ゲームにおける「勝ち方」の話。

ゲームの最終目的って「勝利」であることがほとんどですよね。

でも対人ゲームであれば相手も同じように考えるプレイヤー。勝ちたいけど中々勝てなくて辛い。
そういう方は沢山おられるんじゃないでしょうか。

本日はそういう方のためになるかは分かりませんが、ほぼ全てのゲームに共通している言える「勝ち方」のお話です。
あいにく努力せずにという訳にはいきませんが、延々とやり続けろという話でもありません。

興味があれば、是非ご一読下さい。
ためになれば、嬉しいですね。

■これでFA

初っ端から結論書いていきます。
私がおすすめする勝ち方とは、「勝ちパターンを作る」ことです。

以降はこれについての説明を記していきます。

■初心者は「勝ちパターン」を持っていない

「勝ちパターンを作る」とは、大局的にも局所的にもゲームの形態にも関わらず普遍的に言える勝ち方の基本です。
最終的にこの方法だけでは勝てなくなりますが、初心者帯ではまず間違いなく勝てるようになりますし、熟練者になってもこの「勝ちパターン」が基本となって環境とメタが回りますので、最初から最後まで共通して言える真理です。

初心者というのは、まず「勝ちパターン」がありません。
その場その場で自分がベストと思う方法を判断して選択しているだけです。
それに対し、「勝ちパターン」を持っているプレイヤーは圧倒的に迷いが少なく済みます。どんな状況でも自分のパターンに持って行こうとできるため、行動軸がブレませんし、判断自体も早くなります。しかもその結果、事前にじっくり考えておいた「勝てるパターン」へと近付いていくわけですから、無計画に進んでいる人より勝ちやすくなります。

「勝てるパターン」を持っていないプレイヤーが、持っているプレイヤーに対して有利になる道理がありません。


例を一つ出します。

TCGの戦略に「アグロ」というものがあります。
これはざっくり言ってしまうと、序盤から場に出せる軽いカードをデッキに沢山積み、相手がゆっくりと自分の場を作る前に速攻で押し切ってしまうという戦略です。
断言してよいと思いますが、アグロを知らないプレイヤーにアグロをぶつければ、9割は勝てると思います。残る1割は運です。
TCGのランクマッチで低ランクから抜けられない人は、「アグロ」というデッキタイプを検索して全く同じ構築・戦略をとってみて下さい。劇的に勝てるようになるはずです(この時点で面白いかは別の話ですので一応)。

これは何故かというと、アグロは先述した通り「相手が場を作る前に速攻で勝つ」という「勝ちパターン」を持っているからであり、相手がアグロに勝つには、まずこのアグロの勝ちパターンに対して対処する必要があるからです。
そして初心者は概ね「勝ちパターン」を持っていないし対策もないので、9割方こちらの勝ちパターンが通って勝ちます。

なおこれは「速攻だから勝てる」というものではありません。TCGのデッキタイプであれば、時間をかけて高コストの場を構築し、圧倒的なパワーで後半から巻き返す「コントロール」というデッキタイプでも全く同じ理論です。

そしてこれらの戦略というのは、基本的に「ゲーム開始から勝ちパターンに乗るまで、どうやって相手の勝ちパターンをしのいでこちらの勝ちパターンに持ち込むか」に終始しています。
そしてこれは、ありとあらゆる対人ゲームで同じことが言えるのです。


ちなみに、初心者が「勝ちパターン」を持っていないと言うのは、持ってる人はさっさと中級者帯に行ってしまうからです。
たまーに初心者帯にも勝ちパターンを把握してるとても強い人がいますが、すぐにいなくなるので事故だと思って忘れましょう。

■「勝ちパターン」は単純な「操作や判断の上手さ」ではない

もう一つ例を出しましょう。

将棋の「鬼殺し」という戦術をご存知でしょうか。
詳細は省きますがこの鬼殺しという戦術は開始直後から桂馬が前に出ていくという奇襲戦法で、相手が対処法を知っていないと最低でも駒得の場有利、最悪の場合だとそのまま勝ち得るという初見殺しの戦術です。

ある程度経験のある同士の将棋においては対策が確立されているので通用しませんが、対策を分かっていない初心者に対してはかなりの高確率で優勢を取れる訳で、これこそが「勝ちパターン」です。
なお鬼殺しは対策されるときっちり跳ね返されてしまうので、プロの対局でお目にかかることはまずあり得ないでしょう。
それでも、対策を知らない人には最強無比の戦術になるのです。


ちょっと毛色を変えた例を最後に出しましょうか。

先日の記事でも取り上げた『スプラトゥーン2』において、私が一番最初に確立した勝ちパターンは「ヒッセンのクイコン(クイックコンボ)」です。
一応誤解の無いように申し上げておきますが、私が考え出したという訳ではなく、攻略サイトやアドバイスなどを見ているうちに知り、実践した結果多大なる戦果を出したという意味で、私の中で確立したという言葉を使っています。

「ヒッセンのクイコン」とは、サブウェポンのクイックボムの投擲がとても速くかつ続けて撃つメインウェポンの初撃も出が速いことと、クイックボムの直撃ダメージとヒッセンのワンショットで敵をキルできるダメージが出ることを利用し、相手が弾を一発撃つぐらいの時間で敵をキルしてしまうというテクニックです。
キルスピードが圧倒的に高いので、ヨーイドンで撃ち合えば一撃武器以外には全て撃ち勝てるんじゃないでしょうか。
このクイコンという勝ちパターンを用意したら、あとはクイコンをぶつけられるように近付くだけです。これが「勝ちパターンに持ち込む」動きです(余談ですが、このクイコンはスプラトゥーン2の発売当初環境でヒッセンが環境トップに入るレベルの猛威をふるったテクニックです)。

これはあくまでも対面で相手に勝てるようになる技術ですが、対面で相手に勝てるようになれば戦局全体で見ても有利にできるため、無限にキル有利を取っていれば概ね試合自体にも勝てるので、大局的な勝ちパターンとも言えるでしょう。


さて、挙げた三つの例において、「技術・テクニック・判断力」が必要と一度も言っていないことがお判りでしょうか。

ひたすら反復練習を繰り返し一つ一つの動作の精度を上げることは無駄ではありませんが、勝ちパターンがある・勝ち方を知っているということは、単純な操作の反復練習のそれをはるかに上回る効率持っています。

なのでどんなゲームでも、まずは「勝ちパターン」を見つけ、実践して自分の者にしていくのが、最も早く勝てるようになる方法なのです。

■「環境」と「メタ」は勝ちパターンのじゃんけん

さて、この先のステップとして「環境」と「メタ」という言葉が出てきます。

「環境」とは、概ねそのゲームにおいて「現時点で最も強いとされる戦い方」を指します。
お分かりでしょうか。「環境」とはつまり「勝ちパターン」の話をしているのです。

上手い人のプレイ動画を見ている時に、「今は●●環境だから~」「これが環境に刺さっていて~」みたいな言葉が出て来ませんでしたか?
ある程度以上のプレイランクに居る人たちは、ほとんどが環境、つまり「勝ちパターン」を軸に動いているのです。

そうして生まれる概念が「メタ」です。
「メタ」とは、ある「環境」に特化して対策したものを指します。
例えば「99通りのパターンには勝てるけど1通りだけ負ける」という一見強力な行動があった場合、全員がその1通りを把握して毎回実行できる場合、その行動の勝率は0%です。99通り勝てても結果は0%なのです。
ここまで極端ではありませんが、「勝てるので皆が使う戦術=環境」に対して「皆が使う戦術に勝てる戦術=メタ」が生まれ、メタが流行った結果メタのメタや、メタで対策できない新たな戦術が生まれて環境になっていくという流れが、古今東西対戦ゲームでほぼ例外なく行われています。


一握りの天才であれば、戦術を閃きや技術で覆せるのかもしれませんが、ほぼ全ての人は凡人です。
そんな凡人が勝てるために築き上げられた、数多のプレイヤーの積み重ねの結晶が「勝ちパターン」なのです。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。これを利用しない手はありません。

■定石もまた勝ちパターン

環境とメタという話になってくると、いわゆる「定石」というような話も出てきます。

「定石」とは今回の論旨で言うと「汎用的な勝ちパターン」とても表現しましょうか、いわゆる「最適解」だとされている戦術のことを定石を言いますね。
定石は最適解なので、熟練プレイヤーの間では「まず定石ありき」で話が始まることが多いです。
上位ランカーが語る環境やメタも、これらの定石の上に成り立っていると考えてまず間違いありません。

そのため、定石を踏襲していないと成り立たない環境もあったりします。
まあ定石を踏襲していないということは最適解も把握していないということなので、こちらが定石どおりにプレイすれば効率差ですり潰せるのですが。

ともあれ、そういった定石を元に話が進む場合において、定石の認識レベルによってゲームが成り立たなくなるという別の問題が生まれたりします。定石にない動きをされてしまうことで、ある種の「お約束」が成り立たず、熟練プレイヤーの経験が役に立たずただの運ゲーにもつれこんだりするのです。人狼ゲームとかでよく起こります。
このあたりはゲームによって大きく面白味が損なわれるものもありますので、熟練者になっても心地よく遊んでいきたい場合、ある程度定石について知識を仕入れておかないと辛い思いをすることもあるかもしれません。面倒くさい話です。

■現代にある最強の学び舎

さて、それでは「勝ちパターン」を知るにはどうすればいいのか。

動画や攻略サイトを見てしまいましょう。
攻略サイトはイマイチ信用できない企業作成のものも増えましたので、プロゲーマーの配信を見るのが一番確実です。
配信サイトが普及した現在では、トッププレイヤーが動画を配信してくれていることは珍しくなくなりました。学ぶ上では大変良い時代です。
ちなみに、ゲームの上達方法を聞いた際に「上手い人の真似をしろ」と言う人を見たことはありませんか。
実は彼らの言も砕いてしまえば、「勝ってる人の勝ちパターンを真似しろ」と言っている訳です。
それだけ「勝ちパターン」とは勝つために普遍的に必要なファクターなのです。


攻略サイトに頼るより自分の手で攻略を見つけてこそ面白いという方に関しては、それを否定するつもりは一切ありません。
ただその場合、勝利だけを目指すと苦しい戦いが続くかもしれません。
周囲は容赦なく先人の知識や経験を下地にして戦ってくるのですから。

辛く険しい道の先には、自分だけが見つけた黄金が眠っているかもしれません。頑張ってください。

■まとめ

ということで、勝つためには「勝ちパターンを作る」ことが基本にして深淵というお話でした。

繰り返しになりますが、これは大局的にも局所的にも一緒です。
対面の撃ち合いで勝てないなら撃ち合いの勝ちパターンを、ポイントの取り合いで勝てないならポイントの取り方の勝ちパターンを学んで、それを取り入れてプレイしてみましょう。

そこに自分なりのプレイ方法を取り入れてみるのはこの後の話なので割愛しますが、重要なこととしてはこの時も「勝ちパターン」の軸がブレてはいけません。
「勝ちパターン」はパターンなので、過程と目的がきちんとしていないと機能しなくなってしまいます。それが理解できるようになったらあたりで、自分の好きなカードやキャラクターを使ってみてはいかがでしょうか。
勝ちパターンの完全コピーで学んだことは、必ず役に立つはずです。


これも繰り返しになりますが、こうして他人の真似をしていくプレイが面白いかどうかは別の話です。
勝利を競うゲームで効率よく勝つためには、自分の戦術をきちんと立てておくことが重要だと言うお話です。
まあ、勝ち負けがあるゲームなら基本的に勝てた方が楽しいですから、そう思われる方は取り入れてみてもよいのではないでしょうか。


応用として、例えばTCGにおいて自分の好きなカードで勝ちたい場合、その「自分が好きなカード」の使い方を頑張って考え、「そのカードを使って勝つにはどうすればいいか」という「自分だけの勝ちパターン」を考えるのがよいかと思います。
これが上手くいった時が一番楽しいと思います。自分の力でつかみ取った勝利……最高ですね。

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