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宇奈月温泉

長らく旅をしていなかった。

パンデミック中に母が亡くなりカナダと日本を2往復。帰国中も奈良にある母の家の整理のために毎週末東京と奈良を往復。

体は軽く地球を一周したような移動距離だったが

心はちっとも動いていなかった。
ずっと深淵な自分の中に留まったままで。

夫が亡くなった後エネルギーは涸れ果て、旅行に出たい気分などかけらも残っていなかったのだ。

それが先日ふと思い立って、娘と一泊旅行をすることになったのである。
それは

ホタルイカが食べたい(笑)

カナダで生活していても、それほど日本食を恋しいと思わないたちである。

が、帰国中に食べたいものメモを見ると

ホタルイカ

ちゃんと記されているではないか。

富山のホタルイカ、ちょうど今が時期ではない?

そう母が言うのを聞いて娘のアーニャが

じゃあ北陸新幹線だね?

さっそくスマホで検索している。
(アーニャもホタルイカ好きである)

へ~大宮から2時間で富山に着くの!
こちらはカナダの田舎町から帰国中のおとぼけ母である。
(なんせ東京から北行きの新幹線は上野から乗るものだとばかり思っていたもので💦上野発の夜行列車…いつの時代だ・・・?)

そんな母を横目にアーニャは二人分の新幹線のチケットを取ると母のスマホをささっといじり

このスマホで新幹線改札入れるからね。

どうやって??

Suicaのシステムがまったく分かっていない母である(どひゃ)。

さて当日朝。

渋谷から埼京線で大宮駅に着く。すると新幹線入り口のそばのスタバでカフェラテとラップサンドイッチが紙袋に入ってカウンターで待っているではないか。

いつ頼んだの?
へ~大宮ってこんな大きな駅になってたのね!

スタバの紙袋を持って人混みの中、娘の背中に付いてゆく母であった。(人が多すぎるぅ・・・)

そして瞬く間に富山。
(大体、カナダー日本のフライトであと2時間だと、映画を見終えることはできないし、気持ちはほぼ着陸態勢である)

黒部宇奈月うなづき温泉駅で新幹線下車。
東京よりやや冷たい空気。

そして次の瞬間

私は圧倒された

新幹線・黒部宇奈月温泉駅からすぐの富山地方鉄道に乗り換えの時に

目の前に現れた山々
立山連峰
雪を携えた美しい姿
その迫りくる力

自然の山々の迫力
それはもう見上げる私を打ちのめすほどで

この山とともにある人々の生活を思う


さてホタルイカの方は
温泉宿でのホタルイカしゃぶしゃぶに始まって

しゃぶしゃぶした瞬間に先っちょがクルン。母娘は同時に”かわいい~!”

もちろん定番酢味噌あえも。

右は白エビのこぶ締め
生の陳列。み、みんなこっち見てるぅ・・ぎょぎょ

二日目は滑川なめりかわホタルイカミュージアムに寄って、光るホタルイカショーを見学。そのあと2階のレストランでホタルイカピザ(笑)

カラカラになっているホタルイカさんが心なしか悲し気・・・


山の圧倒的な存在とともにこの地には美しい海があった。
それも人々に幸をもたらす豊かな海である。

黒部宇奈月温泉から車で15分ほどの生地鼻いくじばな
カナダで見る晴れた日の湖水色よりもうんと深い日本海の蒼色

数日前に蜃気楼が見えたという情報を得て、レンタカーでしんきろうロードを走った。

蜃気楼見える‥?見えない・・・。

そういえば温泉宿で富山ローカルアプリ(?)をダウンロードして使えるというポイントカードをもらった。
説明を聞いてもこれまたわけのわからないおとぼけ母。
そもそも私のスマホのApp Storeはカナダ仕様で富山ローカルアプリを見つけることができない(日本版に戻すのどうすんだっけ?)

ンでどうやって使うの?

ここもまたアーニャにお任せ。
すると4000円分をゲットしてくれて、レンタカーに使うことができた。

ほほう~

戻りは富山駅から新幹線。
食べてみたかったかぶらずしをお土産に

カブやダイコンにぶりの切り身を挟み糀で発酵させたもの
加賀藩時代からの郷土料理らしい


そう言えば生地鼻いくじばなの海岸でこんな鳥を見かけた。
大きく羽ばたくものがいると思ったらばさりと音を立て木の中へ

長いくちばし?
胸の様子が特徴的
なんの鳥かしら?

誰かこの鳥ご存じの方がいらしたら教えてくださいね!


一泊旅行で、長い長い冬眠状態から少しエネルギーを取り戻した母であった。ン?温泉効果の美肌の方は???

それにしても母、スマホ使いこなせてないなあ・・・

日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。