イタリアの12世紀・修道院を改修したホステル兼カフェバーがすごかった【ヴェネツィア】
イタリア、歴史と観光の国。何かと斬新な事例を見かけるのですが、最近泊まった施設が特におもしろかったので、まとめてみます。
自身がイタリア最後の日ということで、記念がてらヴェネツィアに一泊しよう…ということで見つけたホステルです。
まず施設に入ったときの印象。ものすごく広々としています。優雅なソファーでいくつも並び、国際的な宿泊客から現地の地元住人らしい人まで、くつろいでいました。
イタリア建築でよく見かける構造で、四方が回廊で囲まれて中心が庭園のようになっています。
奥に抜けると、カフェのスペースも。Wifiも完備している上、電源もあって充電しながら作業できます。
大都市部のカフェチェーンみたいに全然ぎゅうぎゅうとしていないため、のびのびと空間を取れ、とても居心地が良かったです…!
建物も独特な構造だったため、調べてみました。すると、かつては修道院だったらしくて、それも800年以上(!)も前に遡るとか。
確かに、雰囲気が中世じみてて、修道僧の気分を味わえるようです。ヨーロッパのホステルは何度も宿泊してきたのですが、ここは今までにない体験でした。
部屋番号の扉をくぐると、広めのキッチンとバスルーム(浴槽付き)があり、最大8人で共同使用する形でした。
ホステルでは珍しいタイプだな…と思っていたら、どうやら元々学生寮としても使われていたみたいです。
就寝空間はさらに細分化されているのですが、なんと二人部屋でした。
自分の部屋にはカナダ人の女の子が宿泊しており、男女混合ドミトリーといえどこれは大丈夫なのか…と正直訝しる思いもありつつ。とはいえ、旅人同士で夜通し語り続け、仲良くなれたのは良かったです。
適度に人数ごとで区切られている分、宿泊者同士で話すきっかけが生まれて、交流がしやすいのかも。
聖地巡礼に出かけた修道僧たちが、宿泊地でこうしてアナログに旅仲間と情報交換していたのかな…と思わされるような一夜でした。
このホステルの公式サイトには、以下の文面がありました。
「地元民、学生、旅行者」という三者を挙げてる点が興味深いなと感じます。
修道院生活の雰囲気を感じ取りながら。アウトサイダーな旅人に刺激を受け、学生のエネルギーに触れ、現地民のローカルさも味わう。
まさしくイタリアならではの、観光・歴史保存・コミュニティが上手に配合された取り組みですね。
日本的に言えば、12世紀の鎌倉幕府・武家屋敷を改修して、Wifiとコーヒーというモダンなサービスを提供するようなイメージでしょうか。
歴史的建築物を、より現代のダイナミックさに活かすこうした取り組みが好きなのですが、日本の事例ではどうなのだろう…。より深掘りしたいテーマです。
最安で一泊$35から泊まれるみたいです。もしヴェネツィアを訪ねることがあれば、ぜひご参考までに!
(メインの駅から徒歩で20分弱ほど。少し歩きますが、混雑した中心地から離れており、静かめな立地で過ごしやすい区画な点も、おすすめです)
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