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必要のない色分けをしない - データ可視化ミニ講座(4)

時系列でないグラフ、たとえば国別の人口やレストラン店舗の売り上げなどを棒グラフに表すときには、ついつい色を分けたくなります。その方がカラフルで見栄えがよいし、棒グラフを見分けるのにも役立ちそうな気がする……のですが、実際には棒グラフは色分けしなくても十分に識別可能です。

むしろ必要のない色分けを行うと目がチカチカしてかえって見づらかったり、「過剰な装飾」と思われることがあります。以下の例では国別の棒グラフを色分けしていますが、別に色分けをしなくても国の見分けはつきます。単色グラフで十分に機能を果たすことが可能です。

たとえば円グラフや折れ線グラフは色がないと要素を識別するのが難しいですが、棒グラフであれば横(あるいは上など)にラベルを添えれば視覚的に判別するのは難しくありません。

「デザインが単調・退屈だから」という理由で色分けをするのはお勧めしません。データ可視化において配色のデザインは重要な意味を持つものであり、単に装飾目的で余分な表現を入れてしまうと、読者が混乱する可能性が高いです。どうしても入れる場合はパステルカラーのような淡い配色パレットにするなど、控えめにしましょう(上の例はどう見てもチカチカしすぎです)。

色分けをする際には可能な限り「分ける意味があるとき」に限るのがよいです。たとえば「各国の比較で日本だけ目立たせたい」「アジア、ヨーロッパなど地域別に色を分けたい」といった場合は色分けの意味が出てきます。


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