コラム:人は豊かさのために技術を発展させ、発展した技術で豊かさを失う
こんにちは、服部(はっとり)です。
今日は、AIを含む技術(テクノロジー)の発展を見ていて思っていたことを少し書いていきます。
さて、人は何のために技術を発展させているのでしょうか?
きっとそれは「人が豊かになるため」というのが至極当然の答えかなと思います
人は太古の昔から、生活をより良く発展させてきました。石器時代だって、縄文時代だって、江戸時代だって、明治時代だって、そして、現代だって。
だからこそ、今僕たちの生活には、食べ物や服があり、家や家電があり、車や飛行機があり、そして、インターネットで世界と繋がり、思考や作業だって手伝ってくれるAIやロボットも現れています。
その発展は目覚ましいもので、もちろん争いは絶えないけれど、今の僕たちの生活は昔に比べたら比べ物にならないほどに豊かになっているはずです。
しかし、近年の生成AIを含むAIや自動ロボットの発展は目覚ましいものがあります。それ故に、「AIによって自分の仕事がなくなる」「近い将来、人は仕事をしなくて良くなるのではないか」「人の存在価値とは何なのだろう、不安だ」と言った声も出てきています。
労働への不安に対して、日本でも世界でも様々な企業が調査結果を発表しています。
少し古いですが、2015年に野村総合研究所(NRI)が発表したリリースでは、日本の労働人口の49%が人工知能やロボットで代替可能という内容でした。
また、ゴールドマンサックスが2023年4月にリリースした記事では、生成AIは世界のGDPを7%上げるというタイトルを付けました。しかし、記事内の経済学者の発表では、AIの流れは、世界の雇用市場にも影響を与え、フルタイムで働く3億人に値する雇用が自動化されると記載しています。
また、米国の900以上の職業データベースの調査で、「3分の2がAIにより自動化される、また、その中でも危険に晒されている職業では、4分の1から半分がAIによって置き換わられる」とも記載しています。
一応、「労働市場に対するAIの影響は重大である可能性が高いが、ほとんどの仕事や産業は部分的にしか自動化されていないため、AIに代替されるというよりも補完される可能性が高い」とも補足はありますが、どこまでのことかはまだ定かではありません。
もちろん既存の仕事がAIに置き換わっても、その分新しい職業も現れることは自然な流れです。しかし、人は、今と自分の少し先の未来を一番見ているとしたら、「自分の仕事がなくなり生活ができなくなるんじゃないか?」「自分なんていても意味ないのではないか?」と感じてしまうのもしょうがないことなのかと思います。
不思議なものです。人は自分たちや人々の生活を豊かにするために、技術の発展をしてきたのに、その発展した技術によって、人々の生活が脅かされているという側面が出てきている。
もちろんこの世の中が競争社会であることは理解しているので、時代が変わることへのアンテナを張り、アジャストし、新しい世界へ自分をフィットさせていく人が生き残れる社会でもあります。
仮に、労働がAIに置き換わり、極端に働けない人が大量に溢れた未来が来たとしたら、そこは何もしなくても良い極楽の世界が待っているのか、それとも人々が争うようになるディストピアが訪れるのか。
もしかすると現代人は、人を中心に置いて考えすぎなのかもしれません。まるで人が王様のように。自然も動物も植物も技術も、そして、人間も対等な世界だと考えておくと、「自分だけなぜ?」という恐怖心も少し薄れるのかもしれません。
アジャストすることを諦めずにやっていきたいものです
それでは、今日はこの辺で
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Kazuma Hattori | デジタル広告・マーケの人 @KazumaHattori
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