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ブラインドサッカー日本選手権 予選ラウンド

こんにちは(^^♪

11/25㈯と11/26㈰の2日間をかけてツエーゲン金沢BFCは日本選手権を戦いました

結果は以下のとおり…

【1回戦】
ツエーゲン金沢BFC 0-0(PK戦1-0) 島根オロチビート浜田
【2回戦】
埼玉T.Wings 11-0 ツエーゲン金沢BFC

初戦はPK戦まで粘って何とか勝利!

2日目の埼玉戦はさすが優勝候補筆頭だけあって撃沈しました

思ったよりできたこともあったし、思ったよりできなかったこともありました

相手があることなので仕方ないと言えばそれまでですが全体的によくやれていたと思います

中日本リーグを戦った2か月前よりは確実に良くなったと僕は思っています

では、ざっくりと大会について振り返ります!


大会前日

金沢駅鼓門

僕は大会前日のお昼前に金沢を出発しました(^^♪
岐阜に親戚がいて、かわいいちびっ子たちにも会えるのでどうせならと思いまして
大会の会場は名古屋で岐阜からは電車で30分で行ける計算でした
金沢はどんよりしてましたが岐阜に着いたらやっぱり少し青空でしたね
僕ひとりだけちょうど北陸の大寒波から脱出してずるいと言われました(笑)

大会の1週間前にトラブル発生

無事に予定通り岐阜で大会前日を迎えたわけですが、実はこの日まではかなりナーバスになってました
というのも、この5日前に両親がインフルエンザA型と診断されてしまったのです…
両親ともに高熱と咳と食欲不振でダウンしていてほとんど動けない状態でした
両親が元気なら僕は両親と一緒に車で岐阜の親戚のもとへ行く予定でした
こうなってしまったので急きょ電車のチケットを買ってひとりで行くことになったんです
もちろん両親のことも心配ですが大会を間近にひかえて自分がインフルエンザにならないかどうか…
マスクや手洗い消毒を徹底しながら自宅でも完全防御態勢で過ごしてきました
それでも自分が発症しないか心配なため、とにかく栄養だけはつけてなるべく余計なことをしないようにおとなしくしてました
僕が両親に代わってあげられるのは洗濯と掃除ぐらいですから、食事のほうはちょっと苦労しましたね
っていう経緯もありながらの大会前日の出発を無事に迎えられてそのときは本当にホッとしましたね
ちなみに大会後に金沢へ帰還したときには両親わりとケロッとしてました

大会1日目

フェンス側に立ってます

試合当日は少し風はありましたが快晴でした(^^♪
当日に金沢からマイクロバスでやってきたチームメイトより先に着く予定だったのにどういうわけか僕のほうが遅かったんですね(笑)
ちなみに岐阜からは名古屋駅を経由して地下鉄で瑞穂区役所駅まで行ってそこから歩いて会場の名古屋経済大学高蔵高校へと着きました
岐阜から瑞穂区役所駅までずっと駅員さんの案内をお願いして電車から電車まで連れてってもらっていました
名古屋駅なんかは人がぐちゃぐちゃでもうさっぱりわかりませんね
案内してくださった駅員さんがた、どうもお世話になりました!

そして僕は今大会は監督とも言われますが「センターガイド」という役割を担当させていただきました
ガイドラインと呼ばれる決まった範囲でのみ味方の選手に指示を出せるというポジションになります
それでも「やべっあそこは声かけちゃダメだった!」っていうのを今大会で何回もやってしまいました(笑)
これまでの大会を選手として経験して、ピッチの中でプレーする立場で感じた者でなければ、的確でかつ選手の意思やイメージに寄り添ったコーチングなどできない…
そう思った僕は今大会はセンターガイドをやってみよう!と心に決めて、中日本リーグが終わってからの2か月間でチームの練習を手探りながら指揮してきました
もちろん選手なので試合には出たいのですが、補聴器を着けている事情があり、強い接触プレーがNGという致命的な理由から日本選手権のような高いレベルの試合はできないだろうと判断しました
よく勘違いされますが、補聴器はすべての音を大きくして有利にする機械ではなく、あくまで目の前の相手の声を拾うマイクが入った機械なので使用目的は「会話」であり「競技」ではありません
自分に近い音から優先的に音を拾っているので近くの音を拾ってる間は遠くの音なんて雑音程度にしか入ってきません
ましてや後ろからの音には弱く、音を聴きたいときは対象が正面い来るように顔を向けていないといけません
なので僕が試合に出てるときは常に人かボールのほうに体を向け続ける必要があり、人の息遣いや足音などの気配まで聞き取る余裕がないので接近に気づかずによくぶつかります
それを弱視とはいえ日常生活ではかろうじてわずかな視力と視野でカバーしてるのでブラインドではかなり厳しいです
うん…これが視覚障がい者とはいえ聴覚も劣るというブラインドサッカーにおいて極めて不利なところですね
それでも接触プレーさえなければ奥が深くてほんとに楽しいですよブラインドサッカー(^^♪


話がちょっとそれましたが初戦についてです
まず配置は練習した配置に近い感じでアタッカー2人が壁際でボールを受けてドリブルからシュート、守備2人は自陣でどっしり構えてもらうという感じです
僕のイメージでは守備の1人はもう少し前寄りを意識したかったんですが結果的に失点せずに後ろで守り切れたので結果オーライでした
アタッカーは練習からやってきた持ち込み方がうまくハマって5本近いシュートを打ちますが、相手のGKも反応が良くて決め切ることができませんでした
PK戦はサドンデス方式でしたが、2人目でうちのアタッカーの選手が力強いシュートをネットに突き刺してくれました!(上の写真がその瞬間)
みんなの頑張りがあって嬉しい嬉しい1勝をあげることができました
僕はというとセンターガイドとして初陣だったので声が全体に通り切らなかったのが反省点でした
それでも大事なところでちゃんと指示に反応してくれたアタッカー2人には感謝ですね(^^♪


みそカツおししい~

気持ちよく勝利したあとはチームでホテルへ移動
各自少し部屋で休憩をとってから夕食にくりだしました
10人ほどのメンバーが揃って入れるお店はなかなかないので、半分に分けて別々の店に行くことになりました
僕のほうのグループは熱田にある「松島」という食堂に入りました
夜ご飯でしたが定食メニューで、僕はヒレカツ定食を注文し、ここは名古屋なのでみそカツにできるよと言われてヒレみそカツになりました(^^♪
金沢含め北陸でもみそカツ食べれるお店ってたまにあるんですけど、味がくどい感じが多いです
こちら名古屋のみそカツは比較的ソフトな食べやすいみそカツなんじゃないかと個人的には思いました
勝った後の食事と言うのも気分がいいですが、やっぱりチームメイトと遠征地で楽しく食事できるのもいいですね!
こういうことを込みで遠征の楽しみだと思いますねぇ
そして僕たちは良い子なので、食事の後は飲み歩いたり騒いだりせずに真っすぐホテルへ帰ってお風呂だけ入ってすぐに眠りました
翌日にみ~んな口をそろえて言ってましたね
「ホテルの部屋めちゃくちゃ暑かった…」(暖房スイッチのオンオフしかなくて温度調節不可能なため)

大会2日目

2日目は風が落ち着いて穏やかな晴天でした(^^♪
午前中の試合とあって朝からソワソワしてる感じはありましたね

2日目の試合も僕はセンターガイドを担当しました
補聴器使用者がプレーする姿を見ておきたいという協会の申し出もあって試合に出ることを促されましたが僕は頑なに拒否をしました
何もこんなハイレベルでタフな試合でそれを確認しなくてもいいと思うんです
それにいくら審判団や協会の方が補聴器に理解や配慮をしていただいても。ピッチ上でアイマスクをしている相手選手にとって僕はただの敵であり容赦なく突っ込んできます
極端な話、チームに子供がいたってブラインドサッカーの盛んなチームは手加減もしてくれないし遠慮もしません
みんな勝負ごとでありそういう世界だと割り切ってプレーしてる印象があります
というわけでリスク回避のために僕は試合に出場しないことを選びました

そして試合のほうですが相手は優勝経験もあるという埼玉T.Wingsです
力の差はやる前から歴然でしたがやれることはかぎられてるので初戦と同じようにやるしかないと思ってました
ところが僕にとって想定外のことが2つ起こりました

1つは前半の早い時間に味方選手が相手と激しく接触して右目を強打し負傷交代になったこと
この接触、実は身長差があると起こりやすいことで、僕も過去に自分より背の低い人の頭が口と顎にぶつかって出血したことがあります
これは試合の状況もあるので一概に言えませんが、見えてる外のガイドやスタッフもしくはGKが「身長差あるからちょっと気を付けて」の一言があれば防ぐ心構えぐらいはできたかもしれません
僕自身も経験があるのに気づいてあげられずに仲間を負傷させてしまいました…
監督と呼ばれるセンターガイドの立場としてこれが僕の今回のいちばんの失態です
怪我をしないさせないを目標のひとつに掲げていた僕にとってとても悔やまれるシーンでした

2つはあるアタッカーの選手とあるスタッフとGKの間で事前に戦略を変更していたこと
これは僕や他のチームメイトには共有されていなかったことでした
ハッキリ言ってこれってチームスポーツにおいて非常にまずい案件です
練習からやってきたことができなくなるだけでなく、他の選手とのイメージがかみ合ってないのでみんなのプレーに一体感がなくなります
当該スタッフ曰く「今日の相手は強いから無理だと思った。(選手が)そうしたいと言った」みたいなことを言ったらしいと別のスタッフから聞いたのですが、それであってもまず僕やチーム全体にそれを堂々と伝えてほしかった
伝えられても僕は「いや、練習からやってないのに本番でやるのは無理でしょ」と許可しなかったと思いますけどね
それでもブラインドサッカーでそんな場当たり的なことをコソコソみんなが知らないところで話し合って勝手にやられるのは困ります
これはまだ僕の胸にしまってあることなので他の選手やスタッフは知らない人が多いですがかなり残念なことでした
結果的に11失点しましたがこれは正直言うとこの問題が招いたものと思っています
どのみち勝てなかったにしろ失点は5~7ぐらいに抑えられることはできたはずでしたしチャンスも少なくてももっと作れるはずでした
そういうチームの和から外れることがあると何をやってもうまくいかないものです
なのでセンターガイドとして2日目の試合は素直に納得がいっていません
最後までピッチで頑張りぬいた他の選手と負傷した選手にも申し訳ないです
ここは僕のセンターガイドとしての器の部分がまだまだ弱いということなんでしょうか…
受け止めてまた機会をみてこの件はチームで話したいと思いました

2日目は負けたら終わりということでお昼前には会場をあとにします
日曜日の名古屋の街中を抜けて途中で名古屋城も横目にみながら帰路につきます
帰りのサービスエリアで休憩や食事もとりつつ夕方には金沢に到着しました
これで今回の2日(個人的には3日)にわたる日本選手権の遠征が無事に終わりました
いや無事でないのが1人いるのがただただ申し訳ない…


嬉しいこともモヤっとすることも両方ありましたが楽しかったです!

試合もセンターガイドとして外からじっくり見ていて、単純にブラインドサッカー観戦が面白いなとも思いました

チームメイトとわいわいやりながら過ごすのだけでも楽しいですよね(^^♪

僕がセンターガイドとして心がけたことはあくまで「ポジションの修正」です

正直言って「ああしろこうしろ」という指示はブラインドの選手は求めていません

知りたいのはピッチ内で起こってる状況と試合の流れと人・ボールの動き

プレーそのものの選択はあくまで現場にいる選手のイメージや判断に任せています

そう伝えることで自由にさせてあげたいし、あとはチームの約束事と共通認識の範囲でそれぞれがやれることをやるというスタンスです

そのために僕は試合中にかぎらず試合の前後や試合と関係ないところで選手たちとコミュニケーションをとります

よく喋って話を聴いて、試合の時に僕の声が少しでもやわらかく聞こえて圧迫感を感じさせないようにするためです

たぶんこういう考え方をする指導者ってブラインドサッカーにかぎらずサッカー界でも少ないんじゃないでしょうか

まだまだこの世界は「選手は監督やコーチの指示に従うもの」と意識付けがされています

僕は選手・スタッフみんなとの関係性を大事にしたいし、監督であるならその中心になりたいと思って今大会までやってきました

今後またセンターガイドをやるか選手をやるかはタイミングや大会の規模によりますが、ひとまずチームとして大きなイベントが終わってホッとしています

ツエーゲン金沢BFCはまだまだ選手不足で、大会出場もほんとにギリギリでした

それでもこうして中日本リーグと日本選手権と今年は2つの大会に出ることができ、わずかですが自力で1勝を掴み取ることもできました

改めて支えてくださったすべてのみなさまとチームメイトに感謝したいと思います(^^♪

僕はまたこれから小学校訪問やブラインドサッカー体験会など細々と活動が続いていきます

僕はツエーゲン金沢BFCを笑顔や優しさであふれる、障害関係なく誰でも関われる暖かいチームにしたいと思っています

ときに厳しいこともはっきり言いますが思いやりをもって接していきます

2023年も残り少しですがこれからもよろしくお願いします!

ツエーゲン金沢BFCに興味を持っていただけたらどんな連絡でもお待ちしております!!!

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