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もれなくついてくる特典

義兄の会社の事務所が引越しで、手放す什器があるからと
もらった鉄製椅子

じぶんでは選ばない家具だ
だからこそ、いいなと思った
カタチもすきだし、にぶい金色がいい
転居した我が家に、椅子がなかったという単純な理由もある

薦めておいて「かずみさん、これ結構座りづらいですよ」と言う義兄

「猫たちが座るからいいの」

もらってくると、これがなかなかに大きいし重い
期待した二匹も、まったく座ってくれない
もらったことを、うっすら後悔していた
しかし、めでたく秋を迎え
二匹並んで朝寝している姿を見たときは感動した

まあ、夏に「毛皮×毛皮」はいやよね
(この椅子は最初から毛皮付きだった)

義兄に写真を添えて、改めてお礼を伝えた


義兄と初めて会ったのは、母方の祖父の家だった
姉上が急に連れてくると宣言し
親族一同、どきどきざわざわしながら訪問を待った

当時、大手ディーラーで営業をしていた彼は
清潔感があり
言葉が丁寧で受け答えにそつがなく
謙虚でありながら堂々としており
「正解!」としか言いようがない男性であった

うそくさい男だな、と思った

しかし、あれから何年だろう
20年は経ったと思う
家族としていろんな局面を共にした

彼は変わらず清潔感があり
言葉が丁寧で受け答えにそつがなく
謙虚でありながら堂々としており
マイペースであたたかい男性だ

20年経っても、安定してうそくさい

シスコンなわたしは20年間値踏みしているが
文句のつけようがない
むしろ、すきとしか、言いようがない

はるくん(義兄)がくれた椅子だと思うと
目に入るたびにうれしくなる
声をかけてくれてありがとう

わたしはひとからよく、モノをいただく人生だ
ひとはそんなわたしを「わらしべ」と呼ぶ(もらうばかりで交換するわけではないが)

だから、わたしの身の回りのものは
誰かのものだったもの、誰かがくれたものが多い

物忘れが病的にひどいため
忘れてしまうこともあるけれど
ふれるたびに、ああ、あのひとからもらったなとおもう
ふくふくとしたきもちになる

それはモノそのものに宿り
よりいっそうわたしをしあわせにする

ちなみに、引越し2ヶ月を過ぎたが
いまだカセットコンロ生活である
これは友人に貸してもらっている
なんだかもうこのままでいいのではないか、という気さえしてくる
友人のものだが

この鍋もその友人がくれた

これで充分お役立ち

窓辺でゆれるカーテンは
インドの友人からの土産、インド綿である(たぶん身にまとう布)
先日帰国した彼女は
来週末、我が家へ泊まりにくる予定だ

空が見えるカーテンがすき

2匹が食べるごはんの器は
天下のルクルーゼ
引越し祝いで大阪の友人が贈ってくれた
どっしりとしており、デブが当たっても倒れない

もくもく

まだまだたくさん
いろんな方からいただきものをして生きている

そんなわけで、殺風景でも豊かな我が家

棚やら机がほしいので
これからつくる予定です
不要な木板がある方は、ぜひください
車がないので、もってきてください

わたしと付き合うと
ちょっとめんどくさいけど
もれなく「かずみがよろこぶ」という特典がついてきます
おめでとうございます

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