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蹴球症候群

他分野を通してサッカーを解明し、サッカーを通して他分野を解明する
サッカー、またはサッカー以外の分野から日々何を学んでいて、何に気付いて、何に疑問をもち、どんな風に…
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2021年11月の記事一覧

サッカー観とトレーニングメソッドに共通する「多様性」の概念

自然が好きです。ただ、New Yorkの夜の街並みを思い出すと、これもまた異常な美しさを感じるのです。生きていると、全く意識していないタイミングで、大切なことに気が付くことがあります。これまで蓄積していた「点」が一本の「線」で繋がる瞬間は、意図せず訪れるのかもしれません。コントロールできないとも言えます。 New York, 2018 最近は、生きる環境が一気に変わったからか、あらゆることに気が付くようになりました。そういえば、日本からアルゼンチンに渡った1年目も、そうだ

「認知特性」をサッカーに応用するには

先日Forbesをなんとなく寝る前に読んでいたら「認知特性」というフレーズがコラムの中で出てきて、興味を持った。そのような、それぞれの人間によって視覚的な認知が強い人や、あるいは言葉による認知傾向が強い人、そういう類のものがあるのだろうとは思っていたけど、ふと出会って興味を持つと学びの意欲があらわれる。さっそくamazonでポチってみると、どうやら「認知特性」に関しては細かく研究がされているようである。

Xaviは偶然か必然か——。サッカークラブの基盤と採用

昔読んだ本が今になって価値を出してくることは、ままある。自分の経験値や知的レベルが追いついていなかった場合もあるし、あるいは興味のあるトピックや従事している事柄などの違いから、当時と現在では違う効用を示している可能性もある。私にとって『ゴールは偶然の産物ではない FCバルセロナ流世界最強マネジメント』は、まさにその一例であろう。本書を読んだのは10年も前の話だが、今まさに読むべきものだと感じている。 現在私は、監督という立場でありつつ、これから先の未来があるサッカークラブの

『憧れはいつも旅先だった』 -旅にまつわる本10選-

「人生は旅であり、旅とは人生である」という言葉を最後に中田英寿が舞台から退いたとき、当時14歳の僕は多分、「旅」というものに猛烈に憧れたのだと思う。自由に生きられる歳になったら(無論ほんとはその時だって自由だったのだけど、子供の頃はサッカーや学校や場所や、とにかく色んなことに縛られている悲劇のヒーローだった)、中田英寿のように、長い時間をかけて、あるいは残りの人生の全部を使って、世界中を旅しよう。思えばずっとそう思っていた。 先日、何年ぶりかわからないくらい何年ぶりかに、試