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園自慢のススメ

ある人に初めて会った時は衝撃的でした。
「おー、けっこう自慢する人だなあ」と。

始めはそう思ったものの、
それがあったからこそ、
その人の考えや、やってきたこと、
すごさがわかりました。

そうでなければ
伝わらなかったでしょう。

多くの人は自慢することが苦手ですよね。
そして、自慢する人に対して
「自慢しい」とか
「自己顕示欲が強い」というように
ネガティブなイメージを持ってしまう。

ぼくは採用面接の冒頭で
よくこんなことを伝えます。
「今日は、あなたの自慢大会です。
 だって採用面接って、
 こんな私を採用しないと損しますよ、
 ってアピールする場ですもんね」と。

こう言われると、
大抵の人は「ハッ」としたり、
「自慢が苦手なんですけど、頑張ります」
と言って安心して自慢し始めます。

そもそも自慢って?
「自分や自分に関係の深いものを、
 自分で褒め、人に誇ること。」

さて、これのどこがいけないのでしょう?
いいじゃないですか、
自分で褒めたり、誇ったって。

だってそうしないと伝わらないんですもん。
相手は知らないままですもん。

ことさら、保育に関してはそうです。

なぜなら保育は、
サービスの受け手と評価者が違うから。

つまり、
サービスの受け手は「乳幼児」です。
しかし評価するのは
サービスを受けていない「保護者」です。

サービスを直接受ける乳幼児は、
思考や言葉が発達途中にあるので、
「たのしい」とか「好き」と言えるとしても
その良し悪しを判断するのは難しい。

一方でサービスを評価し、
契約者となっているのは保護者であり、
あちこちにある断片的な情報で
判断するしかありません。

だって、
直接サービスを受けていないんですもん。

しかも保育って、
一日中そばで見ていても、
どこに専門性があるのか分かりにくいですよね。
遊んでるだけに見えるし、
おもちゃや絵本を並べてるだけに見えます。

さらに保育は、
その後の人生の根っこを育むので、
いまの満足だけでなく
ずっと先の目に見えない満足をも左右します。

ということは、
何がその後の満足につながるか
分かりにくいわけです。

だからこそ、

  • どんな思いで保育してるのか?

  • どんなことをしたのか?

  • どんな苦労や工夫があったのか?

  • その結果、どんな素敵なことが起こったのか?

と、自分で褒め、人に誇ろうとしなければ、
なかなか伝わりません。

だから、

  • こんな研修に出ました

  • こんな園内研修やりました

  • こんな人の訪問を受けました

ということも、
どんどん伝えていきませんか。

職員が研修に出たら、
保護者に伝えてますか?
こんな園内研修やりましたよって、
伝えてますか?
どこかの大学の先生とかの訪問を受けたとき、
伝えてますか?

連日のように
不適切保育の報道がなされていて、
「保育の世界、大丈夫なん?」
「そんなんなん?」
という視線を感じる今だからこそ、
保育の大自慢しませんか。

あなたの園の、
あなたの保育の大自慢。

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