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【酒話】ファンクラブとは

前回、「サブスク化する飲食店」という記事を書きましたが、とは言ってもどういうシステムなのか?僕が営むお店のファンクラブを例に、さらに深掘りしてまとめてみました。

前回の記事では、飲食店側の視点と、お客さま側の視点の、その両方から書きました。
つまるところ、「どちらか一方の視点では、成立しない」ということなのです。

みんながハッピーになるシステム

飲食店に関わらずですが、お店とお客さまの、どちらか一方だけが得をする、または損をするものは、長続きしません。

飲食店は、良くも悪くも、売上(収益)が不安定という特徴があります。
いつお客さまが来られなくなるかわかりません。
災害などで行きたくても行けない状況もあります。
その特徴の欠点を解決できるシステムの1つがサブスク(subscription)なのです。
売上を安定させ、さらにお客さまに、より満足いただけるシステムなのです。

日本酒バー 和の場合(お客さま側)

当店のファンクラブを例に説明します。
当店のファンクラブは、月額500円で様々なサービスを受けていただけます。

たとえば、「いつでも1杯目100円」というサービス。
300円の日本酒が、いつでも1杯目100円になります。
チャージ料もないので、1杯だけ飲んで帰られてもOK!

月に25日の営業として、毎日1杯だけ飲んで帰られたとします。
ファンクラブだと、
100円×25日=2500円
+月額500円=3000円

これが通常価格だと、
300円×25日=7500円

つまり、お客さまは、同じだけのお酒を飲んでも、7500円-3000円=4500円お得!になります。
行けば行くほどお得!ということですね。
では、店側は4500円の損かというと、実はそうではありません。

日本酒バー 和の場合(店側)

上記は抜け道的な極端な例ですが、「常連の」お客さまは得をするシステムになっていることは、なんとなくご理解いただけたかと思います。

それでは、店側は4500円の損ではない理由ですが、
答えは、「原価」です。

お酒にもお料理にも、原価があります。
ファンクラブの会費と同じ500円の儲けを得るには、当店の場合、「まぁまぁ」ご注文いただく必要があります。
サクっと飲みの方では回収できないこともあります。

それに対して、サブスクには原価がありません。会費の500円はサービス料なので、サービスを厚くすることによって500円の儲けを作り出してるんですね!

お酒やお料理をたくさん売って500円の儲けを出すか、サービスを厚くして500円の儲けを出すかの違いなのです。
通常は、元々サービス料(付加価値)が含まれています。
もちろん当店も含まれています(それが外食の価値ですね)。

人が食事できる量には限りがありますが、サービスには上限がありません。
そういう意味では、サービスとしての500円の儲けのほうが、お店側としては原価がない分リスクもないし、もちろん500円以上のサービスをご提供するためお客さまにも喜んでいただけて、嬉しいことづくしなんです!
だから先の例でも、4500円の損とは言いきれない、むしろ得?なんですね。

このように、サブスク(ファンクラブ)には、単純な数字では計り知れないものを生み出すことができます。
はっきりと言えることは、お客さま側もお店側も、どちらもハッピーになれるシステムだということ。

さらにファンクラブには素晴らしい点があるのですが、それは次回「仕事について」というところで書く予定です。

今回は当店のファンクラブを例にしましたが、それぞれアレンジすることによって、さらにおもしろいことができるかもしれません。
サブスクが飲食店の主流となる日も、そう遠くない未来だと思います。

ちなみに、サブスクに「向き・不向き」の業態があるので、絶対にオススメ!というわけではないことだけ、最後に付け加えておきます。

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