アボリジニの教え
アボリジニは、「貯める」ということをしないらしい。
アボリジニはオーストラリア大陸の先住民族で、多くの現代人が失ってしまった精霊と繋がる方法を知っている、と言われている。
僕が興味深いと思ったアボリジニの教えは、その人にとって必要なことは、必要な時に、もたらされるというものだ。
ということは、僕らが如何に運命に足掻いて、何かをなそうとしても、既に僕らが進む道というのは、あらかた決められているということなのだろうか。
職場で老人ばかり眺めていると、どうしても自分の老後のことを考えてしまう。
今のままの制度でいけば、僕が職場に奉公するのも、あと20年だ。
今の年収×20をすれば、僕が60歳の時までに手にするお金は大まか計算できてしまう。何の変化もおこらないと仮定しての話だが。
その大雑把な計算で導かれた金額は、僕に老後の備えをしなければ…と思わせるには充分な少なさだ。
図書館でお金の運用について書かれている本を借りてきて、頭に湯気を出しながら読み進め、いくばくかの節約法を試みる。
他にも、何か収入になる副業はないかとネットで調べてみる。
「せどり」という方法が良いらしい。
買い物がてらに、この商品はいくらで取り引きされているのだろうとバーコードをアプリで読み取ってみた。
慣れぬことに疲れて、ベッドに転がっていると、アボリジニの言葉が頭の中に響いてきた。
アボリジニは「貯める」ということをしない
必要なことは、必要な時にもたらされる
僕たちは、いつもいつかに備えて、今を見失なってしまう。そう言えば、お金を貯めることが、僕の生きる目的じゃなかったな。
かと言って、明確な目的なんて分からないけど。アボリジニのことをもっと知りたいと思った一日だった。
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