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ポスト・トゥルース

先日、いつも興味深い投稿をしてらっしゃる作家の牧野内大史さんのYouTubeチャンネルを見ていて、気にかかる言葉がありました。

因みに、こちらはワクチン関連について言及されていて、その界隈で今話題の内海さんの著書について話されています。

ぼくが気にかかった言葉は、「ポスト・トゥルース」という言葉です。

少し調べてみると、この言葉は2016年のオックスフォード英語辞典の選ぶ今年を象徴する言葉のようです。
恥ずかしながら、ちっとも知りませんでした。

ポストトゥルース、使われ始めてから、もう5年も経つわけですが、2021年の今、ぼくにはこの言葉がとてもしっくりきます。

本来的には直訳すると、「脱・真実」という意味で、客観的な事実よりも、虚偽であっても個人の感情に強く訴えかけるもののほうが影響力が強い状況を指すのだそうです。

ぼくは英語ができないので、正確な意味は分かりませんが、このpostには、次の、次代の、という意味もあるのでしょうか。

もしそうだとすると、post truthには、「脱・真実」という意味の他に、「次の真実」という意味もあるのでしょうか?

先日、近所の図書館に行くと、恐らく優秀賞をとった環境問題に対する啓発ポスターが何枚か飾ってありました。

ぼくが子供の頃も、この手のポスターを書いたりしたのですが、ポスターの趣旨は、我々人類が自然を犠牲として、行き過ぎた繁栄をしている。それをどうにかしよう、というものだと思います。

小中学生達が描いたポスターは、ショッキングな絵てあればあるほど、お役所の審査員の評価が高いのか、動物達が骸骨になっている図案や真っ赤な海などが描かれていました。

ぼくは、これらのポスターを見て、まだこういう教育がされているのか、と少し悲しくなりました。

もちろん、そのポスターから、その子供達がどういう教育をされているのか、なんてぼくの偏った推測でしかありません。

ですが、環境を破壊する人間は悪者だ、立ち止まって考えよう、みたいなことを教えるのだと思うのです。
そうすると、正義感の強い子供達は、恐らくなんてことだ、今すぐ是正しなくては、と、まるでヒーローが悪者を倒すような気持ちになるのだと思うのです。

しかし、今の時代に必要なのは、悪者の事情を理解したり、ヒーローが掲げる正義は本当に正義なのか、と考えることだと思うのです。

もちろん環境問題に関心を持つのは、素晴らしいことです。
ですが、今メディアで騒がれていることが本当なのか、環境問題をビジネスにしている人達がいないか、そもそも人類が自然に与える負の影響を取り除き、自然の繁栄を考えるなら、人類がいなくなれば何の問題もありません。
つまり、自分という存在が毒であるという認識に立った時、単なる二元論的な世界観は成り立ちません。

もちろん、子供にはそこまでは理解できないと思いますが、せめて正解は実はいくつもあるのだ、という教育をもっと拡めて欲しい、と極端な図柄の啓発ポスターを見ながら思ったのでした。

時代はもうポスト・トゥルースの世界に入っているのだから。

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