メンバーのモチベーションが爆上がりするおすすめ1on1テーマ

最近、所属している株式会社fruorでCOO(Chief One on one Officer)のお役目を僭越ながら拝命したので、今日は、1on1のお話を。

日頃1on1に勤しむ経営者の方やマネージャーの方に向けて、キャリア支援の事業者視点からnoteを書きたいと思います。


1on1でイマイチ答えが返ってこないというお悩み

わたしたちは主に個人向けのキャリア支援事業をおこなっているのですが、経営者の方やマネージャーの方から、こんなご相談をいただく機会があります。

「自分としては、メンバーにはモチベーション高く自律的にコトに向かって欲しいと思ってて、そのために1on1でも「何やりたい?」とか積極的に訊くんだけど、ほとんどの人はイマイチ答えが返ってこないんだよなあ…」

「自分が上司で評価者でもあるから、なかなか腹割って話しづらいのかな」

「そもそもやりたいことを聞けたところで、それを叶えてあげられるかも不確実だしなあ。やりたいことを訊く以外に、モチベーション高く仕事してもらえるアプローチ方法ってあるんだろうか」


これまで、個人の方向けに4000件のキャリアカウンセリングを行ってきた経験値から、このお悩みに対してわたしが言えることを簡単に書いていこうと思います。
少しでも、あなたのお役に立てれば幸いです!

1on1でイマイチ答えが返ってこない、その多くの理由

確かに、キャリアカウンセリングの現場でお話を伺っていても、上司に腹を割って話すことにハードルを感じる方は、少なくありません。
が、やりたいことを訊いても返ってこない理由は、ほとんどの場合、根本的にはこれではありません。

ましてや、仕事に対するモチベーションが基本低い、ということはめったにありません。

理由のうちの多くの割合を占めるのは
「やりたいことが、明確にない」
です。

けれどもそれは、モチベーションが低いから、では決してなく、モチベーションの在処が「やりたいこと」にない、というだけなのです。

世の中の人の8~9割は、川下り型

キャリアには、「山登り型」と「川下り型」、という考え方があります。

「やりたいことが明確にない」と聞いて「ええっ、そんなことある?」と思った方は、きっと山登り型。経営者の方にやはり多い傾向にあります。弊社社長の喜多村も、典型的な山登り型。目標を見据えて、そこに向かって一歩一歩登っていくタイプです。

しかし現実には、世の中の人の8~9割は、川下り型と言われています。
川の流れに身を委ね、いろいろな出会いや偶然から、その時なんとなく手を伸ばしたり、たまたま与えられたミッションに対し努力する中で、キャリアを築いていき、自分というものを形作っていくタイプです。わたしも川下り型です。

川下り型の人は、「何がやりたい?」という質問が苦手です。わたしもとても苦手です。
よく採用面接や評価面談で訊かれる「3年後どうなりたい?」という質問などはもう、全力で回避したいのが本音で、キャリアカウンセリングの現場では「今度評価面談があるんですけどなんて言えばいいか本当に困っていて…」という相談もよくあります。

だからこそおすすめしたい1on1テーマはこれ

マネジメント側からしたら、「じゃあ、川下り型の方にはどうしたらモチベーション高く仕事してもらえるのか?」と、困ってしまうかもしれません。

川下り型の人に対して有効なのは、「何がやりたいか(Will)」ではなく、「何ができるか・できそうか(Can)」と、「何が喜びか(Want)」という観点です。

Canでいうと例えば、「営業という仕事は今までの〇〇という経験からできるイメージがつくし、得意な気がするからやってみようかな」という動機につながったり。
Wantの例としては、「チームメンバーのサポートができた時が一番嬉しい」という人もいれば、「顧客からの直接的なフィードバックを得られた時」という人もいれば、「大きな数字を動かして、大きな影響をもたらせた時」という人も。
CanもWantも、十人十色です。

ただし、CanもWantも、自分自身のそれを言語化できている人は決して多くありません
そして、自分の強みは自分ではわからない、というのもよくある話。自分自身では当たり前にできてしまうからこそ、気づけないのです。

だから、誰かとはじめて1on1をする時は、CanとWantを一緒に言語化するところからスタートすることがおすすめです。これは、キャリアカウンセリングの現場でまさによく行われるテーマです。

一見、遠回りに見えるかもしれません。
が、自分のCanとWantが腹落ちした人は、自己肯定感があがり、今の自分の役割にCan・Wantとの共通項を自分から見出して能動的に仕事をし出し、あるいは自分から「こういう仕事もやってみたい」と発言し出します。
こちら側としても、これまで以上に意図を持って業務アサインができ、仕事の進め方のアドバイスをするときも、よりクリティカルな精度高いフィードバックができるようになります。

そうして、これまで実力の60%程度しか発揮できていなさそう…と見えていた人が、100%以上の力をイキイキと発揮し出すのです。

わたしには、キャリア支援者としての顔と、マネジメント職としての顔があります。マネジメントの総合スキルでいうと、ウィークポイントが多いよなあと自分で認識しています。
けれども、メンバーたちがどんどん力を発揮してくれるので、スピード感をもって事業を進められているなあという実感があります。いつも、みんなのアウトプットの質に感動し、感謝しています。

それはもちろん、メンバーに恵まれているということが一つあるのですが、わたしが世のマネジメント職の方よりもやれていることがあるとすれば、キャリアカウンセリングのスキルをピープルマネジメントに活かし、1on1のシーンで常用していること、それだけだなと。

「自分はWillもCanもWantもすんなり言える」という、キャリア自律性の高い方ほど、「メンバーとどう関わったらこれらの言語化を手伝ってあげられるか」は、見当もつかないとおっしゃいます。
ご想像のとおり、「あなたの強みって何?」などとストレートに聞いても、当然出てきません。
でもこの1on1力はひとつのスキルであり、学んで身につけることが可能です。

世の中の8~9割を占める川下り型の人に、モチベーション高くイキイキと力を発揮してもらえるような1on1スキルを身につけられたら。
60%しか力を発揮できていなかった人がみんな、120%の力を発揮できるようになる、そういう組織を常に作れるようになったら。
それは大きなアドバンテージですよね。

今の1on1に「これが本当にベストなのかな」と漠然と感じている方、「CanやWantの引き出し方なんてようわからん」と思った方。
キャリアカウンセリング技術をもとにした1on1スキルの会得、おすすめです。


Twitterやっています。1on1のtipsとキャリアの話と4歳息子の話を主につぶやいています。お気軽にフォローいただけたら嬉しいです☺️

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