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Fラン大学は学力が低い学生が多い?

 こんにちは、フラン大学研究室のやまです。私は現在、地方のFラン大学で教鞭を取りつつ、関西や関東の大学で非常勤講師として勤務をしています。

学力が低い学生が多い?

 普通のFラン大学の受験生について「偏差値が低い学生が多い」というイメージがあります。結論を言うと、普通のFラン大学を受験する受験生のうち7割程度は(総合型や推薦入試などを含めて)「偏差値がつく」受験生です。残りの2~3割の学生は「Fランやばい」という層に入るかもしれませんが、「全科目にわたって学力(偏差値)が低い受験生」はそんなにいません。

 普通のFラン大学への入学生は、極端に苦手な受験教科が1~2科目あり、入学試験を解く訓練が苦手、要領が悪かったという人が殆どです。特に数学で良いパフォーマンスが出来なかったというケースが目立ちます。

 数学や英語といった分野は小学校から積み上げてきた学習経験がものを言うため、高校卒業時点での学習目標に全く到達できていない学生がいるのは事実です。しかし、その割合は2割を超えることはありません。

 大学で初めて習う分野の学習場面を見てみると、普通のFラン大学とそれなりの大学との学生の間に大きなレベルの差はありません。おそらく関東でいうところの早慶・MARCHレベルの講義なら、Fラン大学の学生の3割くらいはついていけると思います。(やる気を含めてです。)

 つまり、普通のFラン大学の学生の構成は
・上位30% 国立大学・早慶・MARCHの講義が理解できる学生
・中位50% 極端な苦手分野(自然科学・外国語など)がある学生
・下位20% いわゆる「学力が低い」学生

 というのが一般的です。

 中位50%の学生にはクラブ・サークル活動で活躍する学生が多く含まれ、多くの大学で1年生の時に課される、情報の整理、論理立て、議論、発信などのトレーニングにも対応できています。また、大学の講義などで頻繁に行われるグループワークやファシリテーションといった場面で求められる力を発揮するのもこの層の学生です。上位30%層に少し及びませんが、元気がよく、良い成績を上げています。しかし、この50%の下位の層(ややこしいですが)は、良い大学でもそうだと思うのですが、友だち・バイト先が「悪い」と雰囲気に流されがちです。突発的な退学者が出るのもこの層が多いです。

 下位20%がマスコミやSNSなどで「Fランやばい」と伝えられる層です。確かにここには「どうやって大学に入ったのだろう。」というよりは「どうやって高校に入ったのだろう。」という学生がいます。「Be動詞ができない」とか「分数が分からない」という学生たちです。しかし、この層の学生も、しっかり支援すれば(この部分に投資することに批判されることが多いのですが)大学生レベルの教養科目についていくことができています。スポーツ推薦組がこの層に入るイメージがありますが、実際は中位50%層に入ることが多いと思います。レベルは違うものの良い大学でもこうした成績下位層が同じくらい存在します。

 批判覚悟で言うならば、普通のFラン大学に在籍する学生の構成は(トップ層に開きはあるものの)関東地方や関西地方の華やかな大学とそんなに変わりません。

 今回は「学力の低い学生が多い」というFラン大学のイメージと実際についてお伝えしました。途中「普通のFラン大学」という表現が何回も登場し、うっせえなと思われたかもしれません。「普通じゃないFラン大学」ってなんなのよという話を次回にお伝えします。





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