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『映画プリキュアオールスターズF』を観た

 こんがお!

 どうも、苗輪和音です!


突然ですが、先日『映画プリキュアオールスターズF』を観ました。


観るまでの経緯

 私には、唐突にプリキュアの神作画回をリストアップしてLINEを送ってくる『プリキュア』好きの兄がいるのですが、そんな兄から先日「この映画面白いよ」と一本のDVDを渡されました。

 それが『映画プリキュアオールスターズF』でした。

 私自身はちょうど初代プリキュアこと『ふたりはプリキュア』世代で、少し歳の離れた弟がいることもあり『スマイルプリキュア』辺りまではなんとなく観ていたので別にプリキュアに苦手意識がある訳でもなかったのですが、最近のプリキュアに関しては本当に分からないしプリキュア特有のノリについていけるか不安だったこともあって観るのを少し躊躇していました。

 ただDVDを渡された手前、観ずを貫くのもダメだろうと思い、意を決して視聴を開始しました。


※筆者は本当にプリキュアの知識がありません。ですのでなにか的外れなことを言っている可能性もあります。しかもバリバリ映画のネタバレをしています。ご注意ください。


『映画プリキュアオールスターズF』感想

 まずはじめに一言言っておきます。

 めちゃくちゃ良かったです。


 まず本編開始直後に流れる明らかに敗北直後であろう不穏すぎるシーンで「おや……?ただごとではないぞ……?」と超速理解しました。最近「アニメをいっぱい観てきてて良かった~」と思う瞬間が増えてる。

 どう見ても宇宙空間な場所でボロボロになったキュアスカイとキュアプリズムが息も絶え絶えになりながらも互いの手を掴もうとするものの掴み損ねてしまい、気付けばなんだかよく分からない世界にバラバラで放り出される。

 もうこの開始数十秒で「面白そうだぞ」となりました。

 そこからは謎の世界を旅しながら襲ってくる謎の敵と戦ったり別世界のプリキュアと出会ったりしながらそれぞれの世界に帰るための方法を模索するパートになります。

 私は『仮面ライダーシリーズ』や『スーパー戦隊シリーズ』、『ウルトラマンシリーズ』などを劇場版やOV含め幼少期より観てきているのでこのパートがあることだけでもうテンションが上がりました。本来会うはずがないキャラ同士が出会うのは作品知らなくても面白いので。

 そしてこのパートでえげつない原画枚数と坂本真綾さんの声帯を引っ提げて登場した謎のプリキュア・キュアシュプリーム。

 もう登場した時点で私のゴーストが囁きました。「この人、もしかして敵なのでは……?」と。

 だって攻撃方法が全然プリティーじゃないよ!怖いよ!ザケンナーみたいな敵にガチパンチやキックを繰り出し、ぶっ飛ぶ相手に追撃を加え、執拗に追いかけ、挙句の果てに文字通り消滅させる光線を撃つ。「プリティー」でも「キュアキュア」でもないよ!ああいう戦い方するキャラ、パッと思いつく限りでは終盤に出てくる強敵しかいないよ。味方キャラで考えて出てくるの、強いて言うならマジの時の五条悟だよ。

 ただプリキュアたちは純真で信じる力がとても強いので私みたいなクソオタク特有の穿った見方はしません。シュプリームも特に何も言わないのでキュアスカイたちと一緒に旅をします。プリキュアたち、圧倒的な光。

 一方そのころキュアプリズム一行はプーカに出会います。可愛~。

 ただなにやらプーカは怯えている様子でキュアラメールが抱きかかえて連れていくまでプリキュアたちについていくことすら躊躇うほど。

 もう絶対に何かがあった事が確定しています。何があったんだ。こんな可愛らしい小動物が怯えていい理由なんてこの宇宙に1つもないよ。

 「今作のメインプリキュアたち」の紹介パートを挟みつつドラマを展開させていくのは監督や脚本の方々の力量が成せる業だなと思いました。ここまで30分ほどだったと思いますが、もう既に知らんプリキュアたちに愛着が湧いてました。

 ここのパート含めて全編通して気になったんですけど、キュアアースさんって何者……?ずっと強キャラ感溢れてたけど、なに?映画の公式HP見たら「地球のパワーが人間の姿となって現れた精霊のような存在」って書いてあったんですけどどういうこと……?ウルトラマンガイア……?

 まあ、その話は置いといてこのパートでめちゃくちゃ好きなシーンがあります。

 それはプーカの「破壊する能力」が暴走して列車を破壊してしまった直後、「自分を助けてくれて気にかけてくれてる人たちの束の間の安寧を自分が壊してしまった。また嫌われてしまう」と恐怖や不安に押しつぶされそうになっているプーカの手を被害を被ったプリキュアたちが優しくとるシーン。

 めっちゃ好き。ここだけでプリキュアたちの底なしの愛や優しさを感じる事が出来ました。

 旅の末に辿り着いた街でシュプリームに会ってしまったプーカが「なんでいるの?」と言われトラウマから能力を暴走させてしまった直後のシーンも好きです。キュアグレース、凄すぎる。全然キュアグレースのこと知らないけどなんか泣きそうになりました。

 そこから悪の居城に突入→真相を知るシーンまでの流れは『仮面ライダーシリーズ』や『スーパー戦隊シリーズ』の劇場版でも観たことがある流れではありましたが、アニメーションならではのアクションの見せ方やカメラワークが豊富で楽しめました。あとプリキュアオールスター映画の季節になるとネットでよく見る突入時の「土煙からプリキュアたちがいろんなポーズでジャンプして登場する」やつが実際に見られて良かったです。あれ仮面ライダーオールスター映画でよくあるバイクに乗って全員集合シーンと同じなんですね。めっちゃ良い。

 そしてバラバラになってたプリキュアたちが全員集合してからのシュプリームのネタバラシ、そしてプリキュアたちが真相を思い出すシーン。あまりにもシュプリームの思考が人からかけ離れすぎてて怖かった。スケールもアメコミの長編の敵レベルだし。プリキュアとはいえ子どもたちが戦っていい相手じゃなくない?

 正体を現したシュプリームに対して攻撃を加えるものの為す術なく倒れていくプリキュアたち。これまで各パーティを引っ張ってきていた頼りになる年長組のプリキュアたちが一撃で葬られる様は坂本真綾さんの演技力も相まって絶望感半端なかったです。映画館で観てたちっちゃい子たちの中には怖くて泣いちゃった子もいるんじゃないか?かく言う私も回想で初代やプリキュア5やハートキャッチプリキュアたち世代のプリキュアたちが負けていったのを観て悲鳴を上げました。怖すぎて。

 そして絶望にうちひしがれるキュアスカイ、キュアプリズム、エルちゃん、そしてプーカ。「私たちの世界はもう……」と徐々に絶望を受け入れそうになるプリキュアの悲愴感は関根明良さんと加隈亜衣さんの演技も相まってとても辛いものがありました。そしてそこに更に追い打ちをかける古賀葵さん演じるエルちゃんの悲しみに満ちた泣き声。辛かった。

 しかし、短いながらも映画開始時からここまでの勇気の積み重ねを見てきたからこそ自然と溢れる気持ちがありました。

「プリキュア、頑張れ……!」

 そしてその気持ちに応えるようにキュアスカイとキュアプリズムは立ち上がります。ヒーローの矜持を胸に抱きながら。

 もうここで私のテンションはマックスハートになりました。

 そして想いの力でシュプリームの攻撃を凌ぎ、エルちゃんが変身する明らかな強キャラ感が溢れるキュアマジェスティの参戦、そして自らを切り捨てたシュプリームに立ち向かう勇気を手に入れたプーカがくれた逆転のキッカケを足がかりとし、自らの力の源を再認識した今作のメインプリキュアたちの参戦、更には本編開始前にシュプリームによって消されたプリキュアたちの復活などもうアツい展開のミックスグリルです。『スーパーヒーロー大戦』や『劇場版ウルトラマンメビウス』でレジェンドヒーローたちの同時変身を観た時のワクワクと同じ種類の感動を味わいました。『プリキュアシリーズ』が好きな方なら間違いなくもっと感動した事だと思います。

 そして登場するちいちゃいサイリウム様のアイテム。あれってよくネットで言われる応援用のアイテムですよね?映画館で小さい子たちが応援する為に振るアイテムですよね?そこもなんだかよく分かんないですけど凄く感動しました。

 いよいよ始まる怒涛の攻撃。アクション好きかつアニメ好きでテンション上がらない訳がない!と断言できるバトルが始まる訳ですが、もうそのパートの序盤で私の世代のプリキュアたちの名シーンが登場する訳です。そこも本当に良かった。少しでも世代のプリキュアが戦ってくれたり話したりしてくれるだけで満足だったのにガッツリ登場してくれる訳です。最高すぎ。

 そこからのバトルパートもキュアブロッサムの「堪忍袋の緒が切れました!」でテンションが上がったり青系プリキュアたちの合体技の爆発エフェクトに一瞬キュアマリンの顔が映ったりスイーツ系のプリキュアたちの合体技がケーキからトゲが生えて大爆発を引き起こしたりなどなど枚挙に暇がありません。面白すぎる。このバトルシーンだけでも観る価値があります。

 あとなんと言っても地球を背景に全員集合をしたシーンがカッコ良すぎる。そこでキュアスカイが啖呵切った直後の全員大ジャンプシーンは圧巻でした。キュアブラックとキュアホワイトがOPと同じポーズでジャンプしてるのが本当に嬉しかった。思わず雄たけびをあげそうになりました。家だったのであげればよかったなと今思います。

 この辺りでプリキュアたちの家族や友人たちが宇宙で戦っている皆に向けて応援パワーを送るカットがいくつか挟まるのですが、それも良かった。愛すべき人々が後ろにいるからこそその力を発揮できる。それがヒーローです!

 更に極めつけは歴代マスコットたちの力を借りたプーカの変身。ある意味この映画の裏主人公とも言えるプーカの変身にはもう感極まってしまいました。あとここでプーカの声が種﨑敦美さんだと分かりました。種﨑さん、映画に出てから『わんだふるぷりきゅあ!』でメインプリキュアになったのか、と謎の感動も覚えました。オタクだから……。

 そしてシュプリームとの決着。

 ひろプリとプーカの活躍で闘いは幕を閉じます。

 そして世界は元に戻り、草原でパーティーの相談をするプリキュアたちの声で目覚めるシュプリーム。

 シュプリームは戦いを通して「プリキュアとはなんなのか?」を理解し、実感したのです。その機微を僅かな声色の変化で表現されているのは流石坂本真綾さんだなと感じ入りました。

 そうして世界は元に戻り、シュプリームは「プリキュアパワーの源」を知りプーカと手を取り合う事が出来るようになり、平和な日々が続いていくのでした……。

 めでたしめでたし!

 73分であれだけのキャラクターを使ったストーリーテリングを完璧に組み立てて目の肥えたキモオタすら満足させる緩急があり見やすく分かりやすいレイアウトと作画を描き切ったスタッフ様方には感謝しかないな……

 と満足しておりました。

 しかし私は重大な要素を忘れていたのです。

 そう、エンディングです。


エンディング

 『プリキュアシリーズ』は第三作『ふたりはプリキュア Splash☆Star』からエンディングでダンスを踊る事が伝統になっており、第六作『フレッシュプリキュア!』から3DCGで踊り始めました。そのクオリティの高いダンス作画やメインターゲットである小さな子が踊りやすい振り付けは毎年話題に上るほどなのですが、私はそれを本作のエンディングが流れるまで完全に忘れていました。

 そして、度肝を抜かれました。

 登場した全プリキュアが3DCGで踊っているのです。

 しかもキャラデザや各作品のキャラクターのタッチそのままで。

 ここまで散々2Dで動き回る彼女たちを観てきたのにも関わらず3Dになった時の違和感がない。

 元からこうでしたと言わんばかりにキャラデザや各作品特有のタッチを意識した違和感を覚えさせない制作スタッフの方々の熱意にはただただ感服するばかりです。

 そのダンスパートに入る前の歴代プリキュアの名シーンが映し出された街並みを、歴史をその目に焼き付けるように歩くキュアスカイとキュアプリズムのパートにも感動しました。

 あぁ、この映画はこれまでに少しでもプリキュアを好きな気持ちを持っていた人全てに向けた映画なんだ。

 そう感じました。

「20年」という途方もない年月を一度も途切れることなく歩み続け、世界中の人々に愛と勇気と希望を見せてきた矜持を、そこに見ました。

 素晴らしい作品を世に送り出していただき、本当にありがとうございました。


おわりに

 という訳で、以上が『映画プリキュアオールスターズF』感想でした。

 本当に良い映画だったので、ちょっとでも『プリキュア』を観ていた方や観ていないけど興味がある方には是非とも観ていただきたい。

 私はこれをきっかけに『プリキュア』を観よう……とは思わなかったのですが、もし将来、自分に子どもが出来たとしたら絶対に隣でその時の『プリキュア』を一緒に観ているだろうなと思いました。(時間と体力があったら多分全部観てました。)

それまでプリキュアが続いてくれる事を願いつつ、今回はこの辺りでおしまいにしたいと思います。


 本日もここまで読んでいただきありがとうございました。

 それじゃ、おつがお~!

追伸
「プーカ」って名前、もしかして「まだ上手く発音が出来ない小さな子が発する『プリキュア』」が由来だったりするんですか?

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