見出し画像

クラウドワークスを作り変えるUXガイドライン(11ヶ条33項)の中身を初公開

この記事は、2017-06-08に他ブログで書かれた記事の転載です

こんにちは、UXデザイングループのデザイナーの上田です。最近ハマってる音楽は、先日オススメしてもらって聴き始めた Little Glee Monster でして、 先月発売の「だから、ひとりじゃない。」を永遠リピートする日々です。

さて、クラウドワークスのUXデザイングループでは、仕事(発注者)と受注者のマッチングサービス「クラウドワークス」の提供すべきユーザー体験の指針として、2017年1月に“UXガイドライン”を作りました。

デザイナーイベントのUX JAM 14で、「自分たちでつくった『UXガイドライン』を片手に、クラウドワークスを作り変える」といったテーマで社外向けの発信はしており、SNSやイベントなどで一部反応は頂いていたものの、ガイドラインの内容自体は公開できてませんでした。そんな中で、もろもろ準備が整ってきたので、今回の記事では初めてその中身を公開できればと思います。

UXガイドラインを作った背景

クラウドワークスは創業以来、本格的にデザイナーが介在しないままプロダクト開発を進めてしまった背景もあり、プロダクトの個別最適化やデザイン文化の未浸透など、デザインを取り巻く様々な課題があります。また、ユーザー数は100万人を超えプロダクトは成長、それに伴い機能も多様化し、なかなか複雑なプロダクトに仕上がってきています。

そんな中、去年の10月に発足したUXデザイングループ(旧プロダクトデザイングループ)では、クラウドワークスのユーザー体験の指針を作ることによってそれらの問題に対処していけるのではないかと考え、2017年1月に丸2週間かけて議論を重ね、ガイドラインを作りました。

より詳しい内容はUX JAM 14で下記のプレゼン資料を元に説明しているので、よろしければご覧ください。

UXガイドラインの中身

前置きは、そのくらいにして、UXガイドラインの中身を公開したいと思います。

特徴としては、

・クラウドワークスが提供すべき独自のユーザー体験を定義したもの
11ヶ条33項
・全ての項目が「ユーザーが、○○のように。」といったユーザーの目線で語られている
・全ての項目に対して「GOOD」と「NO GOOD」の事例を載せ、イラスト付きで解説している

といった感じです。それでは、ご覧ください。

注1)スクロール量が多いので、ご注意ください。

注2)一部、クラウドワークス社員じゃないと理解できないイラスト解説があります。ご了承ください。

UXガイドラインコンセプト

ユーザーが、仕事をするための道具として使えるように。

UXガイドライン

1:ユーザーが、当たり前に使ってくれるように。

これを使わずに仕事することが想像できない、と思われる道具にする。

画像2

快適さを担保できている範囲において、最短の体験にする。

画像3

画像4

2:ユーザーが、仕事に集中できるように。

とっている行動を止めてはいけない。

画像6

行動に関係ない情報は、表示しない。

画像7

必要以上に注意を引かない。

画像7

3:ユーザーが、とりたい行動を迷わずとれるように。

シンプルなものを、複雑にしない。複雑なものは、できる限りシンプルにする。

画像8

プロダクトを通して一貫性のある体験にする。

画像9

場所を想像でき、実際にそこにある、という状況にする。

画像10

仕事に直結する情報や機能と、それ以外を明確に区別する。

画像11

デバイスが変わっても、行動を迷わずとれるようにする。

画像12

必要なタイミングで、必要な行動ができるようにする。

画像13

4:ユーザーが、状況を把握できるように。

何が起こるか、何が起きているか、何が起きたか、理解できるようにする。

画像14

機能上どうしても必要な要求以外の行動採否は、ユーザーに選択させる。

画像15

5:ユーザーが、本当に欲しいものを得られるように。

作り手のエゴは入れない。結論ありきで進めない。

画像16

ユーザーの言ったことより、ユーザーのやったことで判断する。

画像17

時間やリソースがないとき、体験の質は下げても、体験自体を捻じ曲げてはいけない。

画像18

6:ユーザーが、少しでも多く満足できるように。

使いづらいものに使い慣れさせてしまうのはよくない。常に使いやすさを追求する。

画像19

画像20

大多数のプラスを優先し、一部の人のマイナスは許容する

画像21

一部の人のプラスを優先するときでも、大多数のマイナスは許容しない。

画像22

プロダクトでできることや、その価値に、ちゃんと気づかせる。

画像23

画像24

7:ユーザーが、安全なものを、安心して使えるように。

経済的な損失、社会的な損失を与えない。

画像25

画像26

変更するとき、一時的なとまどいを与えても、混乱は与えない。

画像27

リテラシーや身体能力などにおいて、個人差があることを理解する。

画像28

8:ユーザーが、今までになかった体験を得られるように。

デザインやテクノロジーを知る。かつ、とらわれすぎない。

画像29

改善ではつくれない、まったく新しいユーザー体験を探す。

画像30

改善を突き詰めることで、まったく新しいユーザー体験を生み出す。

画像31

9:ユーザーが、自分のパートナーだと感じてくれるように。

長く付き合っていってもらうためのことも考える。

画像32

成長や兆戦をモチベートする。

画像33

画像34

10:ユーザーが、信頼してくれる場所になるように。

傍観者、管理者ではなく、当事者としてプラットフォームに関わる。

画像35

期待した通りか、期待した以上の、体験を提供する。期待を裏切るようなことはしない。

画像36

ユーザー間で起こる不信も、プロダクトが生み出した体験であることを理解する。

画像37

11:ユーザーが、働く以外の時間も豊かにおくれるように。

働いていないときがあってこそ、働く時間があることを意識する。

画像38

ユーザーの時間を、必要以上に搾取しない。

画像39

Version

ver.1.10 (2017.05.18)

以上です。

今後の構想など

当たり前っちゃ当たり前ですが、ガイドラインは作っただけでは何の意味もなく(作る過程での学び、経験などは、それはそれで重要ですが)、実践してプロダクトに反映し、ユーザーに価値を与えられてこそ、意味があると思っています。

そういった前提の中で、既にUXガイドラインを適応した画面をリリースして検証を進めていたり、UXガイドラインをデザイナー以外のメンバーにも浸透させるためのワークショップの企画などが進んでいます。それらの取り組みは、また何らかの形でデザイナーブログなどで発信していければなーと思ってますので、ぜひ楽しみにしていただければ幸いです。

画像40

おわりに

いかがでしたでしょうか?

いろいろ書きましたが、クラウドワークスのデザイン組織は立ち上げ間もなく、全てのアクションが試行錯誤の連続でして、みなさまに色々なご指摘やご感想をいただけるとうれしいなと思っております。

それと、クラウドワークスのUXデザイングループでは、デザイナーを募集してますので、もしご興味あれば是非お気軽にご連絡ください。カフェなどで、お茶できれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?