漫画は人を育てるのか
minminさんが面白い本をレビューされていましたので、ご紹介。
どうしても反応してしまうのが「漫画」の部分です。と言うのも、漫画には本当に素晴らしい作品が多く、私も相当影響を受けて育ちました。個人的に思い入れのある作品を、思い出しながらピックアップしてみたいと思います。
1.横山光輝三国志
私が幼少の頃に読んだのは、全60巻という未知の大作。親の仕事の関係で、病院内にあった学術系図書館に、なぜか三国志が置いてあったのです。院長の趣味だったのかもしれませんが、人体の仕組みの図鑑と一緒に借りてきて、すぐに読破しました。
現在は、30巻にギュッと凝縮されて販売されてるようです。
三国志演義を題材に漫画化された作品で、中国の物語と知りつつも、大きな歴史観と、どこかノスタルジックな感情が芽生えます。基本的な人の営みというのは、1700年経過しても変わらないということですね。現在奇遇にも中国で会社を経営しているのですが、「三国志で誰が一番好きか」で、どんな人間像に憧れているのかが話題になったりします。
ちなみに私は趙雲子龍が好きです。
日本人は三国志が好きな人が多いのですが、中国の方もびっくりしてます。映画「レッドクリフ」もヒットしましたね。
歴史漫画の醍醐味は、純粋に人間模様を楽しめるのみならず、「史実はどうだったんだろう」と妄想し、妄想が止まらなくなると興味を持って史実を調べ始めることです。歴史に興味を持つのが早ければ早いほど、歴史の授業や勉強が楽しくなる人が多いでしょうね。
ちなみに、今大人気のキングダムが紀元前250年~221年です。三国志は紀元後200年代です。400年以上新しいのが三国志です。
中国各地を巡りながら、昨年「锅盔」に出会った時は本当に感動しました。四川省の田舎町でこっそりと食べられていた、諸葛孔明が考案したと言われる料理です。
鉄の兜を熱して、その上で焼いたと言われています。
そして、成都では武侯祠にも行きました。蜀の君主・劉備玄徳と、蜀の軍師・諸葛孔明が一緒に祀られているところです。
君主が家来とこのような形で一緒に祀られているケースは、実は皆無だそうです。内部はネタバレするので載せませんが、劉備と一緒に戦った蜀の武将の像もたくさん展示されています。
他国や多文化に興味を持つのは良いことですね。横山光輝は「史記」も漫画化してます。凄いの一言。
2.手塚治虫作品
彼に関しては、作品を選べませんでした。死生観をたくさん学びましたし、友人から「顔がブッタに似てる」と言われた時は本当に嬉しかったものです。
手塚治虫は同時に最大10連載も持っていたので、現代のどの漫画家とも比較にならないほどの頭脳を持っていたでしょうね。もう常人の理解を超えています。そして未だに、古さを全く感じさせないストーリー。漫画の教科書があるなら、絶対に掲載されるでしょうね。
3.キン肉マン
連載打ち切り間際のドン底から、週刊少年ジャンプをメジャー漫画誌に押し上げた奇跡の漫画です。当初はギャグ漫画でしたが、途中から熱い人間味溢れるドラマ化に成功。
今思えば、ユーザーに超人のアイディアを出させて、実際にキャラ化しているところが凄いです。ユーザー参加型の走りであり、かなり面白いのですが…聖闘士星矢と共に女性ファンが非常に少ないという憂き目に遭ってます(笑)。
まとめ
漫画は「そこにあったら読んでしまう」効果もあります。特に小さい時には、気づけば手に取って読んでしまってますよね。
漫画が人を育てるという意味では、効果が無いとは思えません。私はどうしても難しい活字の本が苦手なので、ビジネス本はほとんど読まずに生きてきました。漫画で育ったようなものです。特に気になった物事を「調べる」という二次的行為は、現代では必須の能力になるはず。
積極的に良質の漫画を読みたいですよね。
本日もお読み頂きありがとうございました。
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