要な一枚にぴったりの存在感でした。

小道具として編み物をする時の編み針を持っていますが、当初「かせくり器」を持っていただく予定でネットから注文しましたが、予定した日に届く気配がなく、残念ながら変更するはめに…

かせくり器

小道具を購入する時は時間に余裕を持つようにしましょう(笑)


2,Lakhesis(ラケシス、次女)

三女神の次女が糸の長さを測ることで人の寿命が定まる

この役割を「鈴野渚」さんに演じてもらいました。

長さを測るという正確性を求められるという性質から、私の中で気遣いが素晴らしく、しっかりしているというイメージのある鈴野さんにお願いしました。

実はこのアイディアを思いつく前に一度撮りに行ったのは彼女で、結果2回撮らせていただくことになりました。
すぐ予約の埋まってしまう渚さんを2回撮れたのは運が良かったです(笑)


3,Atropos(アトロポス、三女)

三女神の三女が手に持つはさみで運命の糸を断ち切り人の一生は終わる

しかし、この設定のままでは華やかな展示の場にはふさわしくないと思い、はさみは鞘に納めてもらい、運命の糸は切らず、縁は続いていくとアレンジ。

この役割は「美波まりん」さんに演じてもらいました。

今回の三つの作品の中で、最初に撮ったのがこの作品

このアイデアがしっかり形となるか判断するための大事な撮影でしたが、まりんさんの表現力のおかげでつつがなく終わり、本当に安心しました。


展示の手法

今回はテーマが神話モチーフということもあり、絵画、フレスコ画をイメージしたレタッチ、用紙は完全にマットで尚且つ繊維の質感がでるものにしたいと考え「ハーネミューレ トーション」を選択

3つの作品を一つのものとして表現するにはどうするか、配置は三角形にするということまでは決めていましたが、そこからさらに意図を分かりやすく伝えるにはどうすればいいかと考えました。

まず思いついたのは、それぞれの額を撮影でも使ったアクリルの赤い糸でつなぐという事です。(ユザワヤで購入)

展示イメージ図

しかし、実際にプリントされた作品を額装したところ少し弱いなと感じました。というのも絵画のイメージに寄せるためのレタッチ、選択した用紙の印象から、モデルさんの持っている糸の存在感が思ったより薄かったのです。

そこで思いついたのが、それぞれの額に同じ糸を巻き付けそれを繋ぐというアイデアです。

実際の展示

これならビジュアル的に圧倒的に分かりやすくなり、作品に糸の影が落ちることで、より立体感が協調されました。

また、今回の展示スペースが思いのほか幅があったため、空間を埋めるためドライフラワーを飾りました。枯れない花は関係の永続性という意味の補足にもなります。


作品解説(BOOK)

メインの展示としては上記のものですが、展示作品を撮り終わった後に特徴的なスタジオで撮影会の開催予定があり、ここでなら一本ストーリーが組めそうだなと思ったので、BOOKを作り一緒に展示することにしました。

Title:Haste makes waste (急がば回れ)

シチュエーション:お盆の帰省

モデル:如月明日香さん

神話をモチーフにしたメイン展示とは異なり、とても緩く頭を空っぽにして楽しめるようなストーリー。



その分モデルさんの力量が如実に問われるものでもあるので、一時間の中でこれを撮り切ることが出来たのは明日香さんのおかげです。


お礼

今回の展示に参加させていただき、感じたのが出展者たちの感謝の気持ちです。
こういった展示の場を用意してくれたことに対するお礼のような気持ちがどの作品からも伝わってきました。

そしてそれ以上にモデルさんたちが、この写真展、ひいては撮影会を盛り上げようという気持ちを誰からも感じました。

とても楽しいお祭りのような二日間、参加できたことがとても嬉しかったです。

運営の皆様、モデルの皆様、出展者の皆様、展示をご覧に来ていただいた方々、全ての方にお礼を申し上げます。

左から、美波まりんさん、如月明日香さん、鈴野渚さん
残念ながら、るあさんは体調不良でお休みでした。

実は来年の開催が既に決定しているので、私も今から展示のアイデアを練ろうと思います(笑)


次回の展示

次回の出展は私が主催のスナップの写真展である「ささやき またたき」

会場は東京メトロ丸ノ内線、新高円寺駅のすぐ近くにあるカフェ「SPIEL COFFEE」
会期は7/17-21です。

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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