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【解説】牛窪恵先生の『恋愛結婚の終焉』を要点解説【恋愛結婚の終焉 PART1】

▼YouTubeでも公開中


◆恋愛結婚の終焉 PART1


◇紹介書籍

おはようございます、Kazukiです!
それでは今週もさっそく投稿の内容に入っていきましょう。
今週紹介していく書籍たちはコチラになります。

2023年9月30日に光文社さんから発行されました、
牛窪恵(うしくぼ・めぐみ)先生の『恋愛結婚の終焉』と、

2023年10月21日に双葉社さんから発行されました、
丸山正樹(まるやま・まさき)先生の『夫よ、死んでくれないか』になります!
さぁ日本の恋愛結婚思想を終わらせにきました!

◇紹介書籍概要

また今回の紹介書籍たちの概要につきましては、
いつもと同じように下記に詳細を載せておきますので、
もし紹介書籍たちについて気になった方がいましたら、
そちらの方はぜひ下記をご覧いただければと思います。

タイトル 『恋愛結婚の終焉』
筆者 牛窪恵(うしくぼ・めぐみ)
価格 1,034円税込
発行日 2023年9月30日 初版1刷発行
発行者 三宅貴久
装幀 アラン・チャン
印刷所 萩原印刷
製本所 ナショナル製本
発行所 株式会社光文社

『恋愛結婚の終焉』奥付および裏表紙から引用

タイトル 『夫よ、死んでくれないか』
筆者 丸山正樹(まるやま・まさき)
価格 1,870円税込
発行日 2023年10月21日 第1刷発行
発行者 箕浦克史
発行所 株式会社双葉社
印刷所 中央精版印刷株式会社
製本所 中央精版印刷株式会社

『夫よ、死んでくれないか』奥付および裏表紙から引用

◇紹介書籍選出理由

そして今週の投稿に、
本作『恋愛結婚の終焉』と『夫よ、死んでくれないか』、
この二冊を選んだ理由になりますが、それがコチラになります!


「おひとりさま」や「草食系」を生んだ筆者が語る恋愛結婚の終焉と、
夫に死んでほしい妻たちを描いたノンストップ・ミステリを読んだら、
もう恋愛結婚には希望もへったくれも存在していないことがわかったから!


今週紹介する書籍の一つ目であります、
牛窪恵先生の『恋愛結婚の終焉』という書籍は、
そのタイトルから全てが理解できるように、

「恋愛結婚がもうオワコン、つまり、終わったコンテンツなんですよ」

ということを、様々なデータを用いて解説されている書籍でありまして、
読めば読むほど、恋愛結婚に希望を見出せなくなるという、
恋愛結婚市場で儲けている方々を恐怖のドン底に突き落とす書籍になりまして、

また、今週紹介する書籍の二つ目であります、
丸山正樹先生の『夫よ、死んでくれないか』という書籍は、
こちらもそのタイトルから全てが理解できるように、

「夫に死んでほしい妻たちを描いたノンストップ・ミステリ」

を描いた小説になっておりまして、
結婚後に待ち受ける「夫婦」という関係が完全に終わっていく様というのを、
ミステリー調に仕上げ、恋愛結婚に全く希望を抱かせない小説になっています。

そして、この二冊を読んだ私はあることに気がついてしまいまして…

それは…

この二冊掛け合わせたら面白いんじゃね?ということです。

というのも、本作『恋愛結婚の終焉』の中では、
そのタイトルに記されている「恋愛結婚の終焉」というものを、
様々なデータを用いてその事実を明らかにされており、

「恋愛の先に結婚がある」という価値観がデータによって否定されており、

さらに、本作『夫よ、死んでくれないか』の中では、
こちらはその恋愛結婚の果てに妻が得たものというのは「充足感」などではなく、
「夫よ、死んでくれないか」という世の男性を恐怖に陥れる感情でして、

「結婚の先に幸福がある」という価値観が物語によって否定されています。

なので、この二冊を掛け合わせたら、

本当の「恋愛結婚の終焉」が語れるのではないか?と思いまして、

今週の投稿には、
牛窪恵先生の『恋愛結婚の終焉』と、
丸山正樹先生の『夫よ、死んでくれないか』、
この二冊を選ばせていただきました。

◇投稿内容とその目的

そして、今週の投稿の内容につきましては、


今回のパート1で牛窪先生の『恋愛結婚の終焉』を要点解説していき、
次回のパート2で丸山先生の『夫よ、死んでくれないか』を完全要約していき、
そして、最後のパート3でその二冊を掛け合わせたある考察をしていきます。


なので、今週のこの【恋愛結婚の終焉】のシリーズの投稿を、
パート1からパート3まで全部ご覧いただいた暁には、


「恋愛結婚」という考え方がもうオワコンなのだとデータ的に理解できて、
また、「恋愛結婚」の先に待つ恐ろしすぎる絶望の未来を物語で堪能できて、
そして、「恋愛結婚」の終焉をデータと物語の二刀流で一刀両断していく!


そんなシリーズになっていれば幸いだと思っております。

なので、これは事前に言っておきますが、
もし「将来結婚したい!」もしくは「結婚する予定です!」という方は、
この【恋愛結婚の終焉】のシリーズは見ないことをオススメします。
マジで結婚したくなくなっても責任取れませんからね。

◇1・1 少子化対策の遅れと「恋愛結婚の終焉」

それではようやく今回の投稿の内容に入っていこうと思いますが、
今回の投稿では牛窪恵先生の『恋愛結婚の終焉』の中から、
その「恋愛結婚の終焉」について筆舌鋭く遠慮なしに語られている章である、

第1章の「なぜ『恋愛』『結婚』しないのか」を要点解説していきます。

さらに、その第1章は全部で三節に分かれておりまして、
最初の第一節目で語られている内容というのが、

◆1・1 少子化対策の遅れと「恋愛結婚の終焉」

というね。
最初からいきなり本丸を語っていく潔い構成となっております。

そしてこの節では、そのタイトルからもわかるように、
まず日本が遅れてしまっている少子化対策の現状について、
先にも述べたようにデータを用いて解説されているのですが、
今回私がこの節で注目したいのはそこではなく、
本節で解説されている、

「恋愛結婚の終焉」に拍車をかける要因である未婚率が上昇した理由

についてなので、今回はこちらを解説していきます。

筆者の牛窪恵先生はこの理由について、
次の3つの理由を挙げられています。

  1. バブル崩壊と経済不況

  2. 女性の社会進出

  3. 見合い結婚と恋愛結婚の逆転

まず一つ目の理由になりますが、
この「バブル崩壊と経済不況」という理由が意味するところは、

言わずもがな「定職に就けず、お金がない」ということです。

定職につけず、毎月決まったお給料がもらえないというのは、
自分一人では自分一人が苦しむだけですが、
結婚しているとなるとパートナーにも苦労をかけてしまいます。

その結果、結婚しなければその責任を負わなくていいと考えてしまう、
未婚男性・女性が昨今増えていてもなんらおかしくはありません。

次に二つ目の理由になりますが、
この「女性の社会進出」という理由が意味するところは、

女性が男性の経済力を頼る必要がなくなったということです。

これまでの「夫婦」というのは、
男性が仕事をして女性が家事・育児をするというのが一般的でしたが、
昨今の女性が社会進出できるようになった社会では、
女性は男性の経済力を頼らなくても生活することができます。

その結果、結婚して家事・育児に翻弄されるぐらいなら、
一人で気楽に生きていくと考える女性が増えるのはある意味必然でしょう。

そして最後の三つ目の理由になりますが、
この「見合い結婚と恋愛結婚の逆転」という理由が意味するところは、

見合い結婚が減って恋愛結婚が増えたから未婚率が上昇したということです。

日本では1960年代半ばから後半にかけて、
この「見合い結婚と恋愛結婚の逆転」という現象が生じたようなのですが、
見合い結婚は、会社の上司や親戚などが仲介者になって成婚に導きますが、
恋愛結婚は、個々で自分の力だけで成婚にまで至らなければいけません。

その結果、異性に自らの魅力をアピールするのが苦手な男性女性や、
年収や学歴、見た目や雇用形態などの水準を鑑みてしまう男性女性が、
苦難を強いられることになるのは火を見るよりも明らかです。

だって、最初の理由で申し上げたとおり、
今の日本はバブル崩壊して経済不況なんですからね。

◇1・2 「結婚しない(できない)」の正体

これで「恋愛結婚の終焉」に拍車をかける未婚率の上昇の理由については、
ある程度把握できたかと思いますが、
次の二節目の「『結婚しない(できない)』の正体」では、
その未婚率を上昇させる先の理由にさらに拍車をかけてしまう、

女性が持っているある視点について筆者の牛窪先生は取り上げています。

それというのが…

女性が男性に求める最低年収が高すぎるという視点です。

筆者の牛窪先生は株式会社リンクバルの、
「未婚男女の婚活・結婚意識調査」という調査を引用して、
女性が男性に求める最低年収というのを紹介していますが、

その額というのが「年収400万円」です。

単純に12ヶ月の「12」で割ると「33.333…」となるので、
毎月の給料が約33万円ぐらいという計算になります。

とはいえ、これにボーナスは含まれておりませんので、
ボーナスが夏と冬に出る会社だとすると、
恐らく毎月の給料は25万円前後ぐらいの計算になります。

さらに言えば、
もし女性が手取りでこの金額を所望しているのだとしたら、
前者は恐らく額面だと40万円ほどで、
後者は恐らく30万円ほどの計算になります。

さぁこれを聞いて世の男性陣はどのように思うでしょうか。
私は正直、こう思います。

「たけぇ」と。

というのも、私が昔勤めていた市役所の初任給というのは、
確か手取りで18万円ぐらいでしたし、
3年勤めても20万円ぐらいにしか上がんなかったと記憶してます。

とは言っても市役所はボーナスが夏と冬にきちんと出ていたので、
そこで給料の帳尻を合わせている感じはありましたが、
それでも「年収400万円」には全く届いていなかったと記憶しています。

現に厚生労働省が公開している2019年の「賃金構造基本統計調査」では、
35〜39歳の正規雇用の男性でも「年収400万円」というのは、
その年代の平均年収より約50万円ほど多いという調査結果が出ているので、
私のその感覚というのもそこまで的外れではないでしょう。

また、先にも述べたように、
女性の社会進出というのは近年どんどん進んでいます。
女性の正規雇用が増えて、女性幹部が増えている今の世の中では、
当たり前ですが、反比例するように男性の雇用というのは減っていきます。

その結果、年収が400万円を超えない男性が増えていても、
なんら不思議ではありません。

この女性が抱く経済力が高い異性を結婚相手に選ぶ考え方を、
本書では「上昇婚志向」と定義しているようですが、
その志向の結果、結婚できないのでは本末転倒も甚だしいですね。

◇1・3 「恋愛しない(できない)」の正体

これで本書で語られている未婚率が上昇している理由における、
最たる「結婚しない(できない)」理由の正体は把握できたかと思いますが、
お次はその結婚の入り口と世間的には言われている「恋愛」について、
本章の第三節「恋愛しない(できない)の正体」の内容を参照していき、
解説していこうと思います。

近年は若者の恋愛離れというのがかなり深刻なようでして、
国立社会保障・人口問題研究所が公表している、
「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によると、
未婚の男女(18〜34歳)における「恋人ナシ」は21年時点で、

男性が7割強(72.2%)で女性が6割強(64.2%)との調査結果が出ており、

いかに今の若者が恋人を作らないかというのが見てとれます。

そして、本書『恋愛結婚の終焉』の筆者である牛窪先生は、
その恋愛結婚の「恋愛」の箇所が終焉に近づいている理由について、
次の5つの理由に絞って本書の中で述べられています。それがコチラです。

  1. 「超情報化社会」による恋愛嫌悪と性のコンビニ化

  2. 「男女平等社会」と「男女不平等恋愛」のジレンマ

  3. 「超親ラブ族」の出現と恋愛意欲の封じ込め

  4. 「恋愛リスク」の露呈とコミュニティ関係の維持

  5. 長引く不況が招いた、恋愛の「希望格差社会」

そして、この五つの「恋愛しない(できない)」理由というのは、
それぞれ別々に理解するのではなくて、
幾つかは数珠繋ぎのように理解することができます。

まず一番目の理由と四番目の理由というのは、

これはどちらもSNSやスマホの普及によって生じたものになります。

2010年以降にiPhoneやAndroidなどのスマートフォンが普及をして、
いつでもどこでもだれとでも繋がれる世の中になり、
その結果普及してきたのがX(旧Twitter)やInstagramなどのSNSです。

もちろん、SNSが素晴らしいサービスなのは間違いありませんが、
一方で、一個人の意見が必要以上に膨れ上がった影響力を持つこともあります。

それがこと「恋愛」という営みにおいては、
恋愛経験のない人ほどSNS上で目にする恋愛に対する否定的な意見、
例えば「恋愛は無駄な時間やお金を浪費する」や、
「割に合わない」という意見に強く影響を受けてしまって、

その結果、恋愛から遠ざかってしまうわけなのです。

さらには、今ではインターネットが普及したことに伴い、
ネット上には様々な性的なコンテンツというのも普及しています。
それにより、恋愛をしなくても性的興奮は自慰行為などで収められることから、

恋人を作る必要がないと考える若者がいてもおかしくありません。

そして、次に三番目の理由と五番目の理由というのは、
これはどちらも先の未婚率が上昇した3つの理由のところで紹介した、

「バブル崩壊と経済不況」が大きく関係しています。

というのも、東京大学が若者(おもに18〜39歳)一万人の、
28年間のデータを分析した研究によれば、
学歴や収入が低いほど異性との交際を諦める人が、
男女共に多い様子というのが明らかになっているようでして、

結婚と同じく恋愛においても収入というのが、
とても鍵を握っていることを理解できます。

さらには、その経済不況が長く続いてしまったことから、
この給料じゃ一人暮らしなんて到底出来ないと考えた人たちは、
親のもとをあまり離れようとは考えません。
本書ではそのような方たちを「超親ラブ族」と表現していますが、

それがこと恋愛において歯止めをかけているのは言うまでもありません。

一方で、先の恋愛が終焉に近づいている5つの理由の中で、
二番目の理由というのは、昨今の男女平等への社会の風潮のお蔭で、
だんだんと解消していくだろうと牛窪先生は述べていますが、
とはいえ、それ以外の4つの理由に活路を見出せないのであれば、

やはり恋愛結婚が終焉を迎えているというのは、
絶対に覆らない既定路線なのかもしれません。

◆おわりに


いかがでしたかね!

今回のこのパート1の投稿では、
2023年9月30日に光文社さんから発行されました、
牛窪恵(うしくぼ・めぐみ)先生の『恋愛結婚の終焉』の、

第1章「なぜ『恋愛』『結婚』しないのか」の要点解説をお届けしてきました!

今回は本章のみの要点解説をお届けしてきましたが、
それ以外にも本書『恋愛結婚の終焉』の中では、
その恋愛結婚の終焉を解決する未来の結婚像も解説されているので、
この投稿をご覧いただき本書『恋愛結婚の終焉』が気になった方は、
ぜひ概要欄にAmazonのリンクは載せておきますので、
もしよろしければそちらからご購入してみてください!

また次回のパート2の投稿では、
その恋愛結婚の先にある夫婦の幸せというのを木っ端微塵にぶち壊す、
丸山正樹先生の『夫よ、死んでくれないか』という小説の完全要約を、
お届けしていきますので、そちらもお楽しみいただければと思います!

ぜひ一緒に恋愛結婚の本当の終焉をその目に焼き付けていきましょう!

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どちらもお忘れなきようこれからも応援してくれるととても嬉しいです。

それでは、また次回の投稿でお会いしましょう。またね👋

◇紹介書籍リンク

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