形に宿る不思議な力
プラトン立体、という言葉を知ってますか?
すみません、ぼくは言葉を知っているだけで、それが何なのか説明できません。
これは深掘りしがいのありそうなテーマかも、と最近思っているのが「形」です。
それは「形」と言っても良いし、美術、建築用語で言うところのComposition(コンポジション)=構成、と言っても良い。
何故、そんなことに興味を持っているかと言うと、空間のコンポジション、配置によって、その場の持つ力、磁場のようなものが、明らかに変化するように、ぼくには感じられるからです。
いくつか、ぼくが語れる範囲で例を出してみよう。
まず、パリの街。
ぼくは別にパリ在住でも、パリ研究家でもなく、数日お決まりの定番コースをお登りさん的に観光したことがあるだけなのだけど、あの街にはパワーがある。
何故か?
ぼくは、ここに配置、都市のコンポジションが強い影響力を持っていると思う。
現在のパリの街は、19世紀に行われたパリ大改造によって基盤が形成されたらしいのだが、確かコンセプトとされたのたが、シンメトリー、パースペクティブ(遠近法)、そしてポイントに置かれたモニュメント。
それによってエネルギーの流れを形作ったのではないか、とぼくは思っている。
そこには、エジプトの数学的な知識の影響も感じるのだが、果たして専門的にはどう研究されているのだろうか?
もっと、ぼく自身が経験した身近な例を挙げてみよう。
ぼくがある舞台の演出をしていた時の話だ。
その舞台は、あるバレエダンサーと共作した舞台だった。
長細い机の上に、2つのティーカップを置くシーンがあった。
ぼくが大体の配分で、2つのティーカップを均等に置くと、バレエダンサーの彼は、メジャーで測って印を付け、数値的にピッタリの所にティーカップを置き直した。
すると、どうだろう。
2つのティーカップが適当に置いた時よりも、整然と、まるで光を発しているかのように、ぼくには感じられた。
同じ物でも、空間にどう配置するかで、まったく異なる輝き、エネルギーを放ち始める。
この経験が、ぼくが配置に興味を持つきっかけとなった。
この配置という考え方は、体にも適応する。
それこそ、バレエの形作る美というものは、シンメトリーや立体感、奥行き感を重視する。
バレエダンサーや舞台装置の配置にしても、ダンサー個々の体に対しても、この原則が適応される。
そして、そう配置されたものに対して、ぼく達は美しい、と感じてしまうのだ。
この数学的な黄金律はどこからやってきたのか?
そんなことを知りたくて調べていたら、冒頭のプラトン立体というものを見つけたのでした。
不思議じゃありませんか?
知らず知らずのうちに、美を感じさせたり、エネルギーを集める法則性が「形」や「配置」に秘められていたなんて。
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