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サッカークラブのつくりかた #7 「TOKYO CITY F.C. 2019シーズンの歩み」編

今年もこの記事を書く季節がやってきました。恒例の「サッカークラブのつくりかた」シリーズ。2014年から書き溜めた6本の記事をこのほどnoteにコピペし、これからはnoteメインに書いていくので是非フォローして貰えるとうれしいです!

さて、前回の記事では2019シーズンが開幕するまでの怒涛の日々を振り返りました。

2019年2月1日にクラブの運営会社である「株式会社PLAYNEW」を設立し、そこから1ヶ月半の間に、構想発表や阿部翔平選手の獲得発表、長谷部区長への表敬訪問にキックオフパーティーなどてんこ盛りの時間を過ごし、開幕を迎えました。

それでは2019シーズン開幕後のお話の始まり始まり〜


届かなかった得失点差"2"

オフシーズンがあっという間に終わり、いよいよリーグが開幕!

昇格組であるCITYは前年度の成績が上位だったチームとの対戦からスタートとなりました。

開幕戦はエリース東京クラシックの粘り強い守備の前にスコアレスドローで終わったものの、第2節でFC KOREA相手に劇的な勝利!

この勝利で勢いに乗ったCITYは以降も勝利を重ね、10節を終えて勝点26(8勝2分)を積み上げます。


そして迎えた11節、優勝を争う最大のライバル東京U23との決戦。

多くの両クラブファンが駆けつけたレッズランドでの一戦は、相手GKの好守もあり最後まで崩しきれず…。結果的にスコアレスドローで大一番を終えます。

CITYは残り2試合を7-1、6-1と、ともに難しい相手から大量得点を奪って勝利をしたものの、最終成績は惜しくも2位。

優勝した東京U23とは同勝点ながら”得失点差2”及ばず、悔しい悔しい2位となりました。

(tokyofootballより)

「得失点差2」にはもはや運の要素さえもあると思っています。

ただ、「運が悪くて昇格出来なかった。」で済ます訳は当然なく、最終順位が確定した11月10日から約2週間、11月24日のチームMTGを迎えるまで、個人的にもクラブ的にも様々な振り返りと議論がありました。

チームを取り巻く体制はどうだったのか、練習環境をもっと整えられなかったのか、選手スタッフがどこまで本気で勝利・昇格へ向き合えていたのか、選手に過度なプレッシャーを与えてしまっていたのではないか、本当の意味でクラブに一体感はあったのか、etc...。

この2週間とにかく色々な議論が起きました。一度決めかけた方針が朝令暮改で二転三転することも。数年に一回こういう苦しいタイミングが定期的に訪れますが、今回もなかなかにヘビーな毎日を過ごしました。

そして迎えた選手スタッフの大半が集まって行われたチームMTG。悔しさや無念さ・脱力感がありながらも、殆どの選手スタッフから聞こえてきたのは驚くほど前向きな声。

今季積み上げてきたものに間違いは無い、進んでいる方向に間違いは無い。上を見たときに足りないものは山ほどあるけど、足りなさに悲観するのでなく、築き上げたベースを基に来季ジャンプアップ出来るように前へ進もう。

みんなの声を聞き、話し合い、止まっていた時計の針が再び動き出しました。


96回のホームタウンアクティビティ

2019シーズンを振り返ると、チームとしては確かに目標としていた東京都社会人サッカーリーグ2部の優勝・1部への昇格を成し遂げることは出来ませんでしたが、クラブとして見ると掲げるビジョン「Football for good -ワクワクし続ける渋谷をフットボールで-」に向けて大きく進んだ1年でもありました。

CITYが目指す将来像を言い換えると、「渋谷にフットボールから派生したコンテンツが溢れている状態をつくる」こと。

もともとのクラブ創設時の想いであるミレニアル世代のサッカーファンを増やすためにも、フットボールの方から街へ出て行こうという発想です。

振り返ると2019シーズンはこのビジョンへ向け飛躍的に進んだ1年でした。


NIKE JAPANさんとコラボしWOMBでプロジェクションマッピングサッカーをしたり

渋谷のベンチャー企業対抗フットサル大会をしたり

フットサルをして銭湯(改良湯)へ行ってビールで乾杯する「ほっとサルカップ」を開催したり

これらのスポーツアクティビティに加え、オフィシャルパートナーであるNPO法人greenbirdさんとの渋谷駅・原宿駅周辺の定期清掃活動、代々木公園で開催されている様々なイベントへの参加など含め、2019年は96回のホームタウン活動を渋谷の皆様とともに実施することが出来ました!


まだまだこれらの多様なホームタウンアクティビティは質量ともに向上していかないといけませんが、それでもビジョンへ向け少しずつ進めた実感があります。

これらの取り組みを含め、クラブ全体として総じると2019シーズンは90点くらいの点数を付けられるシーズンだったと振り返って感じます。


パートナーさん・ファンの方々からの支え

そんなシーズンを過ごすことが出来たのはクラブを応援してくれるパートナーさん・ファンの方々からの支えがあったからに他なりません。

今シーズンはユニフォームパートナーとして、Queueさん、Hengeさん、ookamiさん、greenbirdさんに力を貸してもらいました。

特にQueueさんはクラブにとって初めて胸部分にロゴを掲出いただくパートナーとなりました。

一緒にアイディアソンをしたり、お互いが刺激し合える、切磋琢磨し合える、理想的なパートナーとめぐり逢えたことは本当に幸運なことでした。


ユニフォームパートナーの各社のみならず、サプライヤーのような形で応援いただくパートナーさんや、地元渋谷の企業を中心に「TEAM CITYスポンサー」というスポンサーシップメニューで応援いただくパートナーさんなど、2019シーズンは20社のパートナーさんに応援いただくことが出来ました。


また、リーグ戦と平行して戦っていたクラブチーム選手権という大会では東京大会・関東大会を優勝し、福井県で開催された全国大会へ参加することも出来ました。

この大会は都内のみならず埼玉県や福井県での開催となりましたが、遠路はるばる現地まで駆けつけて応援して下さったり、SNSで激励のコメントをくれたり、クラウドファウンディングで支援していただいたり。
ファンの方の支えにはいつも助けられていました。

2019年3月5日、神宮前の交差点Subacoで宣言した「渋谷からJリーグへ」という構想。想いを口にしたしたことで、構想が少しずつ形になり、1人また1人と多様な仲間の輪が広がって行った幸せなシーズンでもありました。


2020シーズンへ

さて、もうまもなく新シーズンの幕開けです。今年はどんな1年になるでしょうか。

3月中旬のリーグ開幕へ向けクラブは既に始動し、先日の始動日には選手スタッフと色々な話をしました。

2019シーズン、クラブが会社となり、クラブの社長として初めての1年を過ごしました。思い通りにいかないことの方が多かったですが、それでも1年間様々な学びがありました。


際たるものが「街を体現するのがクラブであり、クラブの象徴がチームである」という考えです。

我々TOKYO CITY F.C.は渋谷の街のフィロソフィーを体現するクラブになる。そしてチームは、そんなクラブの象徴となる。勝つことは勿論大切だけど、それと同じかそれ以上に「どう勝つか」が大切。

クラブのビジョンに掲げる「ワクワクし続ける渋谷をフットボールで」つくるためには、その象徴たるチームのサッカーがワクワクするものでないとなりません。


今シーズンも理想と現実の壁にぶつかる時がきっと来ると思いますが、志高く初心を忘れずに、自分たちらしく進んでいきます。

かっこよくて、ワクワクする、そんなクラブを目指して。


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