音太と楽太、若しくは歌子
おんたとがくた、もしくはうたこ。
わたしが子を授かる時、わたしの種が花開くときに新しい生命に付ける名前です。
わたしはいつか占ってもらった導きによると、39歳で全てを迎えるそうです。
まだ見ぬ子を抱くその時を想うと、
胸がじんわり暖かくなります。
彼等の父となるだろう殿方は、顔がわたしとよく似ていました。兄弟と見間違われました。彼はそんなに背が高くなく、おそらく170センチメートルあるかないかで、身体つきはがっしりしていて、髭のドレッドに笑顔がよく似合う、優しくて明るい男性で、4回目にして初の逢瀬の時には、ますます惹かれるようになりました。
彼は旅人で、地球の彼方此方を旅しながら、彼の頂いた生命を目一杯楽しんで生きています。次の行き先はカナダです。私達は白馬で出会いました。
私達は、音楽が大好きです。大好きという言葉よりは、必要とか営みという言葉の方が相応しいかもしれません。水を飲むように、食事を頂くように、音楽が毎日の暮らしの中にあります。
どうか彼の世界が美しくて緑豊かでありますように。私達のところへ、よく似た顔の子供達がやってきますように。
兎も角も、巡り合わせに感謝いたします。