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平和にネットを使う為に~荒らしになりやすい性格と状況とは?

この記事はこんな方におススメ

  • 自分のSNSやコンテンツを荒らされたくない人

  • これからネットを始める人

  • 荒らしと炎上に関して知りたい

  • SNSを使っていて荒らされたことがある


今回の記事はネットの荒らしについてです。
ネットの荒らしといえば不愉快な言動でコミュニティ内を破壊し、最悪の場合炎上させるのが特徴ですが、こういう人はどういう性質である事が多いのか、そして荒らしにあった場合、どう処理をするのが自分にとって良い結果を招くのか、紹介していきます。
今回は長くなりそうなので、いくつかに分割して投稿します。

荒らしの傾向

この性質の人が荒らしになりやすい

そもそも荒らしってどんな人がなるのか疑問な所。
この疑問を調査してくれたのがバララット大学の研究で、396名の男女全員に性格テストを行い、ダークトライアド、サディストのレベルを診断したそうです。

ダークドライアドってのはサイコパス、マキャベリスト、ナルシストの総称で、ざっくりいうと人を操ったり、冷酷だったり、自己中心的な人の事。
サディストは他人が苦しんだりするのが好きな性質の人。
もっと詳しく知りたい方は↓こちらをどうぞ

で、その参加者たちがフェイスブックをどのように使っているかを調査した結果・・・

  • サディストとサイコパスは荒らす傾向が多い。

という結果に。
つまり、人の感情を踏みにじっても何も感じず、痛みや苦しみを与えて喜ぶ人間が荒らしをする傾向が多いみたい。
ただし、サディストとサイコパスのみでは荒らしは発生しないとのこと。
では一体何がサイコパスとサディストを荒らしに駆り立てるのでしょうか?
先述の研究では、

  • サイコパスとサディストは他人のネガティブな感情が加わると荒らしに発展する

とのこと。
つまり、サイコパスとサディストは他人の悲しみ、怒りなどに反応して荒らしを発生させるということです。
嫌がり怒って、悲しむほど荒らしにとっては最大のスパイスになるってことです。
確かに荒らしの投稿を見てみると、他人を貶したり苦しめたりする発言があるのを見かけますねぇ。

またマニトバ大学の研究でもダークトライアドとサディストが荒らす傾向が高いとのこと。
この2つの研究から察すると、ダークドライアドとサディストの中でも、サイコパスとサディストが良く荒らす傾向があるみたいですね。

さらに炎上に関して調査した本、「ネット炎上の研究」では、中傷を繰り返していた人物が損害賠償を請求された件についてコメントしている部分が興味深くてその人物曰く、
「顔を晒してる仕事の人がネットでちょっと書き込みをされたくらいで・・・という気持ちはあります。言いたいことがいえない社会って息苦しいですね」とのこと。(ちなみにほぼ原文ママであります)
サイコパス特有の共感力の低さからくる「人を傷つけてもなんとも思わない部分」が如実に表れているのが分かりますね。



人が荒らしになる条件はほかにもある

で、ここで疑問に思う方もいると思います。普段ダークドライアドとサディストの傾向がないような人がネットでは荒らしになってしまっている時があると。
どうやら条件がそろうとダークドライアドとサディストの性質が高くなくても荒らしになるようです。
スタンフォード大学とコーネル大学の行った実験で、

  • 参加者に解くのが簡単な問題と解くのが難しい問題のどちらかを選んでやってもらう

  • 終了後、参加者に気分を尋ねる

  • 2パターンの実験用に作られたニュースを用意。実験用ニュースの内容は2つとも共通だが、コメント欄に投稿が何もない物とコメント欄に荒らし投稿が3つあるもの。

  • 参加者にどちらかの実験用ニュースを読ませ、最低でも一つ以上のコメントを投稿するように指示

という実験。
つまり個人の気分と、周囲の状況によって荒らしになりえるのだろうか?っていうことを調べたわけですね。
で、結果は・・・

  • 簡単な問題とコメントがないニュースを読んだ=35%がネガティブコメントを投稿

  • 簡単な問題と荒らしコメントがあるニュースを読んだ=47%がネガティブコメントを残した

  • 難しい問題とコメントがないニュースを読んだ=49%がネガティブコメントを残した

  • 難しい問題と荒らしコメントがあるニュースを読んだ=68%がネガティブコメントを残した

という結果に。
つまりネガティブ感情が渦巻いているとき、すでに荒らし投稿があるとき、あるいは両方の場合、そういう投稿をする確率が上がるということです。
例えば、
会社のストレスで気分が悪い!→荒らし投稿があろうがなかろうが荒らしてやるぜ!
この記事には荒らし投稿があるぞ!→荒らしてやるぜ!
会社のストレスで気分が悪い!何気なく記事みたら荒らし投稿があるぞ!→荒らしてやるぜ!
みたいな感じ。
犯行動機でときどきある「むしゃくしゃしてやった」っていう類ですね。


個人と環境の状況で荒らしになる可能性があるのは分かったところでこの実験では時間帯によって荒らしが出るのかどうかも調べていました。
CNN(海外の人気ニュースサイト)のコメント欄を利用したもので、2012年12月から2013年8月までの活動していたユーザー865,248人を対象に、16,470件のディスカッションと16,500,603件の投稿を調査。荒らしコメントが書き込まれた時間と荒らしの悪質さで選別した。で、分かったことは・・

  • 日中は少ないが夜~深夜帯つまり20時から3時くらいに荒らしが多め。

  • 1週間の内、日月火が荒らしが多め

とのこと。

つまり、日月火と夜~深夜帯は荒らしが出やすく、両方兼ねた場合、特段に荒らし行為が活発化する傾向があるようです。
夜や深夜帯が多いのは、フリーな時間があるユーザーが多いから納得ができると思います。
面白いのが曜日で,日月火なのは、学業や仕事が始まるからストレスがかかるからなのかもしれません。
確かに日曜の夜とかは憂鬱ですもんね。


まとめ

長くなったのでまとめるとこんな感じ

  • 荒らしに多い性質は、ダークドライアドとサディスト

  • ネガティブな状態だったりストレスがかかっていると荒らしになるかも

  • コンテンツに既に荒らし投稿があると荒らしやすい

  • 荒らしは夜~深夜帯の20時から3時くらいに多い

  • 荒らしは日月火に多い

こうやって見るとパターンがあって面白いですね。
今後記事の更新は水木金土の夕方にしようかな・・・(笑)

次回は炎上に関して解説します。




参考文献

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0191886914000324

https://files.clr3.com/papers/2017_anyone.pdf

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0191886916307930




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