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誰もが知っておくべき 10 の AI 関連用語(2023/11/08、ニュースリリース)

※米マイクロソフトからブログ更新のお知らせがニュースリリースで来ました!

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誰もが知っておくべき 10 の AI 関連用語
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※本ブログは、"10 AI terms everyone should know"の抄訳を基に掲載しています。
https://news.microsoft.com/10-ai-terms/?ocid=FY24_soc_omc_br_li_10AITerms

スザンナ レイ (Susanna Ray)

AI (人工知能) という言葉は 1950 年代からコンピューターサイエンス分野で使われてきましたが、業界外の人々が AI について語り始めたのは 2022 年末以降です。
それは、最近の機械学習の進歩が大きなブレークスルーを生み出し、私たちの生活のほぼすべての側面に大きな影響を与え始めているためです。
ここでは、AI 用語をよりよく理解し、世界的な会話の一部に加われるよう、いくつかのバズワードを解説します。

1. AI (人工知能)

基本的に、人工知能とは、人の話を理解し、決断を下し、言語間の翻訳をし、表現が否定的か肯定的かを分析し、さらには、経験から学ぶなど、何らかの点で人間を模倣できる超スマートなコンピューターシステムです。
人間がテクノロジを使って知性を作り出したという点で、「人工」と呼べます。
AI システムはデジタルの頭脳を持っていると言われることがありますが、それは、物理的な機械やロボットではなく、コンピューター上で動くプログラムです。
AI システムは、膨大なデータをアルゴリズム (命令の集合) で処理することで、通常は人間の知性と時間を必要とする作業を自動化するためのモデルを作成します。
Bing Chat に何かを教えてもらう場合など、人と AI システムが直接的にやり取りすることもありますが、多くの場合、AI は、私たちの身の回りの背後で処理を行い、私たちが文字を入力する際に単語を提案したり、プレイリストの曲を推薦したり、私たちの好みに基づいてより適切な情報を提供したりしてくれます。

2. 機械学習

人工知能が目標であるとするならば、機械学習はそこに至るための手段です。
コンピューターサイエンスにおける AI の下位分野であり、パターンを識別し、それに基づいて予測を行えるようにコンピューターシステムを訓練することで、コンピューターシステムに何かを行う方法を教えることです。
データを何度も繰り返してアルゴリズムで処理し、その都度異なる入力とフィードバックを行うことで、システムが訓練過程で学習し、改善していきます。
これは、譜面を読めるようになるためにピアノの音階を 1 千万回練習するようなものです。
画像の認識や言語の翻訳など、従来のプログラミング技術では解決が難しい、あるいは不可能な問題で特に有効です。
そのためには膨大な量のデータが必要になりますが、近年、より多くの情報がデジタル化され、コンピューターのハードウェアが高速化・小型化し、すべてのデータを処理できるようになったからこそ、機械学習が現実的になりました。
これが、Bing Chat や ChatGPT のような機械学習を活用した大規模言語モデルが突然に登場してきた理由です。

3. 大規模言語モデル (LLM)

大規模言語モデル (LLM) は、機械学習テクノロジを使用して言語を処理し、人間のコミュニケーション方法を模倣します。
LLM は、人間の脳にヒントを得て、ニューロンとシナプスをシミュレートするノードとコネクションを集めたコンピューティングシステムであるニューラルネットワーク (NN) をベースにしています。
LLM は膨大な量のテキストで訓練され、人間の言葉を使うのに役立つ言語のパターンと関係を学習します。
LLM の問題解決能力は、言語の翻訳、チャットボットによる質問への回答、テキストの要約、さらには、物語、詩、コンピューターコードなどの創作にも適用できます。
LLM は思考や感情を持っていませんが、あたかも人間のように反応するパターンを学んでいるため、時に思考や感情があるかのように見えることもあります。
会話がより自然になるよう、人間のフィードバックによる強化学習 (RLHF) と呼ばれるプロセスを用いて、開発者によってファインチューニングされることがよくあります。

4. 生成 AI

生成 AI (ジェネレーティブ AI) は、大規模言語モデルのパワーを活用し、既にあるものに関する情報を再生したり提供したりするだけでなく、新しいものを作り出します。
パターンや構造を学習し、既存のものと似てはいるが新しいものを生み出すのです。
写真、音楽、テキスト、ビデオ、コードなどを作ることができます。芸術作品を作ったり、物語を書いたり、製品をデザインしたり、さらには医師の事務作業を手伝うことにも利用できます。
しかし、悪意のある人物がフェイクニュースやリアルに見えるが本物ではない写真を作成するために悪用する可能性もあります。
そのため、テクノロジ企業は AI が生成したコンテンツを明確に識別する https://blogs.bing.com/search/october-2023/DALL-E-3-now-available-in-Bing-Chat-and-Bing-com-create-for-free 方法の開発に取り組んでいます。

5. ハルシネーション

生成 AI システムは物語や詩、歌を創作することができますが、時には生成 AI システムに対して事実に基づいた結果を求めることもあります。
このような場合、生成 AI システムは真の情報と虚偽の区別がつかないため、開発者が幻覚 (ハルシネーション) や錯覚と呼んでいる不正確な応答をすることがあります。
あたかも、誰かが、月の映像に顔らしいものがあったのを見て、月に人がいると言い始めるようなものです。
開発者は、この問題を「グラウンディング」という手法で解決しようとしています。
これは、特定のトピックに関する精度を向上させるために、信頼できるソースからの追加情報を AI システムに提供することです。
また、学習済みのモデルが最新の情報を持っていない場合、システムの予測が間違うこともあります。

6. 責任ある AI

責任ある AI は、安全で公正なシステム設計で人々を導くガイドラインであり、機械学習モデル、ソフトウェア、ユーザーインターフェース、アプリケーションにアクセスするためのルールや制限など、あらゆるレベルで適用されます。
AI システムは、教育や医療など、人々に関する重要な意思決定を支援する役割を担うことが多い一方で、人間によって作られ、不完全な世界のデータに基づいて訓練されているため、回答に固有のバイアスが反映されてしまう可能性があります。
責任ある AI の重要な役割は、システムを訓練するために使用されたデータを理解し、特定のグループだけでなく、社会全体をよりよく反映できるよう、問題点を軽減する方法を見つけ出すことです。

7. マルチモーダルモデル

マルチモーダルモデルは、異なるタイプ (モード) のデータを同時に扱うことができます。
写真を見たり、音を聞いたり、言葉を読んだり—究極のマルチタスカーです!マルチモーダルモデルは、これらの情報を組み合わせて、画像に関する質問に答えたりすることができます。

8. プロンプト

プロンプトとは、AI に実行すべきタスクを指示するために、言語、画像、コードなどの形式でシステムに入力される命令のことです。
大規模言語モデルから望ましい結果を得るためには、エンジニア (そして、AI システムに関わる私たち全員) が、注意深くプロンプトを設計しなければなりません。
これは、デリのカウンターで注文するようなものです。
自分の好みに合って栄養価の高いランチが欲しいときには、ただサンドイッチを頼むのではなく、パンの種類、調味料、野菜、チーズ、肉の種類や量を指定しなければなりません。

9. Copilot

Copilot は、あらゆるデジタルアプリケーションにおいて、あなたのそばで働き、文章を書いたり、コーディングをしたり、要約したり、検索したりするのを手伝ってくれる個人秘書のような存在です。
また、意思決定や大量データの理解にも役立ちます。
近年の大規模言語モデルの開発により、Copilot が人間の自然な言葉を理解して回答を提供したり、他のコンピュータープログラムで作業している間に代わりにコンテンツを作成したりアクションを起こしたりすることが可能になりました。
Copilot は、安全、安心で、正しく使われるよう、責任ある AI のガードレールに基づいて開発されています。
飛行機の副操縦士と同様に、Copilot が主導権を握っているわけではありません。
主導権を握っているのはあなたです。
Copilot は、生産性と効率性を高めてくれるツールという位置づけです。

10. プラグイン

プラグインは野球のリリーフ投手のようなものです。
たとえば、重要な打席で左打ちバッターが登場したら左投げピッチャーを投入するといった具合です。
プラグインによって、AI アプリケーションは基盤モデルを変更することなく、より多くのことができるようになります。
たとえば、Copilot が他のソフトウェアやサービスとやり取りできるようにしてくれます。
AI システムが新しい情報にアクセスしたり、複雑な計算をしたり、他のプログラムと会話したりできるよう支援してくれます。
AI システムを他のデジタル世界とつなげることで、より強力なものにしてくれるのです。

AI に関する最新のニュースは Microsoft News Center https://news.microsoft.com/ja-jp/presskits/microsoft-ai/ をご参照ください。

●本ブログの詳細につきましては、日本マイクロソフト広報資料サイトをご覧ください。
https://news.microsoft.com/ja-jp/features/231108-10-ai-terms/

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