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第3回 新人ボカロPを知ろうの会

 こんがお!

 どうも、苗輪和音です!

 今回は「あまり知られていないボカロ曲をDigる」を趣味にしている私がお送りする【新人ボカロPを知ろうの会】の3回目です。

 この不定期企画は、その名の通り「まだあんまり注目されていないけど良い楽曲を投稿しているボカロPさんとオススメ楽曲を紹介する」企画です。

 詳しい事はこちらの記事【第1回 新人ボカロPを知ろうの会】をご覧ください。


今企画のレギュレーションは以下の3点

●本記事執筆時点でのYouTubeチャンネル登録者数が5,000人未満である

●活動期間が3年以下(チャンネル作成日≠初投稿日)である

●投稿されている楽曲が「音楽」として鑑賞に足るものである

というものになっております。


 それでは早速紹介していきます!

 いくぞ!!!

※各チャンネル登録者数は執筆現在(2023年2月11日)のものです。

※それぞれの初投稿作品の投稿日時順に紹介しております。


第3回 新人ボカロPを知ろうの会

●KAIRUI

初投稿日:2021/4/24
チャンネル登録者数:1,070人

1人目はKAIRUI

 2021年春初投稿作品『空想(feat.初音ミク)』を投稿して以来、現在までに自身のチャンネルで3作品のMVと1作のEPが公開されている。

 電子音楽とアンビエント・ミュージックの融合と言えば分かりやすいのかもしれないが、そういった言葉では芯が伝わりにくいと思うのでまずは一度聴いてみてほしい。

 実は今回紹介させていただいている方々の中でこの方だけは私が自力で見つけたのではなく、音楽プロデューサー・蔦谷好位置氏がYouTubeで紹介されていた所から知ったのだが、一聴してすぐに「どうしてこんなに良い音楽を今まで知らなかったのだろう」と思わされた。蔦谷氏も言っていたが、KAIRUI氏の作る楽曲に世間の目を一気に集めるような目新しいメロディなどがある訳ではない。
 ただKAIRUI氏の音楽に対する気持ちがスッと伝わってくるような「好きな事を追求する気持ち」で溢れているのだ。そこが本当に素敵だ。


 また、個人的な事ではあるが私にとってとても心地良い音が溢れているのである。それが何より嬉しい。

 他人に猛烈にオススメしたいけど自分の中の「たいせつなもの」に収納しておきたいとつい独占欲を働かせてしまうほどの素敵な楽曲を、これからも作り続けてほしいと切に願う。

オススメ楽曲:『幽霊(feat.初音ミク)』



●TOMATO*TUNA

初投稿日:2021/7/31
チャンネル登録者数:1,170人

2人目はTOMATO*TUNA

 2021年夏初投稿作品『歌舞伎町コンクリート』を投稿して以来、様々な作風の楽曲を投稿しており、現在まで16作品が自身のYouTubeチャンネルで公開されている。

 ポップスロックなどを中心に投稿しており、全体的にミディアムテンポ以上の楽曲が多いのが特徴である。どの楽曲もかなりしっかりした強度を持っている楽曲であり、またメロディーなどもバリエーションに富んでおり、連続で聴いていても飽きないのが良い。
 殆どの楽曲にキャッチーなギターリフやピアノリフフレーズが組み込まれている事からギターやピアノの音に対してこだわりがあるのではないだろうか。
 歌詞も良いので、昨今の「歌詞に注目する」文化とも相性が良いように思える。

これからもっと伸びるだろうし、伸びていってほしいボカロPである。

オススメ楽曲:『水星ちゃんは太陽系から配信するみたいです feat.可不』



●ONISUKE

初投稿日:2022/8/24
チャンネル登録者数:10人

3人目はONISUKE

 2022年夏初投稿作品『つぎはぎクラウン』を投稿してから現在まで3作品が自身のYouTubeチャンネルで公開されている。

 ボカロ作品の制作以外にもフリーゲームの制作も行っているようで、YouTubeチャンネルに初めて投稿された動画は自身が制作したフリーホラーゲーム『災厄の日』のPVである。

 ややダークな世界観の歌詞をチップチューンやメタル系の楽曲に乗せる音楽性が特徴である。

 まだ投稿作品が少ないのでなんとも言えないが、恐らく10年代前半Neru氏、Last Note.氏などが頭角を現したロックやメタル系の激しいサウンドのボカロ曲が流行った辺りから影響を多分に受けているのではないだろうか。
 筆者もそうだが、あの時代にボカロを好んでいた人にとっては馴染みがある楽曲たちだと思う。

 これからもっとたくさんの楽曲を作って更にブラッシュアップさせたロックを聴いてみたいと思わされる。

オススメ楽曲:『未練』



●iva蒸気

初投稿日:2022/8/27
チャンネル登録者数:311人

4人目はiva蒸気

 上述のONISUKE氏のデビューから3日後に自身初のボカロ楽曲『Neonと歩く』を投稿し、現在まで2作品が自身のYouTubeチャンネルで公開されている。
 4年ほど前にJ-POPのリミックスを投稿しているが、ボカロPとして作品を投稿し始めたのが昨年とレギュレーションには違反していないので選出している。

 チル系のポップスを得意としており、『Neonと歩く』は初ボカロ作品だと思えないほどのクオリティを誇る。恐らく元々音楽制作をしていたのだと思うが、それにしても凄いと思う。
 メロディーは王道の雰囲気を持ったものになっているが、そこから更にグルーヴ感を生ませる為に恐らく敢えて初音ミクにノリを生む歌い方をしてもらっているのが聴いていてとても心地良い。

 内省的でアンニュイな歌詞は近年のネット音楽文化の象徴的なものであるが、その雰囲気をしっかり掴み自分の中に落とし込んで歌詞を自分なりの歌詞として完成させている所にも力量の高さが伺える。

 どんどん作りたい音楽を作って更に洗練されたアーバンナイズな楽曲を投稿していってほしい。そういう楽曲以外も大歓迎。

オススメ楽曲:『Blue Moonと隣にいる』



●Croi

初投稿日:2022/9/23
チャンネル登録者数:336人

5人目はCroi

 2022年晩夏初投稿作品『青藍プローブ』を投稿してから現在まで4作品が自身のYouTubeチャンネルで公開されている。
 YouTubeチャンネルの概要欄やTwitterに「高校生」と書いているので恐らく高校生ボカロPだと思われる。

 Orangestar氏のような爽やかなギターが組み込まれたポップロックと打ち込み系の音の融合が特徴である。
 最近の高校には打ち込み音源やMIX、マスタリングの授業でもあるのだろうかと思ってしまうくらい全体的に一定以上のクオリティが確保されている。音量のバランスや聴きやすさもしっかりしており、恐らく以前から趣味や練習として個人的に音楽を制作していたのではないかと思う。学業や校則などで自由に使える時間や資金が少ないであろう中でこれだけの楽曲を制作しているのは本人の努力に他ならないのだろう。

 Twitterを見ているとどうやら「方向性が定まってきた」そうなので、これからの楽曲が楽しみである。無理せずに末永く音楽に携わってほしい。

オススメ楽曲:『Edge-on』



●Name.o

初投稿日:2023/1/29
チャンネル登録者数:279人

6人目はName.o

 2023年1月29日初投稿作品『    (いまいち)』を投稿した新人ボカロP。

 上述のCroi氏と同様にどうやら高校生のようだが、こちらは日本語を母国語としない方のようで「日本語を勉強中」らしい。

 〈タイトル欄を空白にする〉であったり〈不安感や恐怖心を煽るサムネイル〉〈洗練されたオシャレなエレクトロニック・ポップス〉などの特徴からAzari氏やx0o0x_氏から影響を受けたと思われる。

 Twitterでの発言などから恐らく今までも音楽を作ってきたと思われるが、ここまで完成されたものを作れる高校生はそうそういないのではないだろうか。Name.o氏が影響を受けたと思われるAzari氏も初投稿時は高校生だったし、年齢が近しい人の活躍に影響を受けたのかもしれない。

 Azari氏やx0o0x_氏ほどではないが、サムネイルイラストがややホラーテイストなのでそういったイラストが苦手な方は難しいかもしれないが、そうでもない人は一度聴いてみてほしい。きっと新芽の産声が聴こえるはずである。

 自分の感性を大切にしてたくさんの音楽に触れてどんどん成長していってほしい。これからがとても楽しみだ。

オススメ楽曲:『    (いまいち)』



●ルナ

初投稿日:2023/1/31
チャンネル登録者数:11人

7人目はルナ

 今年1月末に初投稿作品『ルナ』を投稿。
この楽曲は2023年1月31日まで開催されていた【裏命楽曲コンテスト】に応募されたものである。

 あまりにも情報量が少なく、この楽曲を制作しているのはクレジットされている「やままん氏」なのかそうでないのか、そもそもこのチャンネル自体がこの楽曲を投稿する為だけに作られたものなのかどうか、様々な事が全く分からないのでなんとも言えないしそもそもこれ以降も楽曲が投稿されるのかすらも分からないが、一度聴いて「良い!」と思った以上書かずにはいられなかった。

 そもそもクレジットされている方々の中でネット上の所在が明らかになっているのがイラストを担当されているたこはな氏のみなので情報の集めようがない。
もし情報をお持ちの方がおられたらお教えください。

オススメ楽曲:『ルナ』



以上、【第3回 新人ボカロPを知ろうの会】でした!

 どの方も本当に技術と感性が素晴らしく、見つけるのが楽しいです。

 第1回や第2回でも言ったように、比喩でもなんでもなく本当に日々たくさんのボカロPが世に生まれています。

 これは本当に凄い事だと思います。

 本当にありがとうございます。

 これからも素晴らしい作品を世に送り出してください。

 高校生がボカロ曲を作って投稿する事が「すっげえええええ!!!!!!!!!!」という珍しさから「最近の高校生たちってすごいな~」くらいの珍しさになったのは個人的に良いと思うのでこれからもドンドンそういう事は個人情報に気を付けながら発信していった方がいいと思います。大人は学生が作ったものに弱いので。


 今回紹介した方々以外にも本当にたくさんの新人ボカロPの方々が出現されているので、是非とも皆さんもご自分の手で探してみてください。探し方は任せます。


 本日もここまで読んでいただきありがとうございました!

 それじゃ、おつがお~!

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