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【Vol.2】サッカークラブのロゴ製作プロセスの裏側:『4つの要素』


前回は、「丸いロゴにする」と決めてスタートした理由について主に書きました。実際に出来上がったロゴを改めて見てみます。

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僕(デザインの素人)が持っていたイメージは前述した通り「丸い」もので、中にモチーフがあり、タイプロゴが入っていて、あらゆるシーンに対応できる、というくらいのものでしたが、作り始めて何往復かしていると、デザイナーからそれを逸脱したデザインが出てきました。それが、上の完成版の叩き台となるものでした。

タイプロゴが外側にあって、サークル全体がモチーフになっている。「これまでのサッカークラブにはなかった」デザインだけれども、周りにサークルに沿ってタイプロゴがあることで、スポーツやサッカーっぽさは残っている。こういう自分の想像とは違う(越える)ものを見ると、やはりデザインに限らず「プロは違うなあ」と思います。自分も「サッカー監督」として「プロは違うなあ」と思われるには…的なことを改めて思った記憶があります。


■コンセプト

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ロゴを作る上で大切だと思っていた要素は

①鎌倉のクラブであること
②分野や領域や国を跨げること(クラブの考え方に一致していること)
③発展性があること

自分の感覚としては、こんな感じだったと思います。記憶が正しければ鎌倉インターナショナルFCの新しいビジョン『CLUB WITHOUT BORDERS』が出来たのは、ロゴの製作が始まってから少し経った頃で、それ以降はその言葉が製作に大きく影響を与えていたと思います。

ここからはデザイナーを代弁する形になると思いますが、ロゴに込められている意味を一つ一つ解説していきたいと思います。


①:鎌倉の自然

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鎌倉の「街に馴染むロゴ」という意図を込めて、モチーフになっている総柄『EVOLVING MARBLE』は、鎌倉の豊かな自然を表しています。

“CLUB WITHOUT BORDERSをビジョンにかかげ、さまざまな人や文化を巻き込みながら、唯一無二の新しい色を生み出していくクラブの存在を、ロゴのメインモチーフとなっている「EVOLVING MARBLE」にこめています。「EVOLVING MARBLE」は鎌倉時代に鎌倉と外部を結ぶ特に重要な要路として作られた切り通し、鎌倉七口をメインモチーフにしています。そのほかにも地球、海の波紋、木の年輪という自然豊かな鎌倉ならではのモチーフもとりいれたデザインになっています。”


②:和に馴染むように

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鎌倉のクラブとして、いつか「和」をテーマにブランドラインをつくったり、プロダクトをつくったり、コラボレーションをする時に違和感のないようなロゴになっています。そういう意味で「(丸い)家紋」を最初の参考資料として使ったりもしました。


③:地球に見えるように

「インターナショナル」ということを掲げてクラブの歴史を進めて行きたいので、ロゴ全体が地球に見えるようになっています。地球では、いろんな人や文化、色が混ざり合っているから美しいのだと思います。私たちのクラブもそうなることを願って、ロゴに込めました。


④:いつか文字を外せるように

将来的にクラブの認知度が上がってくれば、周りの文字がなくてもクラブのものとして認識されるようになります。その際に文字をとっても良いようによく見ると模様がKAMAKURAの『K』になっています。これはデザイナーの提案で、なるほどなあと思いました。

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