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仮眠4時間 真夜中の巡回

宇多田ヒカルさんの音楽制作の様子をを垣間見える映像がYouTubeにアップされていました。

特別ファンというわけではないですが、そりゃあ日本が誇るクリエイティブな歌姫、その音楽制作の様子は気になります。

海外の方と普通に仕事して、しかも一目置かれてるんだから、そりゃあ凄いわな。。。

英語ができると世界が変わるんだろうなぁ。

…と思い続けて20年。

英会話学習は続かず💧


そんな宇多田ヒカルさんが在籍していたアメリカンスクールの、ガードマンをやっていた時期があります。

25歳頃ですかね。

いわゆる警備員のバイトです。

でもちょっと日本的な施設警備員の感覚と違いましたね。

なんでもアメリカンスクールの敷地内では、アメリカ的なルールで業務を遂行する様に隊長から指導されました。


わかりやすい違いを言うと、

日本の施設警備において、よっぽど命の危険がある場合はともかく、基本的に警備員が手を出すようなマネは許されない

そもそもバイトの警備員になんの権限もない。


でもアメリカンスクールにおけるガードマンは、とても尊重してもらえる立場でした。

「敷地内で不審者がいたら、ぶん殴って捕まえていいから」

そう言われていました。

逆にそういう毅然とした対応をしないと、警備は何やってんだ!という話になるという。

9.11テロ以降にガードマンを置くようになったと聞きました。

だから警戒意識も高く、ゲート管理も厳しかったんです。


主な業務として、ゲートの管理敷地内の巡回がありました。

昼間は来客や父兄の訪問時に、ゲートで全て出入管理をします。

「Would you write your name please.」

(名前を書いていただけますか。)

「まずはこれを覚えて、訪問者には必ず記入してもらって」

そう言われた勤務開始当初。


おいおい!警備会社のあの親父、嘘ばっかりじゃねぇか!

「英語できなくても全然OKだから!」

ガッツリ英語が必要じゃんかよーーー!!!

あのヤロー💧


普通に英語が喋れなくて困ることがたくさんありました。

結果的に、その辺のストレスがこのバイトを辞める理由の一つでしたし。

世間話をしてくれる(もちろん英語で)父兄や先生はフレンドリーで楽しかったんですが、なんせ何言ってるかわからない💦

アハ アハハハ Yeah💦(外国人向け愛想笑い)


困るのはトラブルが起きた時。

いろんな人がいるので、父兄や訪問者でも素直な人ばかりじゃありません。

「いつも来てる父兄だよ!チェックなんてめんどーな事いいだろ!」

そんな感じで、勝手にゲートを通過しようとする人もいました。

ルールとしてパスの確認や名前の記入が必要なので、ルーズになるわけにいかないんです。

英語でバァーッと文句を言ってるんですが、何言ってるかわからない💦

どうしてたんだっけな?

日本人のスタッフさんに連絡して、話をつけてもらってたんだっけか。


話は尽きないので、この辺でもう一つの業務である巡回のお話。

ゲートを閉めた後は主に巡回業務です。

あ、ちなみにこのバイト、24時間or36時間勤務のお仕事でした。

勤務明けは必ず休みって感じです。

でも長いですよぉ〜。

36時間勤務なんて、早朝のゲート管理でたったまま寝そうですから 笑。


というわけで夜通し警備をするわけです。

4時間の仮眠時間があります。

和室の仮眠室にペッタンコの布団敷いて。

仮眠から目が覚めた真夜中。

そこから敷地内・建物内をくまなく巡回します。


初日こそ隊長と一緒に巡回ルートを回りましたが、次からはひとりです。

最初は怖かったなぁ。

真夜中、真っ暗な校内を懐中電灯ひとつで見て回るんですよ?

しかも隊長が、自他共に認めるオタクで、オカルト話も好きな人で。

怖い話をしてくるんですよ💦

「あ、あそこは出るらしいから」とか。


別に怖い思いをしたことはありませんでしたが、びっくりする事はたまにありました。

真夜中の3時頃に校内を巡回してると、教室から不意に人が出てきて!

ビクっ!!!てなりますよね 笑。

先生が普通に働いてる。。。

こういうところが、なんか日本と違うなぁーというか。

なんか、全員が主体性を持っているような。

働きたけりゃ何時だって働く。

忙しければ夜中だろうが働く。

勤務時間?

ルールは自分だ!…みたいな。


隊長が話してたことが印象に残ってて。

このスクールの校長、めちゃくちゃ忙しいから。

しかもよく働く人なんだ。

日本だとさ、役職が上がって行ったり、社長になると働かなくてよくなる感じがあるじゃん?

海外だとね、偉くなればなるほどよく働くんだよ。

諸々一概には言えないでしょうけど、なんか海外の働き方ってカッコいいなと感じた記憶があります。


幼稚園から高校まで、いくつもの校舎がある敷地内。

シアターやトレーニングルームなど、いろんな場所があって。

シアターの地下にある演劇の小道具がある部屋。

ここは一回しか入りませんでした。

巡回ルートだったんですが、不気味だったので💦

(なんか、開かずの扉的な雰囲気があって)

それ以外は巡回も慣れればなんてことない。


今だから言える、巡回おもしろ奇行のコーナー!!!

音楽室で真っ暗な中でピアノを弾いて遊んでごめんなさい。

僕は思った。

怪談話でよくある「真夜中の音楽室からピアノが聴こえる…」ってやつ。

あれ、警備員だな、きっと。


職員室の巡回で、置いてあったお菓子を食べてごめんなさい。

いろんな面で自由というか、お菓子とか、デスクにそのまま放置されてたりするんです。

しまう気さえないような、そのまんま 笑。

「お、今日はお菓子がある!」


卒業アルバムで有名人を探してごめんなさい。

いろんな有名人が在籍していたスクール。

卒業アルバムをちょいと拝見して、有名人を探す。

宇多田ヒカルさん、西田光さん、ジュディ・オングさん、アグネス・チャンさん。

ホントだ。。。

ただそれだけでしたが 笑。


ジムでちょっと筋トレしてごめんなさい。

トレーニングルームがあって、マシンやサンドバッグが設置されている。

さてと、サンドバッグを叩き、マシンを少し。

(真面目に巡回しろよってw)


屋上で感傷に浸ってごめんなさい。

「憧れ」というオリジナル曲は、この時の光景がネタになっています。


25歳。

真夜中の屋上で、東京で暮らすことに疲れている自分に自問自答。

何がしたいんだ?

北海道に帰ろうか?(この後1年間札幌で暮らすことに)

こんなはずじゃなかったのになぁ。。。

ドラマのワンシーンを気取って、タバコに火をつけて、まばらな灯りの街並みを眺めていました。

(早く巡回終わらせろってw)


細かく思い出すと、いろんな事があったので書ききれませんが。

ただ、思い出としては楽しかったかなと。

日本語が通じない精神的苦痛があったので、もうやりたくないな 笑。

そんな警備員時代。








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