相違の美しさ

他人への少しの思いやりと気遣いが全ての違いを生む。

それは軽く擦りむいた傷がいつ間にか化膿してたみたいに、少しづつ自分の分からないところで自分を蝕んでいく。

膿んだ傷を見て、あの時こうしとけば良かった。
もっと自分に知見があれば。

そう思ってしまう。
でも、そう思うことさえ、おこがましいとも思えてくるだろう。

あの時、かけた言葉、行動、全て相手に対して良かれと思った自分の考えが浅はかだった事に気づき、その十字架を背負ってしまう。

それは偽善をしたが故の、代償なのか?

合わない部分を突き放す強さ。
尊敬できる所を学ぶ素直さ。

相性を越えて、全てを愛することができて、初めて違いを理解できるのだろうか?

それでも、その時の自分はそれが正しいと思って行動したはずだ。

燃やしている自分の命、その旅路の中で、一瞬でも誰かと時間を共にできた事実がある。

それを抱きしめて、一生の記憶に閉まって、暖かい光で包んで、生きていく。

孤独である全ての人間が、いつかまた誰かと分かり合える瞬間、その奇跡に遭遇する日が来るだろう。


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