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社会の諸問題を解決するアプリケーションのモデルを作ってみよう

スマホのアプリが、世界のさまざまな課題を解決する。

現在、私たちの身の回りには様々な社会問題が転がっており、なかには地球温暖化やマイクロプラスチック汚染など世界的に解決が急がれるものもたくさん存在しています。

こうした問題の解決策のひとつとして、スマートフォンのアプリケーションを開発する動きが全世界で広がっています。例えば、レバノンにあるベイルートという都市では政治的な理由で毎日何時間もの停電が発生し、たくさんの住民が影響を受けています。ベイルートに住むある男性は停電のタイミングがわかれば人々の生活が大きな打撃を受ける機会が減るのではないかと考え、停電の起きそうな時間を通知するiPhoneのアプリケーション”Beirut Electricity”を開発しました。これによって多くの市民が停電を事前に把握できるようになりました。

また、アフリカやアジアの一部などには、貧困や宗教的・文化的な背景が原因で妊産婦の死亡率が非常に高い地域が存在します。(サハラ砂漠以南のアフリカのある国では女性の16人に1人が出産で死亡しているという衝撃のデータもあります。)これは、アフリカ諸国において女性が分娩時および分娩後の適切なケアを受けられないことが影響しています。こうした悲惨な状況を解決するため、安全な出産ができるためのガイドラインを短い動画に集約した"Safe Delivery”というアプリケーションを開発した医師達もいます。このSafe Deliveryアプリケーションのおかげで2016年までに100万人を越えるアフリカ人女性が無事出産をすることができました。

2016年に開催されたWWDCにそうしたアプリケーションを開発したdeveloperが紹介されました。(動画1:56:00くらいから上記のアプリケーションも紹介されています。自動翻訳の字幕を選択すると日本語で見られます!)


アプリのモデル作りを授業に取り入れてみよう!

中高生にいきなりスマートフォンのアプリケーションを開発してもらうことは難しいですが、モデル(模型)であれば簡単に作ることができます。まずは、生徒達に自分が解決したいと考える身近な社会問題について調べ、それを解決するためのアプリケーションモデル(模型)についてKeynoteなどのプレゼンテーション制作ソフトを使って作成します。

Appleと教育(Learning Center)の「シンプルなアプリをデザインしよう」のページにKeynoteを使ったiOSアプリの模型作りのやり方が掲載されています!


中学生と授業の中で行ったこうした取り組みを通して、ヴィーガン(動物性食品全てを食べない人たち)やハラルフード(イスラム教の戒律で食べて良いもの)が地域で食べられるレストランを探すことができるものや、同じマンションに住む外国人でも住んでいる地域のゴミ分別のやり方(燃えるゴミ、燃えないゴミの分別など)がわかるような動画をまとめたもの。怪我をしたときの応急処置の方法について一覧でまとめているものなど、多種多様なアイデアが産まれました。

生徒作品、Keynoteのリンク機能を活用してボタンを押すと違うページに遷移できるように工夫している。

身近に溢れる様々な社会問題に目を向けながら「どうしたらこの問題が解決できるだろう?」という疑問を持ち、アイデアを持ち寄ったり、スピード感を持って実際に行動へ移していく経験ができることがこうしたアプリ作りの醍醐味かなと感じます。
コードやプログラミングの知識がなくても簡単に授業に取り入れられるアクテビティでとってもオススメです!

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