見出し画像

What’s Next for Healthcare ヘルスケア業界における DX 支援の最新動向:新時代のプレシジョン医療の支援について(2022/10/27m、ニュースリリース)

※米国マイクロソフトからブログ更新のお知らせがニュースリリースで来ました!

+++++
What’s Next for Healthcare ヘルスケア業界における DX 支援の最新動向:新時代のプレシジョン医療の支援について
+++++

エレナ ボンフィグリオーリ  
マイクロソフト コーポレーション グローバルヘルスケア担当ジェネラルマネージャー、
ファーマ&ライフサイエンス戦略責任者

マイクロソフトでは、ヘルスケア業界のデジタル トランスフォーメーション(DX)推進を支援しています。
今回は、ヘルスケアの新時代における、プレシジョン医療のディスカバリからデリバリまでの取り組みを、米国と日本の事例を交えご紹介します。

■マイクロソフトとヘルスケア業界の関わり

マイクロソフトは、 AI ソリューションやクラウドなどの技術を応用し、35年以上ヘルスケア分野の支援を行ってきました。米国内のペイヤーやプロバイダー、医療組織の医師、看護師をはじめ多分野の研究者の協力のもと、ヘルスケア業界のニーズを把握し、
業界そのものへの理解を重視し取り組んでいます。

現在創薬の分野では、AIを活用したin silico創薬が注目されています。
コンピュータ上で新薬の開発を行う、という新しい時代に私たちは突入しているのです。
ヨタ サイズのレベルでデータが蓄積される創薬分野では、科学技術の知識と同時にコンピュータ技術も不可欠となっています。
多くの研究者が、斬新な AI プラットフォームの必要性を説いています。
膨大で複雑なデータを適切かつ効率的に管理できれば、市場への新薬導入のプロセスや時間を短縮でき、患者のケアに役立てることができるのです。

■プレシジョン医療に変化をもたらすAIの活用

個々の患者にとって最適な医療を提供するプレシジョン医療でも、テクノロジの活用が不可欠です。
プレシジョン医療ではデータのやりとりが基本となり、管理はクラウド上で行われます。
PHR (個人健康記録)などはセンシティブな情報のため、プライバシーやセキュリティへの信頼性が最重要です。

AI がその問題を解決し、ナレッジ ディスカバリと医療デリバリをシームレスにつなぐ、データ サービスの構築を可能にします。私たちはこの一連の流れを「インフィニティ ループ」と呼んでいますが、これにより画像、テキスト、音声など、あらゆるデータを集積することができるため、例えば臨床データからオミクスの正確なデータを獲得することや、ユビキタス コンピューティングを通じて医療データをモニタリングすることなどが可能になります。

・プレシジョン医療を実現するために必要な3つのポイント

1.データの可用性とその自由な活用
2.安全にデータをやりとりできるクラウド プラットフォーム
3.医療とAI技術のスキルセット

上記の点において、マイクロソフトのテクノロジやパートナーシップを通して提供できるメリットは多いと考えています。
マイクロソフトのミッション:「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」に基づき、引き続き医療やライフ サイエンス分野への支援をしていきます。

■研究者への支援

次に具体的な事例をご紹介します。
米国カリフォルニア大学バークレー校 (UCB) https://www.ucb.com/stories-media/Press-Releases/article/UCB-and-Microsoft-Expand-Collaboration-to-Accelerate-Drug-Discovery-and-Development には、タンパク質の分解をターゲットにした研究で、 AI プラットフォームの活用を支援しています。
これまでマニュアルで実施していた、疾患関連の情報収集や分析を自動化。
正確なデータをより速く扱えるようになり、研究の効率化が図れたことによって、新薬の創出方法に革新をもたらすことができました。

■マシンラーニングでがん研究を支援

ヘルスケアの分野で日々蓄積される膨大な医科学的研究レポートや論文などの文献は、73日ごとに倍増していると言われています。このデータをすべて読み込むには、マシンラーニング(ML)が不可欠です。Real-World Evidence(RWE)は、医療従事者が患者集団内の主要ながん属性を迅速に特定する手助けとなります。

がんの登録と分子腫瘍学委員会によるデータ(ワールド データ) 、臨床試験で得られた情報(ナレッジ ディスカバリ)を統合し、これらをマシンラーニングで解析します。
その実用化モデルがHealth Decision Support Applied AI Serviceです。
従来の臨床NLP(Natural Language Processing)ツールを補強するMLモデル群をパッケージ化し、APIとして提供。
Johns Hopkins University https://www.jhu.edu/ や Mercy Care https://www.mercycareaz.org/ 、Providence https://www.providence.org/ 、 Veterans Affairs https://www.va.gov/ といった主要な米国機関と協力し、がん情報の登録強化と臨床試験のマッチングを促進しています。

■マイクロソフトのグローバルな支援

これまでの事後対応的な医療から、予防医療への変革を支援させていただいた事例をご紹介します。

・National Institute of Health (NIH) に対し、クラウド リソースの大規模な活用を支援。

・Adaptive Healthに対し、免疫系の反応解読でAIを活用し支援。早い段階での診断確定を可能に。

・Terraに対し、次世代のバイオ インフォマティクスのプラットフォーム「Terra.Bio」をAzure上に構築。

・Our Future Health(U.K)と協力し、500万人が参加するゲノミクスのプログラムを構築。

・ノバルティス財団と協働し、心臓血管の健康に関する初のグローバル データ コラボレーション「Al4BetterHearts」を創設。

これらの事例以外でも、世界中のヘルスケア企業それぞれのニーズに合わせた支援を行っています。

■臨床分野への支援

スウェーデンのスタートアップ企業と協力し、がん患者が自分に合った臨床試験の情報を得られるスマートフォン アプリ:「WarOnCancer」を開発。
高度なAI機能を保持し、具体的な症状や条件に合わせて、臨床試験をスクリーニングできるシステムとなっています。

■ヘルスケア分野の変革を支えるMicrosoft Cloud for Healthcare

マイクロソフトが2020年より提供しているMicrosoft Cloud for Healthcare https://www.microsoft.com/ja-jp/industry/health/microsoft-cloud-for-healthcare は、医薬やクリニカル リサーチ組織の方々と協力しながら、治験そのものを具体的に考え、治療に役立てられるシステムとして設計しています。様々なパートナー様にご提案できるようグローバル、ローカルに対応し、医療チームのコラボレーションの強化、患者と医療機関のエクスペリエンスの向上、臨床医の生産性の向上、医療データのインサイト向上、また患者エンゲージメント向上を実現します。

例えば仮想医療では、患者さんが待合室で待つことなく、自宅のリビング ルームで診察を受けられたり、最新の医療にクラウド上で参加できたり。知見を持つ医療従事者がチームとなって治療にあたり、シームレスな治療を提供できるシステムとなっています。

■信頼できる研究環境の整備

稀少疾患に取り組む研究者は、症例の少なさ故、研究に必要な情報取得が困難です。
そのため、グローバルなレベルでデータを収集する必要があり、
それを実現するのがデータのセキュリティを担保しつつ、研究者たちがコラボレーションできる、Microsoft Azure のデジタル環境です。

Microsoft Azure の活用事例を1つ挙げますと、マイクロソフトは英国で国民保健サービスを提供する大型病院NHSトラストと協力し、臨床データを匿名化しプライバシーを守った状態で、グローバルにリサーチできるシステムを構築しました。

■日本のヘルスケア分野における支援

・武田薬品工業社
https://blogs.windows.com/japan/2021/10/26/takeda-pharmaceutical-company-hololens2-d365mr/
R&Dにおける手順の再定義と、研究開発からサプライチェーンに至る「品質・俊敏性・コラボレーションの強化」を支援。
複雑な手順を効率化し、ペーパーベースの作業を自動化。シームレスな展開を可能にしました。

・参天製薬
https://customers.microsoft.com/en-US/story/1529382881358781109-santen-pharmaceutical-pharmaceuticals-microsoft-365-ja-japan

新型コロナウィルス感染症のパンデミック発生以降、リモートワークが急速かつグローバルに普及し、サプライチェーンの分断が進んだことを背景に、セキュリティ戦略の抜本的な改革を検討。
グローバルシステムとしてセキュリティの堅牢さと、情勢の変化への柔軟な対応を実現する課題に対し、「Microsoft 365 E5 Security」を採用いただきました。メール攻撃や各デバイスにおけるエンドポイントの防御、また保有データの保護など、多様な面でのセキュリティ対策を実現しています。

・アステラス製薬
https://customers.microsoft.com/ja-jp/story/1501446346249330858-astellas-pharma-pharmaceuticals-microsoft-365-ja-japan
最先端のライフサイエンスに携わる研究者に対して、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を利用した、業務の自動化・効率化の促進を支援。もともと同社ではRPAの導入が進んでいましたが、リモートワークの増加に伴い「より活用しやすいRPAを」とのご要望を研究管理統制部よりいただき、「Microsoft Power Automate」を提案、採用いただきました。
将来的にはMicrosoft Power Automateの全社標準化も検討いただいており、引き続きDX 支援を継続していきます。

マイクロソフトはこれからも、「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というミッションを基に日本、そして世界中の人々が直面しているヘルスケア分野においての課題の解決に向けて挑戦し続けていきます。

●本ブログの詳細につきましては、日本マイクロソフト広報資料サイトをご覧ください。
https://news.microsoft.com/ja-jp/2022/10/27/221027-whats-next-for-healthcare-latest-trends-in-dx-support-in-the-healthcare-industry-supporting-precision-medicine/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?