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TREE経営とは

 TREE経営とは、個人の能力を最大化させ、シナジー効果を発揮する組織マネジメントです。

 これまでのように、決められたことをただ正確にやり切ればいい、という時代ではなくなりました。
 第4次産業革命ともいわれる高度IT化社会で、これまでの価値観、ビジネスモデル、生き方、働き方、楽しみ方、欲しいものなど、ありとあらゆるものが急激に変化し、まったく新しいものが生まれ続けています。
 このような時代では、企業経営において誰かが決めてくれるとか、誰かが考えてくれるのを待っているようでは、組織も個人も立ち行かなくなります。自分で考え、行動し、成長する人材を活かす組織づくりをしていかなければ、生き延びることは難しい。
 個人の持てる潜在力をどう引き出し、高めるのか。
 組織としてそれを活かすためにどうマネジメントしていくのか。
これらをいち早く実践に取り入れることが必要です。
 そして、今、世界を席捲している新コロナ禍が風速300mぐらいの暴風で、これまでの時代の壁をいっきに崩していっています。
 思考を変え、行動を変え、マネジメントのあり方を変えるのは、コロナ禍の暴風をパワーに変えて取り組めという天地創造の神からのメッセージなのかもしれません。

TREE経営を語ろうと考えたのかは↓こちらをご覧ください。


TREE経営 実現には4つの風土づくり。8つの取り組み

TREE経営を実現するためには組織風土として以下の4点を整えていく必要があります。
1)Try やってみよう → 挑戦する風土
2)Refresh イキイキしよう → 心身のポジティビティが実現する風土 
3)Enjoy 楽しもう → 学び続ける風土
4)Encourage 励ましあおう→互いを認めあう風土
 

この風土を実現するためには8つの取り組みをおこないます。

①心理的資本(自己効力感)
②柔軟な組織
③適材適所
④チームワーク(ダイバシティ)

⑤TREE経営におけるマネージャーの役割
⑥自発的な学び
⑦目標と行動
⑧評価と育成

この取り組みについて、順次noteに綴っていきます。
まずは概要をご紹介します。

①心理的資本(自己効力感)

 心理的資本(Psychological Capital)という考え方が、近年、特に欧米で注目されています。
 わかりやすい言葉でいうと「やる気」だと私は理解しています。
成果に関係する個人の資本として、人的資本(Human Capital)、社会関係資本(Social Capital)という考えがあります。
人的資本はその人に備わっている知識や能力のこと。これが高いと成果も高いのか、というと、知識があっても活かすすべがないと成果がでません。
そこで、社内外のネットワークや信頼関係が重要ではないか、ということで、社会関係資本という考え方が出てきました。
 確かにそれも重要ですが、個人の知識やネットワークを活かすには、その根底にあるメンタルが前向きで、やり遂げる自信を持たないと結果には結び付きません。その着目が心理的資本という考え方なのです。

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②柔軟な組織

 TREE経営では迅速な意思決定、自発的な行動、フラットなコミュニケーション、チームとしての成果をめざすことが求められます。
 それを前提に組織モデルを考えていくと、従来のピラミッド型の組織構造ではなく、プロジェクト型の組織であったり、ホラクラシー的な組織形態のほうが適していると考えています。
 常に目標や進捗などの情報が公開されていて、誰もがその情報にアクセスできます。また誰しもが自分のミッションを超えて提案ができる柔軟性を持ちます。
 個人やチームの権限と責任が明確です。
 ミッションにより、メンバーを柔軟に組み替えることができることができます。そのため、その組織モデルに適応した人材は、マルチタスクが求められてきます。

③適材適所

 個人の能力を最大化させることとは、強みを最大化することです。苦手なことを必死にカバーしようと努力することも、個人の学習には効果的ですが、せいぜい20/100の能力が、50/100にしかなりません。
 しかし、元々得意なこと、向いていることであれば、70/100が100%にもなりえます。しかも、向いていないことをやることはモチベーションを下げてしまいます。モチベーション高く、自信を持ってやるべき仕事を楽しくやれば、高い成果を生みます。
 適材適所を本人とマネジメント側とでどう見つけていくかが重要です。

④チームワーク(ダイバシティ)

 似たタイプの人どおしは、強み弱みが同じ傾向を持ちます。攻め型のタイプは守りが苦手ですし、細かく詰めていくことが得意な人は大胆な発想や行動が苦手であったりします。
 TREE経営とは個人の能力を最大化させ、シナジー効果を発揮する組織マネジメントです。個人にすべての結果を求めることは、どんなにがんばっても100%にしかなりません。いや、それどころか苦手なことまで自分でやらなければならず、かえって能力を落としてしまいます。
 そこでチームワークです。チームメンバーどおし、お互い信頼関係を築き、補完しあうことができれば、1+1>2、すなわち120%、150%のアウトプットが可能です。しかもチームで取り組むことで一体感を生み、ポジティビティも担保できます。
 ただ、自分と違うタイプの人を認めたり、受け入れることは、案外とハードルが高いことでもあります。これをいかに乗り越えられるかがポイントです。

⑤TREE経営におけるマネージャーの役割

 TREE組織モデルはプロジェクト型であったり、ホラクラシー的な組織です。そこでのマネージャーに期待される役割は、部下を管理することではなく、「自律的な行動を引き出す」「ポジティビティを生む」「支援する」「一緒に作り上げる」役割になります。
 現にコロナ禍でいっせいにテレワークになった途端、部下の管理しかしてこなかったマネージャーは、オンラインでどう接したらいいかわからないという現実に直面しています。縦割りの組織ではありえなかった管理職の頭を飛び越えて物事が進む時代になってきているのです。
 TREE経営のマネジャーは、一緒に作り上げることができる人でなければなりません。

⑥自発的な学び

 変化の激しい時代こそ、学び続けて成長していくことが求められています。そのためには好奇心を持ち続けることや知らないことを知ることに貪欲になることです。
 松下幸之助翁が、「素直な心」が何よりも大事とおっしゃっています。素直に学ぶ姿勢がある人こそ、会社にとって必要ということです。このことはいかなる時代であっても普遍的な要素です。
 しかしながら、日本の特に大手企業は安定した環境が続いてきました。そのような中では、よほど自らを奮い立たせないと新しく学ぶ姿勢を保つのが難しくなっています。それでは、個人も組織も成長はありません。
 自らのキャリアを定年までと考えずに、人生そのもの、生き方そのものと捉えて学び続けることを風土として定着することが重要です。

⑦目標と行動

 TREE経営では、自発的な目標、自律的な行動、それを支援する関係構築が実際の組織マネジメントの肝だと考えています。
 目標を明確にし、プロセスを共有化し、チームメンバーが認め合い、励ましあいながらゴールをめざす。この実践こそがTREEの風土づくりを実現する仕組みです。

⑧評価と育成

 自分のがんばりがチームや経営にどのように影響を与えているかについて、しっかりフィードバックすること。これがTREE経営の評価です。
 これからは職務を明確にしたジョブ型がメインになってきます。自分のがんばりを上司やチームメンバーと共有し、そのフィードバックをもらうことで自らの可能性や適性、貢献度を把握できます。
 人材の育成は、これまではモデルに基づいてそのモデルに近づくために行ってきました。でもこれからの時代は決まったモデルなどないのかもしれません。そう考えていくと、育成とは自分らしさを引き出し、自分らしいリーダーシップとはどんなものかを問い、内省することではないでしょうか。
 

これからは魅力的な個人と魅力的な組織がビジョンでつながる時代に。

 これからの時代は個人の時代です。コロナ禍が急速に推し進めたテレワークは、働く人の能力を完全に可視化してしまいました。これまで、職場に出社し、なんとなく仕事をしている風だった人はアウトプットがなかなか出せません。反対に、オンライン環境なので、上司に遠慮することなく、どんどん物事を進める人、通勤時間が減ったことで、できた余裕時間で自発的に学ぶ人など、大きな差が出てきています。
 そんな魅力的な個人が、この組織ならもっと面白いチャレンジができそうという魅力的な組織に加わってくる。そんな時代に確実になってきました。
 ひとりひとりの能力を最大化し、シナジーを生む組織マネジメントであるTREE経営はまさしくそんな魅力的な組織人材づくりの実現に活かされると信じています。

これから、各項目について、深堀したnoteを書いていきます。

それと、これまではTREE経営は概念でしかなかったのですが、ある大企業様で取り組んでいただき、一緒に作り上げていただけることが嬉しいです。



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