「変わりもんでよか」と言えるために(2023年4月2日の日記)

学校へ
行かぬ子と聞く
アイラブユー
行く道照らす
「変わりもんでよか」

不登校経験のある発達障害児を持つ親である私は、この短歌を見た瞬間に涙が溢れた。
これは、先日最終回を迎えた朝ドラ「舞いあがれ」の感謝祭に視聴者から寄せられ、俵万智さんが選んだ歌。
「アイラブユー」は「舞いあがれ」の主題歌。
「変わりもんでよか」はヒロインの祖母の言葉。

朝ドラは8:00に始まる。
その時間に子どもがテレビを見るということは、少なくとも皆と同じ時間には学校に行かないということ。
不登校の経験がある人にはわかるかと思うが、登校時刻前後というのが一日でいちばん辛い。
行きたいけど行けない、行きたくないけど行かなくちゃ… ときっとぐるぐる葛藤しているであろう子に対して、
機嫌をなるべく損ねないように、親は何をどうするのか、しないのか。
そんな風に胃がキリキリする時間に、「変わりもんでよか」と言ってくれる存在の何と有難いことか。
そんな風に思ってくれる人ばかりになったらどれだけ生きやすくなるだろう。

今日4/2は、世界自閉症啓発デー。
今週は発達障害啓発週間。
我が家の子どもたちは2人とも自閉スペクトラム症の診断を受けている。
周りの子と同じようにできない・同じようにするのに多大なエネルギーが必要な彼らの子育てはイレギュラーの連続で、自分が育てられたように育てようしても全くうまくいかない。
でもそれこそが社会のバリアで、この社会がいかに多数派に合わせて作られているかということなのだと都度感じる。
だから、発達障害の特性が強い子は、不登校リスクが高いのが現状。

今私が子どもたちにやっていることは、8割が準備。
おそらく多くの子がなんなくスルーすること… 例えば社会科見学なら、事前に教員用の詳細スケジュールをもらい、集合場所やそれぞれの見学時間を確認し、Googleストリートビューなどを子供と一緒に見て予習、どの部分であれば参加できるか・どうすれば参加できるかをあらかじめ先生と打ち合わせ、当日は引率の先生の携帯番号を聞いてすぐ連絡が取れるようにし、イヤーマフを持参し…とまあ何をするにもめっちゃ準備が必要なのである。
でもそれをすれば、参加しやすくなる。
きっと他にもそれで助かる子がいるはずなのだ。

彼らが変わりもんのままで穏やかに暮らせるように、むしろ変わりもんだと思われない社会になるように、半径5メートルの世界から少しずつ、変えていこう。

聴覚過敏兄妹

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