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目標って組織の壁を超えるためのものだと思う。

今年(2021年)の春にAPO研(一般社団法人人と組織の活性化研究会)で、私が目標マネジメントについて話題提供した際に、加護野忠男先生が「真の目標とは、黒部のダムを作ろう!というものだ」とおっしゃった。本当にそのとおり。
でも、残念ながら、組織において「目標」とは人事評価に紐づけられてしまうため、目標はモチベーションを上げるものになっていない。本来はひとつの目標(目的)に向かって、一致団結し、互いに目指すべき方向をめざすものこそ、目標の意味なのに。

オリンピック選手を見て、目標の意味を再確認する

東京オリンピックが始まった。コロナ禍、無観客で自由もままならない厳しい大会だけど、選手の皆さんの集中力はさすがだ。自分たちのパフォーマンスを最大に発揮することに全集中されている。
ここまで高いモチベーションを保つには、やはり目指す目標が明確だからだ。そしてそれは、選手だけでなく、選手をとりまくチームにも共有されている。
こんな目標設定で会社組織が動いたら、それはもうワクワクする組織になるだろう。

MBO(目標管理)も本当はこんな運用を目指していたはず。OKRも運用を誤るとやばい。

形骸化していると言われているMBO(目標管理)も基は組織の目標をチームや個人にまで紐づけることで、組織の目標が個人にまで理解し、自発的な行動を促すことが目的だったはず。
でも、なんでうまく行かないようになったのか。やはり評価との連動が影響していると思う。
そこでOKRが話題だけど、OKRをうまく動かそうとすると、個人まで落とし込まないほうがいいと、私は個人的に思っている。
それに、OKRもやり方によっては形骸化しそう。それは達成度を7割でよいというところが怪しくなる。達成度7割と言った段階で、それを管理しようとしてしまう。そうするとMBOの形骸化と似た失敗を起こしそうだから。

組織の壁を超えるには、組織のミッションと自らのWillのつながりを理解すること

「黒部にダムをつくろう!」が本来の目標とすると、そこに共感、共鳴した人が自らの意思で動き、議論し、役割も自らが決めて動いていくことができる。反対に多くの組織では、「黒部にダムを作ります」⇒「あなたの部署は調達の部門ですので、予算を管理してください」⇒「あなたは工事業者さんの管理を担当してください」みたいな感じで、役割が下りてくる。
これは一見、組織の目標とつながっているようだが、マインドの部分にずいぶん違いがでてくる。
前出の場合は、何か問題が起こると、それに対してみんなでカバーしようと動く。しかしながら、後者の場合は、自分の決められた範囲のことしかしない人が多くなるだろう。
この問題はそう簡単に解決できるものではないけど、少なくても、ウチでは「組織のミッションと自分のWill(こうありたい)」がどうつながっているかを考えることが大事だと考えている。
そして、そのつながりは「貢献」だ。貢献を考えることで能動的になる。

いずれにせよ、目標は評価でなく、みんなが心をひとつにするためのものと考えていくことだよね。


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