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腸内環境から「自分の中にある他者性」を考える

ダイエットをしていると、食事量が減るからか、便秘気味になる。普通に食べていたら、快便太郎だった私からすると、便秘になるということは異常自体であり、由々しき問題なのだ。出るか出ないかは大きな違いがある。

調べてみると、便秘にはとにかく「腸内環境」が重要だという。腸内細菌の働きにより、腸の活動が活発になり、いい便が育って排出されるからだ。そのため、私も腸内細菌が喜ぶ食事(食物繊維や乳酸菌)の摂取を心がけ、さまざまなものを試した結果、今はバーリーマックスと呼ばれるスーパー大麦と、めかぶを軸に腸内環境を整えている。

さて、自分に便秘が来てからというもの、腸について調べて詳しくなったが、知れば知るほど腸の重要性を知ることにつながった。整理のためにもいくつか並べてみたい。

1.腸は身体の外にある

トポロジー感覚(位相幾何学)という考え方があり、ようするに対象物を立体的にみることなのだが、その視点で人間をみた場合、「腸は身体の外にある」ことになる。(いやーもう意味不明すぎて衝撃じゃない?もうこれ、超衝撃だったね。)腸を含めた消化管は口が入口、肛門が出口の一本の管(一本のホース)と見ることができるので、構造的には穴に蓋をつけたドーナッツと一緒なわけだ。それで、その消化管(外側)で分解されたものが、血管やらを通じて体内(内側)に入るという構造になっている。

2.腸の中には腸内細菌がめっちゃいる

人間の細胞は37兆個くらいあるのだが、一方で腸内細菌は1000種類、100兆個いると言われている。その100兆個の腸内細菌の相互作用により、腸の働きが決まる。ちなみに単純にデータ量がでかすぎるため、その相互作用を解明することは現段階では不可能らしい。

3.腸は脳を含め自身に大きく影響を与えている

例えば腸内で生成されたトリプトファン(アミノ酸)は体内に吸収されて、脳内のセロトニンに変換される。セロトニンといえば、幸せホルモンとして有名で、精神を安定させる働きをする。

つまり、これらの事実は、腸内細菌は「私」ではないが、「私」に大きく影響を与える存在であることを証明している。そのような意味で「自分の中にある他者性」が実際に常に存在しているということが言えるのではないかと思う。

そして、腸内細菌は誕生時は母親の影響を強く受けるところからはじまり、基本的には周囲の環境に近い腸内環境になるはずである。つまり、別の主体である腸内細菌は、さらに別の主体(他者)から育成されている構造になるため、ますます他者性が増すのである。

さらに、進化論的には、消化管が先にあり、脳はその後にできた場所となるため、生き物的には腸の方が「先輩」と見ることもできるのである。私たちの主体はむしろ腸なのかもしれない…。

結論、腸は超大事。

なんてことを調べて、衝撃を受けているときにちょうど似たテーマで話しているポッドキャストがあったので紹介しておきます。

↑超相対性理論のこのテーマの回。特に後半2回あたりで、腸内環境をペットに見立てた実験をしている話があるのですが、めちゃくちゃ面白いです。

というわけで、今日は主体ではない存在が身体に存在していて、それが主体に影響を与えているという話を書きました。

ちなみに、昔からうんこは自分なのか?という疑問があったのですが、消化管(身体の外)の中での出来事なので、この観点から見れば自分ではないといえます。うんこは自分じゃなかったのだ!という気づきも大きかったですね。

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