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ありがとうとごめんと笑顔

小学生の長男と少し言い合いになった。
私が子供に何か命令したり、叱ったり、当たり散らすようなことはほぼ無いので、言い合いになるようなことはない。
完全に私が悪い。
理由はわかってる。
仕事のごたごたで、回答しなければならない用件が別々に4件いっぺんにきた。どれも即答要な件。
いつもそんなことは良くあるので構わない事だが、事務所に出向いて打ち合わせする時間が迫っていた。
少々遅れてもいいが、朝から部活で夕方帰宅後すぐに食事をとって、すぐさま塾へ向かう中学生の長女の食事までに帰りたかった。
すでに13時30分。
でかけなきゃ・・・
PCに向かい対応する速度を早める・・・

隣の部屋で、やたら愛犬が吠える・・・何??
めったに吠えない子が。
しばらくほったらかして作業。

長男はゲームに夢中。

あまりにキャンキャン言うので見に行くと、うんちが散乱!
踏んづけてしまったよう。
そこまでならいいが、去勢手術後のためつけてるネッカーにうんちがへばりついてしまってる!
とにかくこれ以上うんち被害が広がるのを食い止めるべく、彼をケージに押し込み、ネッカーを取り、ネッカー取ると傷口なめたりするんで、長男に助けを求める。
「うんち片づける間、見てて!」
だいたい、呼ばなくても飛んできてくれるが、今日はなかなか来ない。
ゲームで大事なシーンなんだろう・・・
いや、でも今はうんちが優先。

対戦相手に、「ちょっと抜けるわ」と不機嫌に告げて、愛犬の部屋に来てくれた。

ネッカーを洗いに行って、愛犬の足やら拭いて、トイレを掃除して片付け・・・としている私に、長男は、「まだ???」という目を向けて、唇はとんがってる。

・・・・・イラっとしたけど、長男が悪いわけではないので、「もういいよ、ありがとう」と告げる。
すぐさま、ゲームへ戻る長男。

そこへ”ピンポン!ピンポン!”とけたたましく鳴るインターフォン。
この鳴らし方は長男のお友達。
ピンポンにいつも反応する愛犬は、またキャンキャン鳴き出す・・・・・
またイラっとしてしまう。
慌ただしく着替えて出かけようとする長男。
そしてふと戻ってきて「おこずかい」と手を出す。
昨日買ったおやつがたくさん残ってるんで、それを持って出かけるように促すと、「あれはイランねん」とふくれる。
「じゃあ何も持っていきな」と私も反応してしまう。
そして、「もういいわ」とプイっと出かけてしまった。

私と、長女と長男のルールで、
『出かける時は、笑顔で行ってらっしゃいと行ってきますで見送る』
事にしている。バイバイと投げキッス付きで・・

理由は・・・・
縁起でもない、と言う人もいるかもしれないけど、毎日、明日死んでもいいように、って生活してると、一番いとおしい人とのそんな一瞬がとても大事で大事で、出かける前に笑顔で行ってらっしゃいが出来ないと、そのあと、どっちかが死んじゃったら、最後は、怒って出かけたな、って思いを一生相手にさせてしまう。
3人とも、その気持ちで行ってらっしゃい、行ってきますをしてるから、今日、怒って出て行ってしまった長男本人も、公園で気にしながら遊ぶことになるよな・・・・・・
と気になって。

仕事の続きは事務所でやろうと、すぐさま、出かける準備。
愛犬をバッグに入れる。
すぐに長男が遊んでるであろう公園へ向かう。
私を見つけた長男が、マスクの下でにや~~っと笑ってるのがわかった。
なんかホッとして・・・・
「さっきはごめんな」
と伝えると
「いいよ!それで来たん?」
と嬉しそうに聞いてくれる。
「仕事何時に終わる?迎えに行ったるわ」
と時間通りに事務所の下に来てくれた。

たかだか、仕事やうんちでイライラするとは私もまだまだやな、
と反省した日でした。

ありがとう、も
ごめん、も
笑顔も、
子供のころの私の家庭にはなかったもの。
だから、将来自分が子供を授かるとは想像もしていなかった。
結婚、家庭を持つということも怖かった。
虐待は継承されるというから・・・・。

ただ、現実は、虐待の連鎖を食い止めたどころか、現在の親子関係を考えると、
「虐待されてきたからこそ、今があるんではなかろうか」
と感謝の気持ちさえ芽生えそうである。
芽生えそう、で、まだ芽生えていない。
完全に完全に許せたわけではないので。
許そうと努めているわけでもないので。


それにしても、私のもとへ来てくれた2人には感謝しかない。
お母さんにしてくれてありがとう。




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