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ネイビーの次はネイビー

クローゼットに掛かっているジャケットが似たような色ばかりになって困っています。という悩みを聞くことがよくあります。ジャケットでつい選んでしまう色の代表格はネイビーではないでしょうか?私もクローゼットに掛かっているジャケットの8割はネイビーですが、特に悩んだことはありません。それは季節に合わせて素材を変えているためです。

ネクタイの項でもお話ししましたが、いろんな色や柄を持っていることより、色数は少ないけれど、季節に合わせた素材で揃えていることの方が遥かに大切です。

通年で使える120番手程の光沢が美しいウール、梅雨の始まり頃から外に出るのも嫌になる程日差しが強い時期にはコットンやリネンを、秋が深まり街の木々の葉が色づき始めたら毛足が長く温かみのあるウールや、真冬には厚みのあるツイードをそれぞれ無地のネイビーで揃えてみてください。

落ち着いた色味なのでシャツやスラックスとの連携も良く(相性が良く)誠実、清潔、信頼、知性の色として古くから親しまれていることがネイビーを選ぶべき理由ではないでしょうか。
地味な奴ですが、ネイビーほどあなたを裏切らず、支えてくれる色はありません。雑誌をめくって、イタリア人が派手な色のジャケットを着こなしていても焦らないこと。先ずはあなたが信頼と誠実の人である事を相手に理解してもらいましょう。

季節の移ろいを感じながら、素材を選ぶことに慣れてくると、その大切さが自然と分かるようになり、応用力が身についてくるはずです。生前、中村勘三郎さんはこんな言葉を残しています。

“型があるから型破り、型がなければだたの形無しだよ”

ネイビーの次はネイビーなのです。
ただ、ネイビーのジャケットは溢れるほど店に掛かっていますから、目安までにオススメのブランドを三つ記しておきます。ラルディーニ、ボリオリ、タリアトーレ、これらはいづれもイタリアのブランドで軽い着心地と程よい色気があり、羽織るだけで、”あいつ雰囲気良いな”と思ってもらえる定番です。値は張りますが、手入れをしながら長く使えるジャケットなので、是非一度試してもらいたいと思います。

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