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飼うのムリかも……:ハナちゃんとの思い出②【保護犬日記・船橋】

トライアル期間中は、ハナちゃんを返そうか本気で悩んでいました。

目薬が差せない

保護犬団体さんから譲り受けて、ハナちゃんとの生活が始まりました。最初の1ヶ月はトライアル期間で、本当にこの子を飼えるかどうか、確かめる期間になります。もし飼えないとなれば、団体さんへお返しすることになります。

わたし達夫婦の心配事は、目薬を差せるかどうかです。ハナちゃんは左目に緑内障を患っていました。ときおり眼圧があがって痛みが出てしまうので、定期的に目薬を差していました。

団体さんから受けた説明は、目薬を1日3回、朝昼晩で差すこと。このトライアル期間でできるように、頑張ろうと意気込んでいました。

ですが、目薬が差せません。

ハナちゃんは孤高でクールな性格で、人に懐く素振りをしません。目薬を差そうとすると、口をグワッと開けて嫌がります。

団体さんのところでは難なく差せていたそうですが、わたし達は許されないようです。やり方を聞いて試してみても、「やめれ!」って仕草をしてきます。信頼関係ができてないせいか、1回も差せません。

「こんな状態で本当にハナちゃんを飼えるのかな……」
そんな不安がよぎっていました。


「ダメなら飼うのをやめよう」

目薬をまともに差せず、1週間が過ぎました。わたしは妻に提案します。

「このトライアル期間でハナちゃんに1日3回目薬を差せないようなら、トライアル失敗でお返ししよう。」

目薬が差せないと、ハナちゃんの緑内障は悪化してしまう。悪化して痛がるハナちゃんを、わたし達夫婦は手をこまねいて見てるしかない。保護犬団体さんの方には緑内障で目を摘出した子がいて、ハナちゃんにはそうなってほしくないと考えていました。

それならば、ちゃんと目薬できる団体さんへお返しするほうが、ハナちゃんにとって幸せなんじゃないか?、という想いで妻に提案しました。

妻もしぶしぶ了解してくれました。2人ともハナちゃんを飼いたいけど、それでハナちゃんが幸せにならないなら諦めたほうがいい。わたしも妻も、ハナちゃんの幸せが第一優先です。

それからは毎日、目薬を差すための試行錯誤です。寝ているときにトライ、目薬がハナちゃんから見えないようにトライ。なんとか1日3回させる方法がないか、探す日々が続きました。


なんとか差せた!!

何度も目薬チャレンジをしていると、だんだんやり方がわかってきます。

まず起きてる時は、基本的に差せません。まぶたに触ろうとすると嫌がるし、目薬が見えないよう後ろから近づけても、直前で気づかれて失敗します。

寝ている時であれば、差せました。特に、まどろんで半目が空いてる時がチャンス。差せる確率が上がります。

ただし寝ていて目が閉じてる時は、目薬がうまく入ってくれません。目のまわりの毛に邪魔されて、入ることなく流れ落ちてしまいます。目頭に打ってみたり、目尻に打ってみたり、なんとか入るよう調整していました。

そしてハナちゃんを預かってから1ヶ月、毎日ではないものの1日1回は差せるようになりました。1日3回はできてませんが、ハナちゃんの緑内障はまだひどい状態ではないので、これからも挑戦を続けることにしてハナちゃんを飼う決意をしました。

保護犬団体さんには連絡を入れ、飼う意思を伝えました。これでトライアル終了、ハナちゃんは正式にうちの子になりました。

ハナちゃんとの信頼関係はできてないし、目薬は差せないし、問題は山積み。でも、これから家族2+1で暮らす生活にワクワクを感じていました。


余談

結局ハナちゃんの目薬は差せずじまいです。症状は悪化しなかったし、嫌がるくらいなら差さなくていいと考え、お医者さんのアドバイスもあって目薬をやめました。

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