053_20240523_テセウスの船

基本情報

  • 東元俊哉(ひがしもととしや)先生執筆の、SFクライム・サスペンス マンガ

  • 講談社「モーニング」で、2017年30号から、2019年30号まで連載

  • 全89話、全10巻で完結済み

  • メディア展開

    • ドラマがTBS系列にて2020年1月〜3月放映、全10話

大まかな紹介

1989年6月24日、北海道・音臼小学校で、児童含む21人が毒殺された。
逮捕されたのは、村の警察官・佐野文吾。その息子・田村心は冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。

事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に閉じ込められ、
気が付くと1989年1月にタイムスリップしていた。

「殺人犯の息子」が真実を求め、辿る、哀切のクライムサスペンス。

講談社、モーニング公式サイトの「テセウスの船」紹介ページのあらすじより

導入

  • 「テセウスの船」の意味の説明

    • この船は最初の船と同じと言えるのか?これは人間だったらどうだろう?

  • 主人公と思しき青年が夢でうなされている

    • 母親「よく聞いて、お父さんは殺人犯なの」

  • ネットで検索する

    • 「音臼小 無差別殺人事件 加害者家族」

    • 大丈夫だ、BBSにも目立ったことは書かれてない

  • 主人公の奥さんが身重でもうすぐ生まれそう

    • 体をいたわり、家事をしつつ、お腹にハーモニカを聞かせてあげる

    • 生まれてきて、ハモニカ聞かせたらパパだってわかるかもね、音でしか認識できてないから

  • 奥さんは言う

    • お義母さんと一緒に暮らそう

    • 主人公は「おふくろはうるせえぞ?人前で笑うな」とか

    • 事件がバレるたび引っ越して、借金して、寝ずに働いてきた

  • 奥さんは「何のために教員免許取ったの?まだチャレンジすべきよ」

    • 主人公は「夢はもう諦めた、殺人犯の息子じゃ無理なんだよ」

  • 奥さんが「音臼小 無差別殺人事件が起きるまで」の日表を纏めたノートを主人公に渡す

    • 奥さん「不可解な事件が起きすぎてる」

    • 主人公「やめてくれ!もういい、君とこの子には同じ思いをさせたくない」

  • 主人公が職場と思しき倉庫でマスクをしつつ作業をしている

    • 同僚が「なんでいつもマスクしてんの?」と言うに、「ちょっとアレルギーで」と答える

  • 奥さんから産院に急遽入院したむねを伝えてくる

    • 駆けつけるが、お子は無事ながら、奥さんは亡くなる

  • 葬式で義父から「お前のせい」と叱責される

    • 殺人事件を書いた雑誌を叩きつけつつ「こんな環境に孫を置いておけいない!引き取らせて貰う!」

  • 28年前1989年6月24日、北海道音臼村で殺人事件は起きた

    • 小学校のお泊り会で夕食時に39名が腹痛を訴え病院に搬送

    • 児童16名、職員5名が死亡

    • 飲み物から凄惨カリが検出され、その犯人として佐野文吾(32歳)が逮捕された

    • 現役の警察官で、俺の父親だ

  • 俺達はいつまで”加害者家族”という名の”毒”を消せないのだろう?

    • この子の父は俺じゃないほうが良いんじゃないか?

    • どうしたらいい?

  • ハーモニカを聞かせるとお子はパァっと笑顔になる

    • 涙を流しながら「パパだよ」

    • 義父が弁護士を通して連絡してくるむね伝えてくる

    • この子の父親は俺しかいない、何が何でも守っていく

  • 奥さんの事件の日表とスクラップを見返す

    • 俺は今まであの事件について深く知ろうとはしなかった

    • もしかしたら佐野は冤罪なのかもしれない

  • 母に「俺…佐野に会ってくる」と伝える

    • 冤罪なら、この子を取られなくてすむ、俺と同じ思いをさせないで済むんだ

  • 主人公は音臼村を訪れる

    • 今は廃墟で住んでいない、当時は1200人ほど住んでいた

    • 数ヶ月語にはダムの底、水に沈む

  • 現場の音臼小学校

    • 更地になり慰霊碑が立っている

  • 急に濃い霧が出てくる

    • 何も見えず、歩くと倒れ、気を失ってしまう

  • 気がつくとびしょ濡れで倒れていた

    • 眼の前には在りし日の「音臼小学校」の校舎があった

感想

  • 毎回、ストーリーモノ・推理モノ・サスペンスモノの紹介は困る

    • もう「とりあえず読んでみて!」としか言えない

    • 少し言えることがあるとすれば「序盤タルくてもしばらく読んでみて」かな

  • 10巻での「まとめ方」が絶妙に素晴らしい

    • もっと「ミスリードさせまくること」も「長編モノ」にもできただろうし

      • 逆に短くまとめることもできただろう

  • タイムリープものですが「タイムリープものの中ではひねってある、単純じゃない」と思う

    • 推理・予想する楽しみがある

      • 「テセウスの船」の言葉の定義から察してほしいが…「土台のがく変わる」

        • ゲームルールチェンジが何度か起こる

        • 刻々と変化するので、頭を順応させて考えねばならない

      • そういうのが「楽しい」と思う人には、脳汁ドバドバかも

    • 東京リベンジャーズを一巻でも読んだ人には「ヤンキー要素と青春と友情を抜いた東リベ」と言えば、イメージしやすいかもしれない

  • 今回言えることがあるとすれば、電子書籍で読んでみてほしい

    • 今回は紹介なので、もう「完結済み」とも「全何巻」とも言ってしまっているが…

    • できれば「今何巻か」という意識が希薄になる電子書籍で、思いのままに次から次へ読んでみてほしい

    • 「おもろ!」と思ったら、もう連続で勢いのままに

  • 「テセウスの船」というタイトルが「何にかかっているのか」を受取りかねている

    • 作中で「テセウスの船に触れる」のは2回、うち一度は最初

    • 普通に考えれば「2回めに触れられたシーン」に紐付けられているのだろうけれど…

      • そのシーンドンピシャ、というにはややぼやっとしてる気がする

    • 複数の意味を含んだり、読者に「自分で考えて受け取ってくれ」言われるのか…

      • タイムリープものなので「事実を知った後の人格や、過去改変があったのちの世界で関係性が違っても”同じ”と言えるのか」とか

      • あるいは「自分が過去に閉じ込められたとして、別の経過で生まれた自分は”同じ”と言えるのか」とか

総評

  • 少しSF・ファンタジー要素を加えた「奥行きを加えた推理サスペンス」が読みたい人にはおすすめ

  • 東京リベンジャーズ読んだ時「ヤンキー要素は別に無くても良いな…」と思った人には合う…かも?

    • あれは「それがアイデンティティ」「その要素があったからヒットした」という要素だがw


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