大学生に

東京都大学サッカーリーグの大学生に向けて話した「マネジメント」の話

先日、日本滞在最終日に東京都大学サッカー連盟の学生に向けた研修において、ご縁があり、少しだけお話をさせて頂きました。研修のテーマが『チームマネジメント』でしたので、私もそれについて自分が考えるサッカーチームのマネジメントの視点から話をしました。

今回は、そこで話をした内容について実際に使用した資料と合わせて書くとともに、改めて考えたうえでの補足を加えてここにまとめます。

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前提

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上2つが実際に使用した自己紹介パートにおけるスライドです(一応載せてみます)。これを見てもらえるとわかるように、僕は過去に約2年間大学のサッカー部でコーチをした経験があります。しかも、この研修に来ていた約50人の大学生が所属する東京都リーグで指導をしていたので、彼らの事前アンケートを見て、ああわかるわかる、と立場は違えど共感する部分が多かったです。

この各大学から1名〜数名の大学生を集めた、大学サッカー部に所属する学生に向けた研修は、大学生自らが運営して行われているようで、本当に心の底から立派だなと関心しました…。僕が大学でコーチをしていた時は24歳だったので、当時はほぼ同年代の子たちでしたが、今27歳になって彼らを見てみると、当時から3年4年くらいしか経っていないのに、何かこう、今の自分にはない初々しさのようなものを感じて羨ましく思っていることに気がつきました。

大学生の皆さん、皆さんは自分が思っている以上に多くの可能性を持っています。サッカーに限らず、いろんなことに挑戦して、失敗して、自分の可能性を存分に広げていってください。大人たちは、意外と間違っていることも言うので、最後は自分を信じて、思い切って前に進んでみてください。

と急な大学生に向けたメッセージは良いとして、本題に入ります。


大学サッカーの難しさ

大学生の話を聞いていても、本当に大学サッカーというのはある種特殊な集団で、組織の「マネジメント」というものが非常に難しいなあと、感じます。当時も選手から「これどうしたらいいですかね?」と、主にピッチ外のマネジメントについて相談を受けた時「なにそれむずいな」と思うことが死ぬほどありました。

というのも、大学生、特に東京都リーグに所属するようなカテゴリーの選手たちは特にかもしれませんが、大学という母体がある中で、OB会があったり、指導者がいたり、その他いくつかのグループが複雑に絡み合っていてる中で、それでいて「自分たちで」チームのマネジメントをしていく、という状況だからだと思います。高校生まではそんなこと考えなくて良いし、大学を卒業したあとにサッカーをする場合も、チーム(クラブ)マネジメントを選手が担うことはありません。なので、唯一の期間なのかもしれません。さらに強豪校ではない大学では、それまで以上に選手たちのレベルの差や、モチベーションの高低、目的が選手によって様々になります。こんな状況で、マネジメントが簡単なわけないですよね。。。

ここで声を大にして言いたいのは「君たちはすごく難しいことをしているから、全てうまくいくとは思わず、失敗しながら頑張ってほしい。あなたがもし主体的にそれを4年間頑張ったら、間違いなく社会に出てから役に立つよ」ということです。


3つのマネジメント

そんな大学生に対して僕が話をしたことは、サッカーチームのマネジメント(あらゆる組織において共通するかもしれませんが)においては「3つのマネジメント」があるのではないか、ということです。この3つを同時に進行していくことが、つまりサッカーチームに(ここでは特に大学生が行うサッカーチームに)必要な「マネジメント」ではないか、と。

ちょっと話は逸れますが、僕は本当に全ての物事において「一番最初に全体像を浮かび上がらせないと気が済まない」という種類の人間なので、何かを勉強するときも、何かを考えるときも、何かを実行するときも、一番最初に全体像をシンプルに把握しようとします。そうすることで、それが深くなってきたときに方向性を失わうのを防ぐことが出来ると思っています。

3つのうちまず1つ目は『構造的マネジメント』です。

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これを簡単に定義すると「仕組みを決める」作業である、と言えます。誰がどうやって何をするか、をチームのメンバーに照らし合わせて決めていくことです。これがないと当然チームとしては機能しません。例えばキャプテンの人選をすることも、このマネジメントに属します。キャプテンはどういった仕事を担うのか、どういう立場なのか、ということを定めていくことも含まれます。このマネジメントは「決めようと思えば決まる」ので、具体度が高いです。

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