凡人こそ基礎を
今日はパントマイムの講師の日でした。
パントマイムの講師?
そんな仕事あるの?と大体の方が思われると思いますが、世の中にはそんな仕事もあるのです。不思議ですね。まあ、ぼくからすると本当にありがたいです。
ぼくが教えているのは、某お笑い養成所なので、純粋にパントマイムを学びたいという方達ではなく、あくまで自分達のお笑いに何かしらフィードバックして貰えることを目的に授業をしています。
パントマイム講師歴も始めてから5年くらい経ちます。毎年沢山の生徒さんを見させて頂いていますが、おっと思うようなセンスのある生徒さんもいます。毎年、全体で100人強の生徒さんの中で、大体5人くらいの割合でしょうか。
お笑い養成所ですから、彼らの目的はお笑い芸人として成功することだと思います。
しかし、少し前のように、まずはM1なりキングオブコントなりで名を成して、それから冠番組を…みたいな道筋も依然として大きいのでしょうが、今はもっと多様な道筋があるようにも思います。
少しお笑いの世界をのぞいてみて、お笑い芸人に必要な要素って何だろう?と門外漢なりに考えてみると、
・病まないこと
・協調性
・先輩、スタッフに可愛がられるキャラ
・場の空気を読む
・状況に応じた行動、コメント
・モチベーションが維持できる
・明るい
等でしょうか。
アイデアが面白いとか、キャラが面白いは、むしろ前提条件で、そういう人が沢山いるので、上記のような条件を満たしている人材が長期的には安定して活動できるのではと思います。
さて、話を少し前に戻して、センスがない生徒さんはどうすれば良いのでしょうか?
教える立場からすると、そういう生徒さんにこそ何かしら彼らの役に立つスキルや知識を伝えられないだろうか、と思うものです。
そして、ぼくも含めて多くの生徒さんは残念ながら、凡庸な才能しか授かっていません。
とすると、やっぱり大切なのは基礎なのかなあと思うのです。
凡人こそ基礎が大切なのです。
パントマイムの基礎って何だろうと考えると、
・物や感情をイメージする力
・呼吸と動きを連動する力
・緊張と弛緩
・俯瞰と集中
ちょっと小難しい言葉を並べてしまいましたが、ぼくが思うパントマイムの基礎はこんな感じです。
他にも細かい事は沢山ありますが、とにかく凡人こそ先人の知恵に、ある程度時間はかかっても、従ってみるのが、結局は学びを効率化することになるのかもしれないと思いました。
笑いって本当に難しくて、へたうまや失笑系というやり方もあります。そういう笑いも実際面白いですし、ぼくも堅苦しくなくて好きです。
ただ、そういう笑いというのは、儚い面白さかなという気はします。
芸人さんはどうしたって消費されてしまうものです。そんな時に立ち返る基礎があるのって、芸人さんのメンタルヘルスの為にも結構大切なのではと、生徒さんたちを見ながら思うのでした。
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