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【酒話】燗の常識

「燗」について、まるで禁止行為かのような『常識』が、まかり通っているように感じるときがある。
ほんとにそれが正しいことなのか?考えていきたい。

日本酒を飲み始めたときのこと。
友人と、初めての飲み屋さんに行った。

いままで冷酒で、日本酒のおいしさに気付き始めていたのだが、その日は寒かったので、熱燗に初挑戦することにした。

とは言っても日本酒について、ほとんど知識がなかった僕は、メニューにあった日本酒から1つを選び、「熱燗で」注文しようと友人と話していた。

すると隣のおじさんに、こんなことを言われた。
「兄ちゃん、それは、熱燗にしたらあかんで!」

え、そうなんですか?

「それ、『ジュンダイ』やし、『ナマ』やろ?」

は、はー、そうなんですか?

「『本醸造』以外は熱燗にしたらあかんねん」

はぁー。そうなんですね。。

僕はおじさんに言われた通り、メニューから「本醸造」の文字を探し出し、燗で注文した。
出てきたお酒は、マズくなかったのだけど、僕も友人も、好みではなかった。

僕と友人は、それからしばらくのあいだ、「熱燗=好きではない飲み方」になった。

僕がその後、日本酒のことを勉強したからよかったものの、勉強していなかったら一生、「熱燗」が苦手なままだったかもしれない。

というのも、
本醸造は「一般的に」燗に向くものが多いと言われているが、それ以外のお酒でも、燗にしてもいい!
それは決して禁止行為などではなく、日本酒を楽しむ1つの方法なのだから。

なんでも燗にすればいいというものではないが、「純米大吟醸」も、「生酒」も、燗にしてもいいのだ。
楽しみ方は無限大!

こだわることは悪いことではないが、こだわりを他人に押し付けて、他人の楽しみや好奇心を排除することこそ、禁止行為だと言える。

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