ちょっと行ってくるね
マイナスにはならないだろうと踏んでいたのに薄らと雪である。
急いで重ね着を増やしUberを早めにクリックする。
また戻ってくるとわかってるのに昨夜はひどく悲しくなった。
湖畔を離れて日本に一時帰国である。
友人が旅に連れてってとちっちゃなお人形を持ってきてくれた。
私の名前が入ったそれをキャリオンバッグに入れる。
ハンティングの下見に行ったらしい同居人が暗くなってから戻って来た。
そして狩場に設置してあったハンティングカメラの写真を見せてくれた。
雨降ってるだろ?仕事の後に下見に行くの気が進まなかったんだ、はじめ。
でもなんかさ、見に行った方がいいと感じたんだ。
見に行ってこいって。
ジェイ(亡くなった私の夫)が言ったみたいに
同居人は夫とハンティングを共にしてきた。オムツの頃から。同居人の母が、悪い友達と遊びに行かなかったのはそんなジェイのお陰だと言ってた事があったっけ。
夫と彼がハンティングに行く様子に思い馳せ、それが私を悲しくさせた。
牡鹿の確認が出来て頬を紅潮させた同居人は今週末にもハンティングに出かけるに違いない。
冷凍にして私の分の鹿肉も残しておいてね、
そういう計画さ!
昼のフライトでUberの女性ドライバーはほぼ時間通りに私を空港に運んでくれた。
空港に着くと雪は止んでいて曇り空
そして荷物を預けてセキュリティを抜け、今ゲート前の待合所である。
最後のテキストメッセージを友人たちに送る。
そういえば荷物を預けるのに確か23kg台だとよかったはずが、
23.7kgでオーバウェイト
と出てベルトコンベアーがスーツケースを運んでれなかったのである。仕方ないスーツケースを開けていくつかの荷物を取り出すハメに。
以前のようにカウンターで人が受け取ってくれる時は少々のオーバーはオッケーだったのに機械は容赦なし..…
フライトは満席で頭上収納にキャリオンバッグ用スペースが足りないと放送がある。
パソコンの入ったキャリオンは預けたくないし預け入れスーツケースから移した荷物で頭上の収納に自分で持ち上げられるかしら?
ぼんやりそんなことを考えている
間もなく
搭乗開始のコールである
日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。