素敵な出会い

今日は少々の雨だったので、大丈夫なのかなと思って、ホテルの中で販売している傘を購入しなかった。

20分先の飲食店を目指し歩いていた。歩く途中に徐々に雨降りが強くなってきた。僕は振り向かずそのまま目的先まで歩いた。

ようやく到着したと思ったら、潰れていた。インターネットで調べるときは営業中と書いてあったのに閉店だった。

仕方ないと、諦めてさっき通った道に戻り、相変わらず強い雨が降り、防水性のあるジャージでもさすがに濡れた。

もう無理だと思って、途中にあるバス停に寄って、バスが来るまで待った。バス停で待っているのは、僕ともう一人の女性、二人だった。

僕はバスが来るまで待っていた。その時、女性が僕に話しかけた。しかし、僕は耳の不自由のために何をおっしゃっているか理解できなくて、僕は耳が聞こえないとジェスチャーで伝えると、女性は簡単な手話を使ってくれた。

「もうすぐバスが来るよ。ここにおいで」と言われた。バスが来て、前の席に座ると、さっきに話しかけられた女性がもう一度僕に話しかけた。

「風邪を引かないように気をつけて。お茶をあげる」と言いながらプラスチック製の水筒を僕に渡した。

女性は手話サークルに通っていたので簡単な手話を覚えていた。しかも、積極的に耳の不自由である僕に話しかけた。

優しい心を持ちながら積極的行動する女性を見てとても素敵だなと思った。

もし僕がホテルで販売している傘を購入していたら、このような出会いはなかっただろう。お互いのことも知らなくて、何の話もせず、何の助けもなく、通常通りにバスの中で過ごしていたかもしれない。

雨の中で歩くのは無茶苦茶だった。風邪を引くかもしれないなどを考えていたが、それでも僕は楽の方を選ばなかった。

大変な方を選ぶと、損だらけになると思ったが、のちほど思いよらない展開がやってきて、逆に得になった。

どうでも良い選択を一つだけ選ぶだけでも少しだけ人生が変わるんだと思った。僕は知らない人に出会い、交流するのが好きだから。ちょっとだけの時間しかないけれど、僕としてはとても嬉しい。

今だけなく、これからも今と同じようにどうでも良い選択が迫ってくる。僕だけなく、皆さんも行動を少しだけ変わるだけで何が変わるかもしれない。

未来はどうなるかわからないけれど、わかるよりわからない方が面白いし、安全よりリスクを得た方が普段より楽しくなれる。


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