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私をエンパワメントするのはその仕草

今週、女の友情と筋肉と、ヘアスプレーを立て続けに観にいき、馬鹿でかい感情に支配されて、ひっさしぶりにnoteログインしました。

まず、女の友情と筋肉。
舞台の公開が決まったと同時に、賛否両論が巻き起こった舞台。

原作ファンが多いこの漫画。なぜ男性が演るのか……。相当の論争が起こりました。ジェンダーにセンシティブな今だからこその意見。
中でも主演の福田さんは“ジャニーズ”と言うこともあり、かなり腐されたコメントも散見されました。

結局、原作者のKANAさんのtwitterで、その論争は終息。

実は何を隠そう、私も微妙に不安でした。
福田さんの演技力や、舞台に向き合う姿勢は信頼しかしていないので、その辺りについての心配はしていませんでしたが、LINEライブやラジオなどを聴いていると、ホモソ的コミュニケーションが色濃い人だな、と思っていて。(たまに、引いてしまうことも。同い年だからこそ、ホモソが出てきてしまうことも理解できる)
女性を鼓舞する原作の主人公として、女性の気持ちに寄り添えるのか、、とちょっと心配していました。

ただ、その論争をきっとちゃんと目を通したんでしょう。
彼なりに、女性役をやることに向き合っていく様をジャニーズWEBで言葉少なに綴っていました。

ヒールで練習し、ジェルネイルも施し、取ってつけたような男性が演じる女性ではなく、ちゃんとイオリとして板の上に立っていました。

それを匂い立たせているのは、指先、膝の向き、足の先、目の動きといった繊細な仕草。前から2列目だからこそ、よりその仕草に目がいってしまい。
おかげで舞台に集中もできて、すごく笑わせてもらったし、その仕草の向こう側にある向き合った時間を感じずにはいられませんでした。やっぱり好きです、福田悠太さんのこと。

そして、今日。まさかのまさかでチケットが取れたヘアスプレー。
すごかった、全てがハッピーだった。

渡辺直美というコメディエンヌがいたからこその日本版ヘアスプレー。きっと渡辺直美さん、共演者の方もそのことを絶対理解しているはずだし、本来幕が上がるはずの2020年とは全ての情勢が変わってしまった2022年にヘアスプレーという演目をやる意味を感じられました。

渡辺直美さん演ずるトレイシーはちゃんとティーンネイジャーで。
だけど時間が経つほどに、立派なレディに成長していく。その過程が素晴らしく自然で。周りを取り囲む演者さん、エリアンナさん(歌声が素晴らしく震えたし泣いた)、三浦宏規さん、平間壮一さん、清水くるみさん、田村芽実さん、上口耕平さん、石川 禅さん、瀬奈じゅんさん、山口祐一郎さん。
それぞれのトレイシーの見つめ方も全然違っていて。

そして、演者それぞれへの触れ方の温度感の違いが伝わってきたような気がしました。ちなみに一階の一番後ろの席なのに。
慈しむ、愛しさ、拒絶、友愛……その全ての違いを感じられて、ずっと感情を揺さぶられ続けました。

舞台を見に行って、何が印象に残るかは人それぞれだと思いますが、私はその仕草の温度感がずっと残るタイプです。

2019年にロンドンに旅行へ行ったときに見た、『EVERYBODY'S TALIKING ABOUT JAMIE』という演目。ドラァグ・クイーンになりたい高校生の男の子ジェイミーの物語。

その中で、ジェイミーを応援するお母さんがジェイミーを思って歌うバラードナンバーがあったんですけど、見た目は本当ふつ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜のお母さんなんだけど、息子を思いながら歌うその姿、すごくよく覚えているんですよね。その絞り出すような歌声、小刻みに震える体。その一つ一つ仕草で、英語が分からない私にも、愛する息子を心配する母親の愛情が伺えて、拍手する手が止まりませんでした。未だに忘れられない演目の一つです。

舞台は私を元気にしてくれますが、その指先一つ、目配せ……そのちょっとしたことでさらに体温を上げてくれます。幸せな時間を与えてくれるエンタメ業界の方に、大きな感謝を。


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