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胃腸の不調と慢性炎症の関係

この記事をクリックしていただいた方は、おそらく栄養に興味があるか、すでに栄養療法を実践されている方ではないでしょうか?


体の不調として一番現れやすいのが、胃腸機能の問題です。


胃腸は栄養を吸収するための大切な臓器。

栄養療法をしっかり効かせるためには胃腸を整えることがとっても重要です。

実は胃腸が弱いと感じている方は隠れ慢性炎症があることが多いです。

また、逆に慢性炎症がある方は胃腸が弱く、きちんと消化吸収されていないかもしれません。

今回は胃腸と慢性炎症の関係

について、分子栄養学の目線で情報をシェアしたいと思います。



コルチゾールの役割

体に炎症や外傷、ストレスがあると、抗炎症作用と抗ストレスホルモン(コルチゾール)が副腎という臓器から分泌されます。


このコルチゾールは血糖値の維持に重要なホルモンです。

絶食や空腹時間が長く、食べ物が体に入ってこないと血糖値が下がってきます。

すると、コルチゾールが肝臓に命令を出し、肝臓や筋肉に溜めていた糖(グリコーゲン)を分解して糖を体に行き渡らせる指示を出します。


これを「糖新生」と言い、こうやって空腹時には血糖の維持が行われているのです。



それに加えて糖新生では、

自分の筋肉を分解し、筋肉(タンパク質)からも糖を取り出すことができます。


タンパク質が少ないと低血糖に

糖新生は、肝臓と筋肉に蓄えられた糖(グリコーゲン)で行われるためタンパク質が十分にないと糖を貯蔵することができません。



痩せ体型は特に筋肉量が少ないので、

エネルギー源(糖)を溜められない=疲れやすい

という悪循環に。



ですが、タンパク質からも糖新生で糖を作ることができるので、タンパク質がたくさんあれば糖を作る材料が多いということになります。


でも体に炎症がある場合、大切なタンパク質が炎症消しや修復に使われてしまうためタンパク質が不足してしまいます。


鼻炎やアトピー、歯周病や上咽頭炎などの慢性炎症がある方は慢性的なタンパク不足に。


タンパク質不足が続くと筋肉が減少し、筋肉が少ないと糖新生で血糖値を維持したくてもできない状態に。


これではより低血糖を起こしやすくなります。


タンパク不足、慢性炎症で起きること

もし慢性炎症があると、炎症を抑えるためにどんどんタンパク質が使われ、副腎からは常に抗炎症ホルモンのコルチゾールがたくさん分泌されます。


これで慢性的なタンパク質不足と副腎フル稼働のダブルコンボの出来上がりという訳です。

恐ろしい…


血糖値を維持するためのコルチゾールはたくさん出ている状態ですが、

糖新生の材料(筋肉)がないため、糖新生できずに血糖維持が困難になって低血糖が常態化。


このようになると、だんだんとコルチゾールが効かなくなり、アドレナリンなどのコルチゾール以外のホルモンで血糖維持をしようとします。


このアドレナリンは交感神経を優位にさせるため、自律神経が乱れやすくなり、

交感神経支配の胃腸は働きが抑制されて不調を起こしやすくなります。


かなり前置きが長くなりましたが、これが慢性炎症が胃腸を不調にする原因。


炎症が先?胃腸が先?

胃腸の不調といえば、

胃もたれ、便秘、下痢などの症状から

逆流性食道炎、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群(IBS)、

小腸内細菌増殖症(SIBO)、機能性ディスペプシア(FD)

など幅広い病気を引き起こすのが定番の流れ。




胃腸は食べたものから栄養を吸収してくれる重要な臓器。

ここに不調があるとどれだけ食べても栄養が身になっていきません。



これが

・サプリが効かない理由
・食べ物が身にならない理由

です。



炎症があるから胃腸が悪くなったのか、

胃腸が弱いから炎症が慢性化したのかは人の生活習慣や食生活、体質にもよります。




いずれにしても、炎症もあって胃腸が不調でも

体調を崩すほどの状態であれば、どちらが先でも改善方法は変わりません。




炎症対策・炎症の治療をし、消化力をサポートしてあげることでだんだんと体は良くなっていきます。


そのためにはサプリを有効に使いながら食事を改善していくこと。



胃腸が弱いと思っていても、炎症が抑えられれば本来の胃腸は普通かもしれません。

炎症が治り、胃腸の不調が改善されれば、

本来の体のポテンシャルをしっかり発揮できるはずです。



栄養療法を使う目的はここ!



胃腸の不調に悩んでいる方は、一度、体に炎症が起きていないか、慢性炎症がないか確認してみてください。


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