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エンターテイメントの条件 『サッカーはエンターテイメントだ』と叫ぶこととは——。

Twitterという人類を二極化するために作られた装置(仮名)では、サッカーの選手・指導者・クラブ経営者・クラブフロントスタッフ・ビジネスマン・代理人・戦術マニア・ファン・熱狂的クラブサポーターなど、いろんなサッカー周りの人々がいる。ある意味それを利用しながら、ある意味利用されている、そんな装置の中で起こる議論は、基本的には何も生むことはないのだけど、やはり、何か特定の話題が上がるといやでも目に入るし、意見は常に持っている。ただ、これからはクラブに所属する人間であるから、自分のクラブ行っていくことにしか興味はもたないし、他のクラブや人がどう考えているのかは、これからは別にどうでも良いと思う。もし意見や主張があるなら、自分でやってみる。


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個人として僕は『1.サッカーはエンターテイメント』であり『2.サッカーはグローバルゲーム』であるという2つ基本軸でサッカーを見ているから、「観客のいないサッカー」「観客が感情を自由に表現出来ないサッカー」には興味がないし、サッカーを日本の感覚で判断されても…と困惑してしまうことが多い。日本に帰って例えば「現実を見ろ」なんて言われたとしても、一向に現実を変えていくことにしか興味がない。

14歳の時に初めてドイツでサッカーに触れて、僕はそれから長いこと「違い」を感じながら日本でサッカー人生を送ってきた。ドイツのスタジアムで体感した観戦体験と、ドイツで外国人の同世代の選手たちと戦った試合経験は、やっぱり日本のそれらとは全然違かったのだ。

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それから20代前半で旅をし、ヨーロッパ中のサッカーを観て、そしてアルゼンチンに住んでみて、やっぱり、違うものだと思う。

これについて言及すると日本では、「何でもかんでも日本サッカーを批判している」とか「日本サッカーを下に見ている」とか、そういうことを思われてしまうかもしれないし、「JリーグはJリーグの良さがあるからそのままでいいのではないか」という意見もあると思う。僕はそれを議論することに時間を使うのは辞めにした。

自分の主張は至ってシンプルで、「①サッカーには世界で行われているものと、日本で行われているものがあり」「②僕は圧倒的に前者を好み」、そして何より、「③前者の方が楽しいことを知っているから、それを日本で行うことに興味がある」ということ。それだけのこと。

①サッカーには世界で行われているものと、日本で行われているものがあり
②僕は圧倒的に前者を好み
③前者の方が楽しいことを知っているから、それを日本で行うことに興味がある

ゲームの雰囲気や文化とか、監督や選手の考え方とか、育成の現場で起きていることとか、日本のサッカーは日本の文化で成り立っていて、もとい、日本すぎるところが多くあって、僕はそれゆえ日本人はサッカーというコンテンツを100%楽しめていないと、思っている。人がそう信じるのは勝手だと思うから、僕はずっとそう思っている。


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サッカーとはエンターテイメントである、と叫び続けるには、エンターテイメントとは何か?を自分なりに整理しなければならない。

人によってエンターテイメントの定義は異なるのかもしれないけれど、僕はこれからサッカーというエンターテイメントに従事していきたいと思っている人間として、以下のような点を条件として挙げてみようと思う。

①舞台の裏側に言及しない
②自分が信じている楽しみ方を提供する
③別の世界に連れていく


①舞台の裏側に言及しない

舞台の裏側に言及しないというのは、例えばサッカー選手やクラブのスタッフが「僕らは頑張っている。(結果が出ないけど)努力している」などと、己でも他者でも発言している姿を見ると、幻滅する。プロでも、いる。プロクラブでも、ある。全然エンターテイメントではないなあと、思う。もしも自分の所属しているチームが勝つことから離れてしまったっとしても、頑張っているから認めてくれ、などとは口が裂けても言わないし、自分の選手が公に向けてそれを言ったら、多分キレると思う。ピッチ(舞台)で起きたことで評価をされるのが、エンターテインメントであってほしい。

サッカー業界にはお金がない、とサッカー業界の人が公に発言するのを見ても、幻滅する。もちろんコロナ禍などのアクシデント時はわけが違う。ただ「お金がないから何かが出来ない」と公に向けて発言するエンタメを、一体どんなお客さんが観に行きたくなるんだろう…と思う。ファンと一緒にクラブやサッカーをつくる、ということは、

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