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日本一時帰国中の2ヶ月間に読んだ本20冊【前編】

2ヶ月間ほど日本にいた時に読んだ本の紹介と、それぞれに関して、感想なり要約なり。この記事では10冊を紹介。なお、小説は省いている。

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①『なぜ脳はアートがわかるのか』

芸術を科学的な視点で議論するとか、東洋医学を科学的な視点で議論するとか、そういう作業を人間はしたがるわけだが、それが必要なのか不必要なのかは僕にはわからない。必要だし、不必要だし。

この本は抽象芸術を鑑賞している人間の脳を科学的に何が起こっているのか調べたり、専門用語もバンバン出てくるので思ったより内容の難易度は高かった。科学も芸術も哲学も、やろうとしていることは「ある何らかの捉え方をすることで認識可能にしようとする」という点で同じで、切っても切れない関係。人間は、知ろうとするし、納得しようとする。

『アーティストは創造プロセスが解釈的であり、鑑賞者は解釈プロセスが創造的である』という表現が、最も印象に残った。うまい。


②:『日本人の給料はなぜこんなに安いのか』

外国を知るようになってから、なぜ日本はGDPが世界3位で、なおかつ諸外国と比べると経済格差がさほど大きくなく、かつお金を稼ぐ機会は非常に多いのにも関わらず、若者の給料が安いのだろうか、と考えている。というより、周りの若い世代があまりそのことを考えていないことを不思議に思っている。ここで「外国に比べたら恵まれているだろう」というようなことをいう人がいると思うが、そういうことではない。先進国で大きな経済を持っている日本という国は、そのような「贅沢言うな」精神を持つのではなく、より可能性を最大化して若者が多くお金を生産し、受け取り、世界や社会がより良くなっていくために、自己投資を含めて積極的に行っていくべきなのだ、それが先進国としての世界における役割だ、と僕は思う。もちろん日本国内でも経済や機会格差があるわけだけど、一般的、平均的な若者の給料や持っているお金が上がらないと、若者はチャレンジをしなくなるし、行動をしなくなる。

例えばお金がなければ結婚ができない、結婚ができなければ出生率は下がって(日本は1夫婦あたりの出生率はさほど変化をしていないから、結婚率が下がっているのが少子高齢化の主な原因)、長期的にみたら国は労働力が減っていき経済的発展は見込めなくなる。

だから、若者はもっと政治に参加して、自分たちが考えている「これってさ、冷静に考えてどうなん?」ということを、もっと国に要求していくべきだと思う。いや、確実に。


③:『批評について』

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