これといったスキルがないわたしのキャリア戦略
何をやっても、パッとしない。
引っ込み思案で、なかなか前に出ていけない。
同期が輝かしく活躍しているのをみて、萎縮してしまう。
わたしにいいところなんて、あるんだろうか…。
そんなふうに自信をまったく持てなかったわたしが、どんなキャリアを歩んでいったかという話です。
このページを開いてくださったあなたへ、ヒントになるところが何かひとつでもあったら嬉しいです。
何をやっても、スタープレイヤーにはなれなかった自分
田舎育ちで、小さい頃から人見知りがひどかったわたしは、「これは克服しないと人生やばい…!」という危機感に駆られ、新卒でホテル運営会社に就職しました。接客業に身をおくことで、荒療治で苦手を克服したい!と思ったのです。
この最初のキャリア選択が、誤りだったとは思っていないのですが、当然というか、わたしは劣等生の新入社員でした。
当時OJT期間として、フロントやレストランでの接客をはじめ、いろんな部署を回らせてもらったのですが、周りは社交性が高く、明朗で優秀な先輩・同期ばかり。
どこに行っても圧倒されて、緊張してすぐミスして、いつもおどおどしていました。
「人見知り克服」という目標があったので、もちろん、わたしなりに努力をしました。下の下から、中の中くらいにはなれたかもしれません。
でも、わたしは何をしても「一番」にはなれませんでした。
接客はなんとか人並みにできるようになったけど、もっともっと素晴らしい、感動を呼ぶような接客をする同僚はたくさんいた。
かといって、バリバリ営業とかは多分もっと向いていないし、緻密に戦略を練れるような頭脳明晰タイプでもない。
何をやっても、どのポジションでも、わたしはスタープレイヤーにはなれない。そう痛感してしまいました。
一人ひとりの良さを活かすことなら、息を吸うように考えてきた
そんなわたしですが、実は漠然と、やりたい仕事がありました。それは「人事」という仕事。
昔から、自分自身が活躍するよりも、活躍する誰かを見ているのが好きで、それが幸せで。
高校生の時に所属していたオーケストラ部でも、バイオリンやフルートといった花形と言われる楽器ではなく、「ビオラ」一択だったわたし。
社会人になって、ホテルに就職しても。
いいサービスをしてお客様に「ありがとう」を言われるのが喜び!モチベーションの在処!という人が多い中で、わたしのモチベーションの在処はいつも、みんながイキイキ働くのを陰から見ていること!でした。ニヤニヤが止まらないくらいくらい好きでした(怪しい)。
そういうわけで、入社2年目の秋、異動希望が叶って人事配属に。
「一人ひとりの能力を最大限に引き出す」ことをミッションの一つとするこのポジションは、これまでの現場の仕事からは一転、すとんとフィットしました。
採用、オンボーディング、研修企画と実施、などなど。
これがまあ、すんごい、楽しかったです。
ここでも失敗はたくさんしたし、力不足で歯痒い思いもしたのですが。
でも、「みんなにイキイキ働いて欲しい!」という思いを原動力に、萎縮する暇もなく仕事にぶつかって行くことができたのが、大きな違いでした。
プレイヤーとして成果を出すだけが道じゃないんだということ。
息を吸うように「一人ひとりの良さを活かすこと」を考えるわたしの特性を、そのまま有効活用できる場所があるのだということを、わたしはここで実感することができました。
強みを活かせる場所は、ひとつじゃない
その後、わたしがどんなキャリアを歩んできたかというと、実は人事の仕事はこの直近10年、ほとんどやっていません。
自分で意外なのですが、主となるのは、マネジメント職としてのキャリアです。
最初にチームをもったのは、人事からウェディング部門に異動したとき。マネジメント対象はサービススタッフのほか、カメラマンや、美容師や、牧師さんでした。
現在は、株式会社fruorのスクール事業で、20人ほどのチームを統括しています。
初めてリーダーポジションに就いたとき、自分では、この役割が向いているとは全く思いませんでした。
だってわたし、スタープレイヤーじゃないし。
これといって突出したスキルがないから、何をやってもパッとせず、お手本になれない。そういう自分はリーダー向きじゃないと思っていました。
でも、何度か異動や転職を経験する中で、「あれ?どこに行ってもなぜかマネジメントの役割を求めてもらえるなあ」と徐々に気づくに至り、今ではマネジメント職としてキャリアを築くことに、そこそこの腹落ち感を持てています。
マネジメントにもいろいろスタイルがあると思うのですが、「一人ひとりの良さを活かすこと」を考える特性は、どうやら、ここでもフィットするようで。
誰が何が得意で、モチベーションの在処はどこにあって、一人ひとりの今後のキャリア形成に対してどんな経験ができると、個人も企業も双方メリットがあるのか。
そういうことを一緒に考えて、言語化して、お互いに理解・納得した上でともに働くことを大事にしていると、みなさん、バキバキ力を発揮してくれる。わたしはそれが嬉しくて楽しくて仕方ない。ニヤニヤしちゃう(2回目)。
わたし自身の営業力はイマイチでも、それが得意なメンバーが成果を出してくれる。
わたし自身の企画力が貧相でも、それが得意なメンバーが魅力的な企画をいくつも考案してきてくれる。
誰も得意・好きじゃないタスクは、わたしが中の中スキルをもって、全力でやる。🙈
わたし自身に、これといって突出したスキルはひとつもないけど、みんなのスキルを120%活かすことに対してなら、誰よりも情熱を注いで動けるという自負がある。
だから、チーム全体で成果を最大化させることはけっこう得意かも、と、言えるようになりました。
ここまで書いてきたわたしのストーリーは、自分で振り返ってみると…「キャリア戦略」なんて言えたもんじゃないなあ、と思います。笑
わたしの場合、チームマネジメントで自分の強みが活かせると分かったのは、完全にたまたま、異動辞令があったり周りから求めてもらえたから、でした。
自分の強みも、それを活かす場所も、自分ではなかなかわからないもの。
誰かの強みを発掘・言語化するのが得意なわたしも、いざ自分のこととなると、自分ひとりの力で理解するには限界があります。
輝くものがせっかくあるのに、それに気づかずにいるのはすごくもったいないですし、ある種大きなリスクです。
今までいろんな年齢や経歴の方と一緒に仕事をしてきて、強みがない人なんてひとりもいませんでした。
強みとその活かし方を一度自覚したら、みるみる力を発揮していく、そんなワクワクな軌跡をたくさん、たくさん見てきました。
もしもあなたが今、「自分の強みがわからない」「自分に強みなんてあるのかな」と思っていたら、断言したいです。
あなたの強みは、すでにあなたの手の中にあります。必ずあります。
ぜひ一度、ミートキャリアへお話しにいらしてください。